水陸両用車「AAV」初起動!そのスペックは?

AAV 水陸両用車

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2017年8月27日に行われた富士総合火力演習で、陸上自衛隊に配備されている水陸両用車「AAV」の演習が行われ、話題となっています。AAVとは、どんな車両なのでしょうか?

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自衛隊の新装備、水陸両用車「AAV」のスペックは?
日本が急速にAAVの展開を進めている背景

自衛隊の新装備、水陸両用車「AAV」のスペックは?

※画像は陸上自衛隊HPより引用

2017年8月27日に静岡県御殿場市の東富士演習場で行われた富士総合火力演習にて、陸上自衛隊の新装備として配備された水陸両用車「AAV」が登場し、話題になりました。

AAVとは、“水陸両用強襲車=Assault Amphibious Vehicle”の略で、文字通り水陸両用車として、地上だけでなく、水上を浮上航行する能力を持つ武装車両です。

陸上自衛隊に配備されているのは、アメリカ製のAAV7A1 RAM/RSというモデルで、平成27年度防衛予算で計30両を203億円で調達しています。

サイドミラー付き方向指示器も装備した仕様もあるそうですから、公道での移動も考慮されているのでしょうね。

■AAV7A1 RAM/RS(AAV7) スペック
・ボディサイズ…全長8,161m×全幅3,269mm×全高3,315mm
・重量…25,652kg(約25.6t)
・乗員数…3名+兵員25名(貨物は4.5t)
・エンジン…V型8気筒2ストローク液冷ターボチャージド・ディーゼル(最高出力:400hp)
      V型8気筒4ストロークターボチャージド・ディーゼル(最高出力:525hp)
・最高速度…72.42km/h(地上):13km/h(水上航行時)
・行動距離…483km(地上):72km(水上航行時):3.7km(海上発進時)

エンジンは2タイプあるようですが、2ストロークの液冷ターボディーゼルというのは、馴染みが薄く興味をそそられますね。

最高出力は400hp、525hpとなっていますが、車重が約25.6トンと、通常のクルマ約20台分の重量だけに少々足りないのでは…とも思ってしまいますが、恐らくトルクが強大なのでしょう。

こうした軍用車は低速での運用が主となりますから、そうしたエンジン特性をもたらされていると想像できます。

水上での航行方法が気になるところですが、車両後部にウォータージェット2基を搭載しており、それにより13km/hでの航行を可能としています。

またウォータージェットが使用不可になってしまった場合でも、履帯(キャタピラ)を回転させることで推進可能なのだそうです。さらに3mの波までなら水上浮航が可能とのこと。

日本が急速にAAVの展開を進めている背景

このように、非常に万能性の高いAAV。海に囲まれた海洋国家である日本にとっては、こうしたAAVのような装備は必要不可欠であり、ことさら近年周辺国に脅かされている離島などの防衛を考えればこそ、こうした車両の配備が重要となります。その一方で、訓練を公開するのは、周辺国に対しての抑止力も期待したい思惑があるのは言うまでもありません。

現在、運用されているAAVは米国製ですが、基本設計が70年代のものであり、スペック含めいささか旧式すぎるという声もあがっています。前述のように海洋国家である日本としては、防衛力を高めるためにより高性能なAAVの配備が望ましいのはいうまでもありません。

現在、三菱重工は次世代AAVの開発を進めており、研究中の車両は時速37km~46kmで水上航行できるのだとか。これには米国も熱い視線を注いでおり、今後より高性能なAAVが日米共同開発として配備される可能性が高いとされています。

第二次大戦終戦後、冷戦、イデオロギーの時代になりました。その際に日本は、米国にとって地政学的に共産主義国家からの防波堤としての大きな意味合いがあり、それは現在でも続いています。その一方で世界情勢は、極めて微妙かつ危ういバランスの上に成り立っています。この現状は、平和を享受してきた私達も認識しなければならない現実と言えそうです。

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