アルミホイールとスチールホイールの重さ比較:素材による違いと最新事情【2025年版】

BMW ホイール ブレーキ

※この記事には広告が含まれます

アルミホイールは軽さとデザイン性に優れることで広く使われています。しかし近年はホイール径の大型化も進み、必ずしもアルミホイール=常に軽量とは言えない状況になってきました。では、アルミとスチールで素材が違うとホイールの重さはどう変わるのでしょうか?

CARPRIME編集部

クルマ情報マガジン CARPRIME[カープライム]を運営。
「カーライフを楽しむ全ての人に」を理念に掲げ、編集に取り組んでいます。

CARPRIME編集部
Chapter
バネ下重量が走りに与える影響:軽いホイールのメリットと注意点
アルミホイールは本当に軽い?素材の特性と設計の現実
鋳造 vs 鍛造:製法で決まるアルミホイールの真の重量と性能
鋳造(ちゅうぞう)アルミホイール
鍛造(たんぞう)アルミホイール
スチールとアルミを重量で比較:用途別の選び方
鍛造アルミ:最軽量だが高価
鋳造アルミ:デザイン自由度と重量のバランス
スチール:堅牢・安価で、実は軽量な場合も

バネ下重量が走りに与える影響:軽いホイールのメリットと注意点

自動車ではサスペンションより下にあるタイヤやホイールなどの「バネ下重量」は、軽いほうが運動性能に有利と言われます。ホイールを軽くすると、回転させるのに必要なエネルギーが減るため、加速性能や燃費の向上に繋がります。一方で乗り心地については、路面への追従性が高まる一方で、サスペンションとのバランスが崩れると振動が増え、かえって悪化することもあるため、一概に向上するとは言えません。要するに、ホイールは人間でいえば靴のようなもの。軽い靴のほうが身軽に走れるのと同じで、クルマも足元が軽いほど走行性能にメリットが大きいのです。

アルミホイールは本当に軽い?素材の特性と設計の現実

アルミニウムは鉄に比べて比重が約2.7と、鉄(約7.8)の約3分の1で非常に軽い素材です。そのため「アルミホイールは軽い」と思われがちです。しかし、ホイールには1トン以上の車体を支え、エンジンのパワーやブレーキの力を路面に伝えるための高い「強度」と、変形しにくさを示す「剛性」が求められます。

アルミニウムは合金にすることで強度を高められますが、剛性(ヤング率)は鉄の約3分の1しかありません。つまり、同じ厚さや形状では鉄の3倍変形しやすいのです。そのため、アルミホイールでスチールホイールと同等の剛性を確保するには、スポークを太くしたりリムを厚くしたりする必要があり、結果として使用する素材の量が増えてしまいます。この設計上の理由から、素材が軽いからといって、必ずしもホイール製品として軽くなるとは限らないのです。

鋳造 vs 鍛造:製法で決まるアルミホイールの真の重量と性能

スチールホイールは素材自体の剛性が高いため、比較的薄い設計でも強度と剛性を確保できます。近年の高張力鋼板(ハイテン鋼)の採用により、強度を保ちながら軽量化も進んでいます。一方、アルミホイールは製造方法によって性能、特に重量が大きく異なります。代表的なのが「鋳造」と「鍛造」です。

鋳造(ちゅうぞう)アルミホイール

溶かしたアルミ合金を型に流し込んで成形する方法です。デザインの自由度が高く大量生産に向いているため、市場に流通するアルミホイールの多くがこの製法です。しかし、前述の通りスチールと同等の剛性を確保しようとすると肉厚な設計になりがちです。そのため、デザインやサイズによってはスチールホイールと重量が変わらない、あるいはそれ以上に重くなるケースも少なくありません

鍛造(たんぞう)アルミホイール

熱したアルミ素材に数千トンもの高圧をかけて叩き鍛える製法です。これにより金属の結晶が緻密になり、鋳造品とは比較にならないほど高い強度と靭性が得られます。この高い強度のおかげで、薄くても十分な剛性を保てるため、非常に軽量なホイールに仕上がります。これが、バネ下重量の軽量化がもたらす真の性能向上を実現するホイールです。ただし、高度な設備と手間がかかるため製造コストが非常に高く、製品も高価になります。

スチールとアルミを重量で比較:用途別の選び方

最後に先ほど紹介したものも含めて、重量が軽い順に見ていきましょう。

鍛造アルミ:最軽量だが高価

高強度・軽量ですが、製造方法の制約からデザインの自由度は低く、性能を突き詰めた機能美が特徴です。製造コストがかかるため価格は非常に高くなります。

鋳造アルミ:デザイン自由度と重量のバランス

強度は十分でデザインのバリエーションも豊富です。ただし、強度を確保するために肉厚な設計になるため、同サイズの純正スチールホイールより重くなることも少なくありません。

スチール:堅牢・安価で、実は軽量な場合も

強度は十分です。素材自体の強度が高いため薄く作ることができ、同サイズの鋳造アルミホイールより軽量な場合も多く見られます。価格はアルミより安価ですがデザイン性では劣ります。
最近ではスチールホイール特有の無骨な見た目を活かし、クラシックな雰囲気にドレスアップする例もあります。さらに冬場は、道路に撒かれる融雪剤による腐食(塩害)から高価なアルミホイールを守るため、スタッドレスタイヤ用にあえてスチールホイールを選ぶ人も多いようです。用途や好みに応じて、素材による重さや特徴の違いを正しく理解し、自分のクルマに合ったホイール選びをしたいですね。
【お得情報あり】CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細