オンナにとってクルマとは Vol.25 安全装備革命!?

オンナにとってクルマとは

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女性向けの雑誌にクルマのページを作る時、これまで最も削られてきたのが「安全装備」についてだった。大きな理由は3つある。1つはファッション誌はビジュアル重視なので、安全装備を紹介するために見せられる写真がない。事故シーンなんてもってのほかだし、部品単体の写真なんて女性にはピンとこない。

text : まるも亜希子 [aheadアーカイブス vol.119 2012年10月号]
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Vol.25 安全装備革命!?

Vol.25 安全装備革命!?

2つめは、名称が難しかったりカタカナ英語で覚えにくく、簡潔に説明できないこと。急ブレーキの時にタイヤのロックを防いでくれるABSは、アンチロック・ブレーキ・システム。横滑りを防止するVSCは、ビークル・スタビリティ・コントロール。アルファベットだけでは伝わらず、カタカナにすると女性には意味不明で、しかも名称がメーカーによってバラバラ。私でさえ覚えきれないほどだ。

そして3つめは、これがいちばん問題で、女性向けに紹介することが多い軽自動車やコンパクトカーに、そうした安全装備がほとんど付いていないこと。装備が義務化されたABSは付いているが、横滑り防止装置などは最上級グレードのみに装備されるとか、一部グレードにオプション設定となる程度で、そこをウリとして紹介するまでには至っていない。

でもそんなお粗末な状態に、今年に入って少しずつ光が見えはじめてきた。

突破口は、今やスバルの代名詞ともなりつつある、運転支援システム「アイサイト」。これまではレガシィシリーズだけの装備だったのが、女性にもお薦めしやすいサイズのインプレッサに装備されたことで、女性誌の編集者が驚くほど興味を示した。とくに、全車速追従機能付クルーズコントロールの話には目を輝かせ、「乗ってみたい!」とめでたく記事採用となった。

これに続くのが、つい先日デビューしたフォルクスワーゲン 『up!』だ。全長3.5mほどのコンパクトカーで、149万円からというお手頃価格。それでも全車に標準装備されているのが、時速約5km〜30㎞未満の走行中にレーザーセンサーで障害物を検知して、追突を回避または衝撃を軽くしてくれるというシティエマージェンシーブレーキだ。

日本では今まで、最低でも250万円以上のクルマにしか装備されてこなかったもの。ついに、日本のコンパクトカー市場に安全装備革命が起ころうとしている。女性の心をつかむ、安全装備の「見える化」に、今後も期待したい。

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text:まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。
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