セリカXXやアコードに搭載。GPSが使えなかった時代のカーナビはどんなシステムだったの?

GPSカーナビの歴史

カーナビ

1970年代後半にアメリカが軍事利用のために開発したGPS(グローバル・ポジショニング・システム)は、現在は民間用途でも無料で使える環境になっています。

そのGPSを利用したカーナビゲーションシステムは、日本が最先端の技術力を持ち、普及率も高いのですが、その始まりは1990年にマツダが三菱電機と共同開発し、ユーノスコスモに搭載されたものでした。

同じ年に、 パイオニアが世界初の市販GPS式カーナビを発売。「道は星に聞く」という当時のコピーは大変衝撃的でした。

その後、1996年にはVICSサービスが開始。2000年になると、米国国防総省が民間用GPS上のSA(セレクティブ・アベイラビリティ)信号を停止したことで、精度が大幅に向上しました。かつては50万円以上もしたカーナビですが、いまではスマホで無料利用できる時代になっています。

それでは、GPS以前の各社のカーナビシステムを振り返ってみましょう。各社の”元祖カーナビ”搭載車が発売されたのはいずれも1981年の夏でした。

トヨタ セリカXXに搭載された「ナビコン」

トヨタの元祖カーナビは、「ナビコン」と呼ばれるもので、1981年7月に発売された2代目セリカXX 2800GTにオプション設定されました。

現在のように画面に地図が表示されることはなく、目的地までの方角を入力するとコンピューターが目的地までの距離を自動算出して表示するというもの。

システムは、地磁気センサーが方位角と、車速センサーから算出した走行距離を用いて、目的地の方位や目的地まであとどれくらいかの到達度を表示しました。

ちなみに、このセリカXX 2800GTには、ガソリン満タン時からの走行可能距離、燃料消費量、目的地までの到着予定時刻などをコンピューターが自動演算し表示するドライブ情報表示システムであるクルーズコンピューターが標準装備されていました。

R30型スカイラインに搭載された「ドライブガイドシステム」

ドライブガイドシステム

日産における元祖カーナビは、1981年8月に発売のR30型スカイラインに搭載されたドライブガイドシステムから始まります。

これも、地磁気センサーを使ったもので、走行前に目的地までの距離と方位を入力すると、インパネ内の表示画面に目的地の方向や残り直線距離を表示しました。

トヨタ「ナビコン」とよく似たシステムでしたね。

ホンダ アコード/ビガーに搭載された「エレクトロ・ジャイロケータ」

エレクトロ・ジャイロケータ

ホンダの元祖カーナビ「エレクトロ・ジャイロケータ」は、1981年9月発売のアコード/ビガーに、オプション設定されました。

ガスレートジャイロセンサーとタイヤの回転から算出する距離センサーを用いたもので、非常に画期的だったのは車内のブラウン管にセットされた地図上に走行経過と自車位置が表示されたことです。

自車位置が表示されたといっても、地図そのものは透明のセルロイドに印刷したもので、これをその都度画面に取り付けるというユニークなシステムでした。

ホンダの技術者はこのプロジェクト以前から、「航空機がジャイロで位置を特定しているのに、クルマにできないわけがない」と考えていたそうです。そして生まれたのが「エレクトロ・ジャイロケータ」。コンパクトなガスレートジャイロを自社で開発してまで完成させた世界初のカーナビです。

その後、膨大な時間を費やして高度なマップマッチング技術を開発。たとえ地図にない道を走ったとしても、主要道路に復帰したとき軌跡のずれを自動的に補正する技術を確立しました。

現代のカーナビ技術の礎を作ったホンダ

カーナビ

ホンダでは、その後も使いやすくするために数々の修正が加えられています。

地図をスクロールするジョイスティックや、拡大&縮小、全国の地図に簡単にアクセスする方法など、インターフェイス技術も開発が進みました。

現代のカーナビの基礎となるSD技術の多くは、80年代の数年間でホンダによって生み出され、数々の特許を取得しています。

この時期の開発によって生み出された”マップマッチング”という概念も、その後世界中のカーナビで使われることになりました。

これらの技術は1990年、全自動のカーナビとして2代目レジェンドに採用されますが、同じ年にマツダは三菱電機と共同開発した世界初のGPSナビゲーションをユーノスコスモに搭載することになります。

それまで自律航法のみで自車位置を割り出していたカーナビが、それ以降はGPS衛星からの信号を利用するシステムになりました。

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