タイヤがフェンダーからはみ出してもOK!? 時代によって変わるクルマの保安基準
更新日:2024.09.09
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スポーティな車種のドレスアップで、よく話題になるのがツライチです。ホイールやタイヤをフェンダーからはみ出さない、ギリギリのサイズまでアップさせる手法です。しかしそれはもう昔の話。2017年6月22日から、10mmまでならはみ出しても良いことになったのです。
定員10人未満の乗用車なら、タイヤがはみ出てもOK
2017年6月22日に、車検審査事務規定の一部が変更となり、私たち一般ドライバーが運転できる定員10人未満の乗用車であれば、タイヤがフェンダーからはみ出しても、"10mmまで"ならはみ出していない、とみなすことになりました。
筆者はBMWのドレスアップでツライチを追及し、車検に通るか通らないかというスリルを経験しましたが、それがいまやハミタイでもOKとのこと。改正の内容を具体的に見ていきましょう。
筆者はBMWのドレスアップでツライチを追及し、車検に通るか通らないかというスリルを経験しましたが、それがいまやハミタイでもOKとのこと。改正の内容を具体的に見ていきましょう。
はみ出していいのはタイヤだけ!
従来の車検基準では、
”車軸中心を含む鉛直面と車軸中心を通りそれぞれ前方30°及び後方50°に交わる2平面によりはさまれる走行装置の回転部分(タイヤ、ホイール・ステップ、ホイール・キャップ等)が当該部品の直上の車体(フェンダ等)より車両の外側方向に突出していないもの ”
とされていました。しかし2017年6月22日の変更では、上記に以下が加えられました。
”この場合において、専ら乗用の用に供する自動車(乗車定員10人以上の自動車、二輪自動車、側車付二輪自動車、三輪自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車並びに被牽引自動車を除く)であって、車軸中心を含む鉛直面と車軸中心を通りそれぞれ前方30°及び後方50°に交わる2平面によりはさまれる範囲の最外側がタイヤとなる部分については、外側方向への突出量が10mm未満の場合には「外側方向に突出していないもの」とみなす”
お役所的な表現でわかりにくいところもありますが、要するにフェンダーから飛び出してよいのは、タイヤだけで10mmまで。他のホイール、ホイールキャップ、ホイールボルトなどを、はみ出させてはいけません。この点は従来から変更がありませんね。もちろんタイヤがフェンダーと接触するのは、もってのほかです。
”車軸中心を含む鉛直面と車軸中心を通りそれぞれ前方30°及び後方50°に交わる2平面によりはさまれる走行装置の回転部分(タイヤ、ホイール・ステップ、ホイール・キャップ等)が当該部品の直上の車体(フェンダ等)より車両の外側方向に突出していないもの ”
とされていました。しかし2017年6月22日の変更では、上記に以下が加えられました。
”この場合において、専ら乗用の用に供する自動車(乗車定員10人以上の自動車、二輪自動車、側車付二輪自動車、三輪自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車並びに被牽引自動車を除く)であって、車軸中心を含む鉛直面と車軸中心を通りそれぞれ前方30°及び後方50°に交わる2平面によりはさまれる範囲の最外側がタイヤとなる部分については、外側方向への突出量が10mm未満の場合には「外側方向に突出していないもの」とみなす”
お役所的な表現でわかりにくいところもありますが、要するにフェンダーから飛び出してよいのは、タイヤだけで10mmまで。他のホイール、ホイールキャップ、ホイールボルトなどを、はみ出させてはいけません。この点は従来から変更がありませんね。もちろんタイヤがフェンダーと接触するのは、もってのほかです。
なぜタイヤが10mmはみ出しても良くなったのか
これまでは、ツライチでもヒヤヒヤものでしたが、今回の変更でツライチは安全圏内に入りました。なぜ、このような変更が行われたのでしょう。
従来、ハミタイは安全性の観点から禁止されていましたが、ドアミラーなどボディのサイドパネルよりも横方向に張り出しているパーツはあるわけで、もっと以前に変更できたはず。
それが今頃になって変更するということは、少しでも輸入車の非関税障壁をなくすようにという外圧ではないかと、うがった見方をしてしまうのは筆者だけではないでしょう。
従来、ハミタイは安全性の観点から禁止されていましたが、ドアミラーなどボディのサイドパネルよりも横方向に張り出しているパーツはあるわけで、もっと以前に変更できたはず。
それが今頃になって変更するということは、少しでも輸入車の非関税障壁をなくすようにという外圧ではないかと、うがった見方をしてしまうのは筆者だけではないでしょう。
ハミタイ合法化の影響は?
輸入車なら、リブがフェンダーより突出したタイヤセットを装着しているモデルもありますが、日本の保安基準には適合しません。そこでフェンダーカバーなどを取り付け、ローカライゼーションを行う必要がありました。今回の変更でその必要がなくなり、コストが削減される可能性があります。
自動車に対する日本の保安基準を海外に近づければ、日本市場への参入障壁が幾分低くなり、ローカライゼーションにかかる費用をペイできるか不透明で輸入できなかった車種でも導入される可能性が出てきます。
また、国産車でも、ホイールよりもタイヤのサイドウォールを高くするデザインが取り入れられる可能性は高く、輸入車のように格好良いモデルも登場するかもしれませんね。
自動車に対する日本の保安基準を海外に近づければ、日本市場への参入障壁が幾分低くなり、ローカライゼーションにかかる費用をペイできるか不透明で輸入できなかった車種でも導入される可能性が出てきます。
また、国産車でも、ホイールよりもタイヤのサイドウォールを高くするデザインが取り入れられる可能性は高く、輸入車のように格好良いモデルも登場するかもしれませんね。