なぜF1のホイールはインチ数が低いのか?
更新日:2024.09.09
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最近の市販車、とりわけスポーツモデルのホイールは大径化が著しいですよね。20、21インチは当たり前で、エコカーだって18インチの時代。そんな状況下で開催されるモータースポーツの最高峰F1では、いまだに13インチが採用されています。これは、どうしてなのでしょう?
(2017年10月10日)
(2017年10月10日)
モータースポーツの最高峰F1に13インチホイール!?
F1レースに使用されるフォーミュラーカーの仕様は、FIAが定めるレギュレーションによって決まっています。タイヤについては、外周や幅について規定があります。タイヤ&ホイールについての大きな規定は、次のようになっています。
①ホイールはAZ70またはAZ80のマグネシウム合金のみで制作
②ホイール数は4つ
③ホイール幅はフロント370-385mm、リア455-470mm
④ドライタイヤの直径は670mm、ウェットウェザータイヤを装着した場合は680mmを越えないこと
⑤測定は、新しいタイヤを1.4barとした状態で行う
ちなみに2017年シーズンは、2016シーズンよりもタイヤ幅が広がり(フロント245mm→305mm、リア325mm→405mmに変更)、またリアはタイヤ外径も10mm(ドライタイヤは670mm。ウエットタイヤは690mm)も拡大しています。
13インチホイールと合わせると、かなり肉厚なタイヤを装着することになりますね。
市販のスポーツカーでも20インチは、いまや常識。大径ホイールに薄いサイドウォールのタイヤは、カッコいいと思うのですが、いまだに13インチホイールを使用し続けるのは、なぜでしょう?
①ホイールはAZ70またはAZ80のマグネシウム合金のみで制作
②ホイール数は4つ
③ホイール幅はフロント370-385mm、リア455-470mm
④ドライタイヤの直径は670mm、ウェットウェザータイヤを装着した場合は680mmを越えないこと
⑤測定は、新しいタイヤを1.4barとした状態で行う
ちなみに2017年シーズンは、2016シーズンよりもタイヤ幅が広がり(フロント245mm→305mm、リア325mm→405mmに変更)、またリアはタイヤ外径も10mm(ドライタイヤは670mm。ウエットタイヤは690mm)も拡大しています。
13インチホイールと合わせると、かなり肉厚なタイヤを装着することになりますね。
市販のスポーツカーでも20インチは、いまや常識。大径ホイールに薄いサイドウォールのタイヤは、カッコいいと思うのですが、いまだに13インチホイールを使用し続けるのは、なぜでしょう?
F1が13インチホイールを使用し続ける理由とは?
F1が13インチホイールにこだわる、有力と思われる理由を2つ、ご紹介しましょう。
スピードを抑えて、安全なレースを行うため
F1はサーキットの走行タイムを競うレースです。速さがすべてのはずですが、過去には重大事故で有名ドライバーが亡くなったり、速さを追求するあまり環境問題を後回しにしていた時期もありました。F1では、そういった問題を未然に防ぐことができるよう、さまざまにレギュレーションが決められています。
現在は、ピレリのワンメイクで、各チームが同様のタイヤを装着することが規定されています。インチアップに慣れた一般のドライバーにとって、13インチはかなり小さく思えるサイズですが、現在の規定のなかで考えるとタイヤのグリップ力はもちろんトータル性能でも、かなり優れた性能をもっているのです。
ちなみに数年前に、ピレリがデモ用としてF1の18インチタイヤを開発したことがありました。その際、グリップ性能は13インチと変わらないものだったようですが、ホイールは4kgほど重くなっていたそうです。
ホイールの重量増は、規定の最低重量に大きく影響するものですし、なによりバネ下重量の増加を招いてしまいます。つまり、最高峰の自動車レースであるべきF1が、他のクラスに劣ってしまうという可能性が生まれるのですね。
また、ブレーキに関する規定も、ホイールサイズに影響をおよぼしているかもしれません。
具体的には、ボディには車体寸法や前後ウイングなどの空力付加物について規定が設けられると同時に、ブレーキにもディスクローターの直径(最大278mm)、厚さ(最大32mm)、キャリパーの素材、ピストンの数(最大6個)、さらにABSの禁止や冷却の方法などが決められています。
このブレーキを収めるもっとも適したサイズで、現状、もっともグリップを発揮できるサイズとして、13インチが選択されているのかもしれません。
ちなみに、レクサス LC500のブレーキサイズは、フロントに400mm、リアに359mm。素材や性能が違うといっても、いかにF1のブレーキが小径なのかがわかると思います。そのため、耐フェード性の高いカーボンディスクを使用しています。
現在は、ピレリのワンメイクで、各チームが同様のタイヤを装着することが規定されています。インチアップに慣れた一般のドライバーにとって、13インチはかなり小さく思えるサイズですが、現在の規定のなかで考えるとタイヤのグリップ力はもちろんトータル性能でも、かなり優れた性能をもっているのです。
ちなみに数年前に、ピレリがデモ用としてF1の18インチタイヤを開発したことがありました。その際、グリップ性能は13インチと変わらないものだったようですが、ホイールは4kgほど重くなっていたそうです。
ホイールの重量増は、規定の最低重量に大きく影響するものですし、なによりバネ下重量の増加を招いてしまいます。つまり、最高峰の自動車レースであるべきF1が、他のクラスに劣ってしまうという可能性が生まれるのですね。
また、ブレーキに関する規定も、ホイールサイズに影響をおよぼしているかもしれません。
具体的には、ボディには車体寸法や前後ウイングなどの空力付加物について規定が設けられると同時に、ブレーキにもディスクローターの直径(最大278mm)、厚さ(最大32mm)、キャリパーの素材、ピストンの数(最大6個)、さらにABSの禁止や冷却の方法などが決められています。
このブレーキを収めるもっとも適したサイズで、現状、もっともグリップを発揮できるサイズとして、13インチが選択されているのかもしれません。
ちなみに、レクサス LC500のブレーキサイズは、フロントに400mm、リアに359mm。素材や性能が違うといっても、いかにF1のブレーキが小径なのかがわかると思います。そのため、耐フェード性の高いカーボンディスクを使用しています。
F1マシンを軽量にするため
また、前述のサイズアップにともなう性能低下に加えて問題とされるのは、足まわり全般の問題です。
2017年度のレギュレーションでは、F1の車両総重量は最低722kgとされています。当然、各チームとも最低値ギリギリの軽量マシンに仕上げてきます。
その際、サスペンションのスプリングには一般的なコイル(巻きバネ)ではなく、トーションバー(ねじり棒)を使用しています。トーションバーは、コイルより軽量に仕上げられますし、棒状なのでスペースもあまり必要としないので、ボディデザインにプラスに働きます。そこで現在のF1マシンでは、トーションバー式のスプリングが使用されています。
このスプリングを含むサスペンションにも規約があり、前後サスペンションとも前後輪以外からの入力で働かないようにセッティングすることとあります。さらに走行中にジオメトリーを変更する仕組みやパーツの使用も禁止です。
こういった規定から、現代のF1マシンのサスペンションはガチガチに固められており、分厚いタイヤのたわみにサスペンション機能の一部を担わせる設計になっている。との説もあります。
もしも、来年からホイールが18インチになり扁平率の低いタイヤの装着が義務付けられたら。F1チームは、サスペンションの設計を根本から見直す必要に迫られることになるでしょうね。
2017年度のレギュレーションでは、F1の車両総重量は最低722kgとされています。当然、各チームとも最低値ギリギリの軽量マシンに仕上げてきます。
その際、サスペンションのスプリングには一般的なコイル(巻きバネ)ではなく、トーションバー(ねじり棒)を使用しています。トーションバーは、コイルより軽量に仕上げられますし、棒状なのでスペースもあまり必要としないので、ボディデザインにプラスに働きます。そこで現在のF1マシンでは、トーションバー式のスプリングが使用されています。
このスプリングを含むサスペンションにも規約があり、前後サスペンションとも前後輪以外からの入力で働かないようにセッティングすることとあります。さらに走行中にジオメトリーを変更する仕組みやパーツの使用も禁止です。
こういった規定から、現代のF1マシンのサスペンションはガチガチに固められており、分厚いタイヤのたわみにサスペンション機能の一部を担わせる設計になっている。との説もあります。
もしも、来年からホイールが18インチになり扁平率の低いタイヤの装着が義務付けられたら。F1チームは、サスペンションの設計を根本から見直す必要に迫られることになるでしょうね。
2017年度は速さを追求
近年のF1人気は凋落傾向にあります。その原因は絶対的な速さを追求しなくなったからともいわれています。
そのため、2017年シーズンのレギュレーションでは、再び速さを追求できるようにタイヤ幅を広げてグリップ力を高め、ダウンフォースを得やすいよう前後ウイング幅とマシン全幅、前後オーバーハングの拡大を行いました。
そのいっぽうで、20インチよりも大きなホイールを装備する市販のスーパースポーツとくらべると、F1のタイヤ&ホイールがインパクトに欠けていることは否めません。現在のサプライヤーであるピレリは、数年前からF1のルックスの改善を提案しています。
F1マシンに迫力を与える大径ホイールの採用は、いつ頃実行されるのでしょうか?
そのため、2017年シーズンのレギュレーションでは、再び速さを追求できるようにタイヤ幅を広げてグリップ力を高め、ダウンフォースを得やすいよう前後ウイング幅とマシン全幅、前後オーバーハングの拡大を行いました。
そのいっぽうで、20インチよりも大きなホイールを装備する市販のスーパースポーツとくらべると、F1のタイヤ&ホイールがインパクトに欠けていることは否めません。現在のサプライヤーであるピレリは、数年前からF1のルックスの改善を提案しています。
F1マシンに迫力を与える大径ホイールの採用は、いつ頃実行されるのでしょうか?