クルマ作りがこだわり続けたヒストリーガレージの10年 vol.5 クルマ好きのためのたまり場
更新日:2024.09.09
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1階部分の入り口から左奥に通路を進んでいくと、金色に輝くカウンターとラ・チンバリー社製エスプレッソマシーンが目に入る。イタリア出身の元F1ドライバーであるアレッサンドロ・ナニーニのプロデュースによる、日本1号店のカフェだ。
text:村上智子 photo : 渕本智信 [aheadアーカイブス vol.120 2012年11月号]
text:村上智子 photo : 渕本智信 [aheadアーカイブス vol.120 2012年11月号]
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- vol.5 クルマ好きのためのたまり場 ーナニーニ・カフェ
vol.5 クルマ好きのためのたまり場 ーナニーニ・カフェ
実はこのスペース、1階全体の改装時は、ちょっとした頭痛のタネとなっていた。というのも、「クルマ愛好家たちのたまり場」という演出上、どうしてもカフェにしたいという方針は固まっていたものの、ふさわしいテナントが決まらなかったのだ。だからと言って、価値観が異なる店を入れるわけにもいかない。
悩んだ挙句、コンセプトの企画者である北斗インターナショナルがある決断をした。「『ここまで来たら、自分たちが引き受けるしかない』とトヨタ側に伝えました」(矢藤社長)。
しかし、海外出版物の輸入販売が本業で、飲食業はまったくの素人。トヨタの担当者からも「大丈夫?」と心配されるほどだった。思い悩んでいた頃、ナニーニがイタリアでバールをチェーン展開しているとの情報を耳にする。彼は、1989年の日本GPでF1初優勝を果たしており、どこか縁を感じたという。
すぐさま手紙を書き、直接交渉すべくシエナへと向かった。あてはなかったが、意気込みと行動力はある。日本GPの縁も一役買ったのか、日本1号店のフランチャイズ契約獲得に成功。あの金色に輝くカウンターと特別オーダーのエスプレッソマシーンこそ、その証なのだ。オープンにはナニーニもイタリアから駆け付け、開店を祝った。
テーブル席やソファ席、カウンター席、テラス席からその日の気分で座る場所を選び、壁に貼られた無数のクルマの写真やポスターを眺めながら時間を過ごす。シートがレカロでできたお手製のソファや、脚がタイヤ製のテーブルには、スタッフの遊び心も垣間見える。この〝たまり場〟こそ、クルマ好きに対するヒストリーガレージの精神を象徴している。
悩んだ挙句、コンセプトの企画者である北斗インターナショナルがある決断をした。「『ここまで来たら、自分たちが引き受けるしかない』とトヨタ側に伝えました」(矢藤社長)。
しかし、海外出版物の輸入販売が本業で、飲食業はまったくの素人。トヨタの担当者からも「大丈夫?」と心配されるほどだった。思い悩んでいた頃、ナニーニがイタリアでバールをチェーン展開しているとの情報を耳にする。彼は、1989年の日本GPでF1初優勝を果たしており、どこか縁を感じたという。
すぐさま手紙を書き、直接交渉すべくシエナへと向かった。あてはなかったが、意気込みと行動力はある。日本GPの縁も一役買ったのか、日本1号店のフランチャイズ契約獲得に成功。あの金色に輝くカウンターと特別オーダーのエスプレッソマシーンこそ、その証なのだ。オープンにはナニーニもイタリアから駆け付け、開店を祝った。
テーブル席やソファ席、カウンター席、テラス席からその日の気分で座る場所を選び、壁に貼られた無数のクルマの写真やポスターを眺めながら時間を過ごす。シートがレカロでできたお手製のソファや、脚がタイヤ製のテーブルには、スタッフの遊び心も垣間見える。この〝たまり場〟こそ、クルマ好きに対するヒストリーガレージの精神を象徴している。