「スチールホイール」と「重いアルミホイール」は、どれほどの差があるのか?

足元が軽くあるべき理由

BMW ホイール ブレーキ

バネ下重量の軽減は、車の運動性能に対して大きく貢献します。例えば、重い靴と軽い靴では、どちらが走りやすいかと考えてみれば想像しやすいかもしれません。

車でも同様で、バネ下と呼ばれるサスペンションより下部に付く部品の重量が軽いほうが良いと言われます。一説にはバネ下で1kg軽減すると、バネ上換算でマイナス4kgに相当するだけの効果があるとも言われています。

バネ下には、サスペンションアーム、ドライブシャフト、ブレーキ関係、タイヤ、ホイールなどが含まれますが、アームやドライブシャフトは、軽量化するとなると、大掛かりな改造が必要です。また、ブレーキはローターを大きくしたほうが制動力があがるので、軽量化には貢献しづらい。となると手っ取り早く軽量化できるのは、タイヤとホイールということになります。

ただし、そのクルマがすでにスポーツタイヤを装着している場合。タイヤの軽量化は簡単ではないので、ホイールを軽量化をするという流れになるのです。

アルミホイールは軽いのか?

アルミホイール

アルミの特徴はスチールに比べて軽量なこと。まったく同じデザインとサイズで、スチールとアルミで作った場合、確実にアルミのほうが軽くなります。比重は、アルミニウムが2.7、鉄は7.8。同じものならアルミは鉄の1/3の重さでできます。

ならば、「やっぱりアルミのほうが軽いんじゃないの?」と思われるでしょう。しかし問題は、素材の強度にあります。アルミは非常に柔らかく変形しやすい素材です。そのため、自動車で使われるアルミは、複数の素材を組み合わせた合金となっていますが、それでもスチールほどの強度にはなりません。

しかしホイールでは、この強度が非常に重要です。1トン以上のボディを支え、数百馬力というパワーと、数十キロというトルクを受け止めて路面に伝えるわけですから当然と言えます。

それでは、アルミホイールで十分な強度を得るためにはどうのようなことをするのでしょうか。

鍛造するか、肉厚にするか…

BMW M3 鍛造アルミホイール

スチールホイールはディスク面などを含め、あまり分厚い部分がありません。現在のスチールホイールは、2〜3mm程度の厚さでしょう。分厚く設計しなくても、強度を確保できることがスチールホイールのメリットと言えます。

対して、アルミホイールの強度を上げるためには「鍛造」方式で製造しなければなりません。鍛造は、日本刀の製造と同様の方法で、熱した金属を叩いて伸ばし、強度としなやかさを得る方法です。

鍛造アルミホイールの場合は、数トンという圧力をアルミの塊にかけて成形することで、薄くて高い強度を誇るアルミホイールの製造が可能になります。しかし大量生産が難しく、設備投資などのコストも非常にかかるため、価格が割高になってしまいます。

一方、型にアルミを流し込んで作る「鋳造」という製造方法があります。こちらでスチールと同等の強度を得ようとすると、ある程度肉厚になってしまいます。

しかし鋳造アルミホイールは、デザインの自由度が高く、ドレスアップなどで重宝されます。ただしアルミの量が増えていますので、スチールホイールより軽量になるかと言われると、デザインやサイズによっては必ずしも軽くない場合があります。

スチールホイールとアルミホイールの差

ホンダ シャトル ハイブリッド スチールホイール

おわかりいただけたと思いますが、スチールホイールとの差は、鋳造か鍛造かで大きく変わってきます。

鍛造アルミホイール
高強度で軽量、デザイン性に優れたアルミホイールだが、非常に高額。

鋳造アルミホイール
十分な強度があり、デザインのバリエーションは豊富。ただし、重量はスチールを勝ることもある。

スチールホイール
十分な強度があり、鋳造アルミホイールとの重量差は大差がないケースもあり、アルミホイール比で安価。デザイン性に劣る。


最近では、スチールホイールならではのデザインを上手く使ったドレスアップなどもあります。特にクラッシックなスタイルにドレスアップをする場合は、スチールホイールを活用すると良い場合も多々あります。

また、タイヤチェーンを巻くようなケースでは、アルミホイールは傷が付きやすいので、スタッドレス用に冬場はあえてスチールホイールを装着する方もいるようです。

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