昔、よく見かけたエンジンの空ぶかし…どんな効果があったのか?

レーシングカーの空ぶかしは意味がある?

ホンダ F1 (2016)

レーシングカーに搭載されるエンジンは、一般車とは異なり、パワーの出る高回転域で常に使用されます。簡単にいえば、コースに出たらすぐに全開、暖機運転などしません。

そのため、ピットではエンジンオイル、クーラント、エンジン各部を温めるため、十分な暖気が必要になります。一般の車であれば、アイドリングで放置するという手もありますが、サーモスタットのないレーシングカーでは、エンジンの温度をあげるためにかなりの時間が掛かります。

そこで、ある一定の回転数を目安にブリッピング(空ぶかし)したり、エンジン回転を保ったりして、エンジン温度の上昇を早めているというわけです。

つまり、レーシングカーの空ぶかしは、威嚇でもアピールでもなく、意味があってやっていることなのです。

旧車であれば空ぶかしも必要な行為?

日産 GT-R マフラー (2016)

では、普通車での空ぶかしは、意味があるのでしょうか?

車はエンジンが温まった状態で、本来の性能を発揮することができます。冬はエンジン始動直後の加速がイマイチだったり燃費が伸びないなど、なんとなく本調子でないことは日常的に運転する人であれば分かりますよね。

冷え切ったエンジンは、潤滑の役割をするオイルも冷えているので、摺動抵抗となってエンジンパワーがスポイルされます。また、それまでオイル潤滑が行われていなかったため、油膜が薄かったり切れていたりすることもあります。ここで無理に回転を上げてしまうと、油膜が切れてエンジン内の金属同士が触れることになり、エンジンの寿命を縮める原因にも繋がります。始動直後にエンジンを全開を嫌うのは、このためです。

さらに昔は、キャブレターという燃料噴射装置が主流であり、現代のインジェクションエンジンのようにECUが燃調をコントロールはしてくれませんでした。当時は、エンジン始動直後のアイドリングが不安定でエンストしてしまったり、アクセルを踏みながらセルを回したほうが始動性が良いということも確かにありました。

つまり、古い車であれば空ぶかしも少なからず意味はあったと言えるでしょう。しかし、信号待ちなどで無駄にエンジンを吹かす行為は、旧車だとしても正しい行為とは言えません。

それでも空ぶかしが意味のある行為とするなら?

排気ガス

空ぶかしの必要性について紹介してきましたが、新車・旧車問わず、百歩譲って、停車中に空ぶかしを行うのに意味があるとすれば、どんなことが考えられるでしょうか?

例えば、エンジンが不調で回転が低いとどうしてもエンストしてしまうといった場合は、応急処置としてアイドリング時に若干エンジンを煽るというのはあるかもしれません。

ターボチャージャーを搭載している車であれば、空ぶかしを行うことで一定の加給圧を維持できます。また、過給機を持たない自然吸気エンジンでも、回転を高く保っていた方がスタートダッシュの加速は良くなります。

しかし、上記2つの行為は公道では必要のない行為と言えるでしょう。意味のある空ぶかしを行いたいのであれば、サーキットで行いましょう。

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