クルマ作りがこだわり続けたヒストリーガレージの10年 vol.3 ストーリーのある空間

アヘッド ストーリのある空間

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ヒストリックカーの実車が展示されている2階には、狭い一本道の通路が印象的な、ミニカー&ブックショップ「グリース」がある。

text:村上智子 photo:渕本智信 [aheadアーカイブス vol.118 2012年9月号]
Chapter
vol.3 ストーリーのある空間 ーミニカー&ブックショップ

vol.3 ストーリーのある空間 ーミニカー&ブックショップ

高さ約3mの壁に挟まれた30mの通路。主に右側にはクルマ関連の書籍や雑誌、左側にはモデルカーがズラリと並ぶほか、壁にはクルマの絵や写真、プレートなどがセンスの良いインテリアのように飾られている。ショップと言うより、趣味人の部屋のような空間は、次のようなストーリーを想定してつくられた。

―通信社で働く主人公は、赴任先のパリで、仕事の傍らクルマ関連のコレクションと、ワインを嗜むようになる。欧州、米国の各赴任先でもコレクションに励み、54歳で帰国。これまでの数千に及ぶ収集品を整理しながら、ワインセラーをコレクションルームにしたいと考えた…。

物語に沿って空間を演出することは珍しくないが、物語の設定を貫き続けることはなかなかできることではない。

ここではコレクションルームという設定に基づき、できる限りパッケージは外して、モデルカーそのものが格好良く見えるように展示。商売だけを考えれば手間だが「クルマ好きにはたまらない」との言葉をもらうのが何より嬉しいという。

また、大切な品ほど子供の手が届かないところに飾るだろうと考え、貴重なコレクションは3mほどある壁面の上段に飾った。「コレクションしていれば、これは手に入れておくだろう」と思えば、売れ筋でなくても揃える。

ストーリーの設定上、商品調達は、コレクション収集と同じ過程をたどらざるを得ない。その中でクルマ好きが満足できる空間を実現してきたのは、作り手側の知識、情熱、根気があるからこそ、である。

店の企画・経営を行う北斗インターナショナルの矢藤利夫社長が目指すのは「クルマ好きの自分も憧れるようなコレクションルーム」。狭く細い通路の中には、ホンモノがひしめいている。

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