クルマ作りがこだわり続けたヒストリーガレージの10年 vol.7 モータースポーツの100年

アヘッド ヒストリーガレージ

※この記事には広告が含まれます

かつての公道レースの折り返し地点だった―という想定にふさわしく、1階はモータースポーツが刻んできた歴史を味わえる空間だ。

text:村上智子 photo:渕本智信  [aheadアーカイブス vol.122 2013年1月号]
Chapter
vol.7 モータースポーツの100年 ーGPアーカイブと GPメモリアルラウンジ

vol.7 モータースポーツの100年 ーGPアーカイブと GPメモリアルラウンジ

カフェも兼ねた「グランプリメモリアルラウンジ」の壁は、F1の天才ジム・クラーク、三度のチャンピオンに輝いたジャッキー・スチュワートなど往年の名ドライバーの写真で埋め尽くされ、棚には、ドライバーだけでなく、エンツォ・フェラーリ、コリン・チャップマンといったレースに縁のある著名人のフィギュアまでが並んでいる。

一方、カフェスペースから離れた「グランプリアーカイブ」の主役はマシンだ。とはいっても、展示されるのはモデルカー。モータースポーツというお題を、ル・マン、ラリーなどの競技や、日本、ヨーロッパなどの地域で切り取り、それぞれのテーマにふさわしいモデルカーを展示する。

例えば「日本」がテーマであれば、国内のモータースポーツ創生期の名車から各メーカーが開発してきたマシン、全日本GT選手権やフォーミュラニッポンなどで活躍してきたマシンを展示するといった具合だ。時には、活躍を再現するためのジオラマまで作るという。

マニュアルのないアーカイブ編成には、対象に対する深い理解とセンス、惜しみなく労力を注ぎ込める根気が必要だ。

「テーマごとに何を収集すべきか、どこで手に入れられるのか、といったことを独自に調べ上げていきました」(北斗インターナショナル・矢藤利夫社長)。

求める物を捜し歩き、海外に足を運ぶことも厭わない。まるで2階のミニカー&ブックショップのコレクション・ルームというストーリー設定を地で行く勢いだ。

現在GPアーカイブでは、1テーマにつき約50から70車種ものモデルカーが展示されているが、矢藤氏曰く「まだ満足はしていません」。今なお収集し続けているという姿に、クルマ好きのための場所であり続けようとする心意気を感じた。

【お得情報あり】CarMe & CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細