キューバは旧車天国って知ってましたか?

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1950~60年代のアメリカ車って、カッコよくないですか?特に特徴的なのがテールフィン。日本では、ウルトラ警備隊か違法改造車でしか見かけません。そんな旧車マニア垂涎の車両が、いまなお現役で走っているのが、キューバ。カリブ海の島国です。なぜ、キューバには旧車が多いのでしょう?
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キューバは旧車天国!
なぜキューバは旧車天国なのか?
自動車は数世代に渡って受け継ぐ財産
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キューバは旧車天国!

キューバといえば、カリブ海に浮かぶレゲエを愛する陽気な人々の住む美しい島国といったイメージではないでしょうか?

かつてはアメリカと対立し、キューバ危機では核戦争寸前とまで言われた悪夢もいまは昔。社会主義国家ながら資本主義も取り入れ、徐々に市場が解放されてきています。

そんなキューバは、実はアメリカン・クラッシックカーが多く走る旧車天国なのです。

なぜキューバは旧車天国なのか?

キューバはアメリカ・フロリダ州から150kmほどの距離に位置し、いまなお1950年代のテールフィンが特徴的なアメリカ車が現役です。

その台数は恐らく16万台以上。日本貿易振興機構(ジェトロ)の2017年4月付資料によると、キューバ国内の乗用車は169,950台です。

一方、2014年に新車の売買が自由化されたものの、半年の新車販売台数は50台だけ。この数字が正しいものだとすれば、年間の新車販売台数は100台。それから右肩上がりに数字が伸びているとしても、16万台に比べれば、まだまだわずかなもので、圧倒的な旧車天国です。

なぜ、キューバでは旧車が多く走っているのでしょうか?

理由1:新車価格が高すぎる!

2012年、プジョーが新興国向けに1.2Lクラスのセダン 301を発売しました。おおよそ150万円クラスの値付けでしたが、キューバでは11万ドルで販売されました。

ちなみに2017年6月現在、1ドルは約112円なので、11万ドルは1,232万円となります。新車価格を決めているのはキューバ政府で、根拠法は「2013年財政価格省決議543号」です。

この決議によると、キューバ国内での自動車売買価格は「車両価格×8.0+関税」と定められており、プジョー 301の場合15%の関税が課されています。この算式は新車はもちろん、中古車にも適用されます。

では、キューバの中古車相場はどうでしょう。5年落ちの中国車GEELYがおよそ3万ドル、8年落ちのヒュンダイ AZERAが7万5,000ドル、21年落ちのトヨタ 4RUNNERでも7万5,000ドルです。中古としては高すぎます。日本なら、新車で良いクルマが買えます。

なぜキューバ政府は新車価格を8倍にしたのか、疑問が残ります。そもそもキューバの自動車売買自由化の名目は、車両販売利益の75%を公共交通網の整備にあてるためでした。必要な投資額を優先に考えてしまい、国民のお財布状況を考えず無茶な値付けをしたのでしょうか。

理由2:国民の年収が低い

キューバでは、職業は主に3種に分類できます。政府関連職、農業従事者、ラインセンスの交付を受けた自営業者です。

このうち20ドルの平均月収は政府関連職の月給で、他業種の平均がさらに低いと考えられます。飲まず食わずで1年貯蓄しても、240ドル。2万4,000ドルの中古車を購入するには、100年かかります。自動車を新しく購入できるはずがありません。

自動車は数世代に渡って受け継ぐ財産

キューバで新車を購入することは、とても困難です。数世代に渡って貯金しなければ、購入は無理です。

そんなキューバの経済事情のためか、1961年にアメリカとの国交が断絶される以前に輸入された古いアメリカ車をメンテナンスしながら、大切に親から子へと乗り継いでいます。島国であるにも関わらず、外装が100%オリジナルの車両も存在し、いかに大切に扱われているかを伺い知ることができます。

現在では、アメリカ本国でも見かけなくなったビンテージカーを目当てにした観光客も世界から集まるとのこと。2015年にはアメリカとの外交も回復しているので、旧車ファンなら1度は訪れてみたいですね。

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