目指せ!カントリージェントルマン VOL.7 win-winの美学
更新日:2024.09.09
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正月を過ぎると翌シーズン以降の薪を集めはじめる。薪棚の空きが目立ちはじめる頃だし、懇意にしている造園屋さんが伐採した原木をわけてくれるのもこの時期だからというのもある。木に含まれる水分量が少ないのでタイミングとしても最高。ボク自身でも切り倒されて放ってある木を見かけると地主にかけあってもらってきたりする。
text/photo:吉田拓生 [aheadアーカイブス vol.183 2018年2月号]
text/photo:吉田拓生 [aheadアーカイブス vol.183 2018年2月号]
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VOL.7 win-winの美学
相手にとって質の悪いゴミが、こちらにとっては最高の燃料となる。この上ないウィン・ウィンの関係、地産地消が成立するのが薪ストーブの痛快なところである。もちろん中には「苦労をお金で買う」的な薪ストーブユーザーもいて、近所の別荘の住人は、木に潜む虫が苦手という理由で木くずを固めた特殊な薪を海外から取り寄せているのだが……。
最近、アオリ行為や蛇行運転といった以前はあまり目にしなかったこれらの言葉をよく見かける。その手の行為は以前から当たり前のように存在していて、路上で口論になっているようなシーンに出くわすこともたまにあった。
けれどそんなものは社会的には小さな問題であり、以前はメディアの容量にも限りがあったので(それが洗練を生んでいた)、表沙汰にはならなかったのである。
最近、アオリ行為や蛇行運転といった以前はあまり目にしなかったこれらの言葉をよく見かける。その手の行為は以前から当たり前のように存在していて、路上で口論になっているようなシーンに出くわすこともたまにあった。
けれどそんなものは社会的には小さな問題であり、以前はメディアの容量にも限りがあったので(それが洗練を生んでいた)、表沙汰にはならなかったのである。
ドライビングが好きなボクは、煽りたい!(笑)と思うことはあっても煽られることはない。高速道路の追い越し車線で必要以上に車間を開けてノロノロと走っているような人はいつでも一定数いて、その後ろで我慢を強いられることが多いのだけれど、一方コチラより速いクルマがやってきた場合には早い段階で道を譲ってしまうからである。
周囲に余計なアクションを起こさせない、というドライビングはいつの間にか身に付いていたマイルールのようなもの。追い越したクルマの前に入る場合も、充分な車間を確保してウインカーを早めに出し、さりとて前走車を刺激しない距離感で車線変更することを心掛けている。
相手の前に入るタイミングが早すぎたりステアリングの切り方が唐突であれば「割り込み! 蛇行運転!」という印象に直結してしまう。ハイペースのスマートなドライビングと乱暴な運転の見た目上の差はたいしたことがないので要注意である。
周囲に余計なアクションを起こさせない、というドライビングはいつの間にか身に付いていたマイルールのようなもの。追い越したクルマの前に入る場合も、充分な車間を確保してウインカーを早めに出し、さりとて前走車を刺激しない距離感で車線変更することを心掛けている。
相手の前に入るタイミングが早すぎたりステアリングの切り方が唐突であれば「割り込み! 蛇行運転!」という印象に直結してしまう。ハイペースのスマートなドライビングと乱暴な運転の見た目上の差はたいしたことがないので要注意である。
一見、相手に最大限の配慮をしているような僕のドライビングだが、本心を言えばただ自分の心をすっきりと保ちたいと思って一方的な美学を通しているだけ。目的地に速やかに到着するために余計なストレスを溜め込みたくないのである。
近所のゴミ(原木)集めが、ボク個人の利益のみならず僅かとはいえ環境の美化にも貢献しているように、スムーズなドライビングも個人の利益追求のみならず、結果的に交通全体の調和に繋がっている。高速道路を速やかに駆け抜けることができるドライバーは、渋滞にはまらない限り、渋滞の発生を抑制し、仮想交通量を低下させる、というのがボクの勝手な解釈なのである。
近所のゴミ(原木)集めが、ボク個人の利益のみならず僅かとはいえ環境の美化にも貢献しているように、スムーズなドライビングも個人の利益追求のみならず、結果的に交通全体の調和に繋がっている。高速道路を速やかに駆け抜けることができるドライバーは、渋滞にはまらない限り、渋滞の発生を抑制し、仮想交通量を低下させる、というのがボクの勝手な解釈なのである。
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text:吉田拓生/Takuo Yoshida
1972年生まれのモータリングライター。自動車専門誌に12年在籍した後、2005年にフリーライターとして独立。新旧あらゆるスポーツカーのドライビングインプレッションを得意としている。東京から一時間ほどの海に近い森の中に住み、畑を耕し薪で暖をとるカントリーライフの実践者でもある。
text:吉田拓生/Takuo Yoshida
1972年生まれのモータリングライター。自動車専門誌に12年在籍した後、2005年にフリーライターとして独立。新旧あらゆるスポーツカーのドライビングインプレッションを得意としている。東京から一時間ほどの海に近い森の中に住み、畑を耕し薪で暖をとるカントリーライフの実践者でもある。