クルマ作りがこだわり続けたヒストリーガレージの10年 vol.9 メッセージを伝える場所

トヨタ2000GT、日産ブルーバード、いすゞ117クーペ、デロリアンDMC-12…ヒストリーガレージがこれまで開催してきた同乗試乗会のラインアップの一例である。これら以外にも館内に展示されている多くのヒストリックカーが同乗試乗会に登場している。どのクルマも、子ども時代に憧れたものだったり、今では公道で見かけることすら珍しかったりするような名車ばかりだ。

text:村上智子 photo:渕本智信 [aheadアーカイブス vol.124 2013年3月号]

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vol.9 メッセージを伝える場所 ークルマ文化の継承

vol.9 メッセージを伝える場所 ークルマ文化の継承

アヘッド ヒストリーガレージ

月に数回、指定日に開催されているこのイベント。インストラクターが運転してくれるとあって、コアなファンだけではなく、カップルや家族連れの姿も見られる。

参加者にとってはうれしい企画だが、このレベルのクルマを一般の方を対象に走らせる、となると施設側の準備は相当のものだろう。それでも開催しているのは、ヒストリーガレージがこのイベントに使命にも似た思いを託しているから。

「現在売られているクルマは、一気に出来上がったわけじゃない。技術を構築し、クルマの伝統を積み重ねて生まれてきたわけです。特に若い人たちには、昔のクルマを通して、クルマ好きな連中たちによってコツコツと受け継がれ創り上げられてきたということを、感じてもらいたいんです」(北斗インターナショナル・矢藤利夫社長)。

そのために、昔のクルマに触れる機会をつくりたい。同乗試乗だけではなく、展示車両に触れることにも寛容だったり、レストア作業を公開したりするのも、根底に同じ思いがある。

だからと言って、昔のほうが良かった、と伝えたいわけではない。願いは、技術も文化も含め、クルマについて〝伝承〟してきたものを感じ取ってもらうことだ。

「新車を追いかけるショールームも必要だろうけど、ヒストリーガレージのような場所も必要じゃないかな」(矢藤氏)。

こうしたスピリットによって、日本のクルマ文化は連綿と繋がり続けてゆくのだろう。

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