クルマ作りがこだわり続けたヒストリーガレージの10年 vol.8 こだわりは究極のサービス精神

アヘッド vol.8 こだわりは究極のサービス精神

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ヒストリーガレージがこれほど世界観にこだわってこられたのは、「こうすればもっと面白くなるんじゃないか」という欲をスタッフ全員が共有しているから。彼らの発想は、時にオリジナル作品となって現れる。

text:村上智子 photo:渕本智信 [aheadアーカイブス vol.123 2013年2月号]
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vol.8 こだわりは究極のサービス精神

vol.8 こだわりは究極のサービス精神

クルマ好きのたまり場であるナニーニ・カフェでの自信作は、F1のタイヤを脚代わりにした特製テーブル。タイヤを横にして積み上げ、適当な高さでテーブルにする代物ならありそうだが、タイヤは縦、しかも回転することにこだわった。曰く、「だって、タイヤは走るものだから」。1人掛けのソファには、レーシングシートをビルトイン。少々堅かろうが、思わず座ってみたくなる。

隣のグッズ販売スペースでは、既存の陳列方法では飽き足らず、ドラム缶をベースに加工したものやMac Toolsのキャビネットなどを商品棚として取り入れた。また、1Fフロアの案内表示板は、レーシングホイールとタイヤを土台にして制作。アメリカから取り寄せたレトロなガソリンスタンドポンプは、改造して展示用の棚へと変身させた。

壁に飾る額まで、オリジナルで作ってしまうこともある。1Fの壁には、時代を彩ったドライバーのポートレイトやレース写真を収めた額が、所狭しに飾られているが、不思議なことに、額の大きさや色、素材はマチマチ。尋ねると「ここは100年前からクルマ愛好家が集う場所、という設定なのに、統一されていたらリアリティがないでしょう?」と返ってきた。ストーリーはなんと額縁にまで宿っているのだ。

一見、クルマ好きの自己満足にも思えるこだわりは、訪れた人たちに楽しんでもらいたいというサービス精神の裏返しでもある。その証拠に、「これは好きな人が考えたのだろうな」というアイデアや工夫を発見すると、つい喜びを感じてしまう。

ちなみに中庭テラスのフェンスには、隠れミッキーのごとく〝GP〟(グランプリ)の文字が潜んでいるので、ぜひ探してみてほしい。

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