最近、見なくなった「カンガルーバー」。どこに行った?

そもそもカンガルーバーとは?

カンガルー

もともとはオーストラリア発祥の自動車用装備で、郊外の道路を走行中にカンガルーと接触する事故が多いことから生まれました。ブル(Bull)バーやグリルガード、ムースバンパー(カナダ)などの呼び名があります。

かわいいカンガルーをはねてしまうこともショックですが、カンガルーや鹿などの大型動物は当たりかたによってはコチラも大きなダメージを受けます。

市街地など、救援が直ぐに来るような場所であればよいのですが、野生動物が生息する地域は郊外。走行不能になると、助けもなかなか来ませんし、他に生命を脅かす野生動物も生息しているので非常に危険。そこで自動車へのダメージを最小限に抑えられるために生まれたアイテムです。

カンガルーバーは、オーストラリアをはじめ、南米やアフリカ、北米でも山岳地域などでは比較的ポピュラーな装備となっています。これ以外にも、音や光などで野生動物を寄せ付けない装備もあります。

ランクル79に装着されたカンガルーバー

日本でのブーム

カンガルーバー

日本でRVブームとなったときに、カンガルーバーも大人気のアイテムとなりました。

フロントにカンガルーバーを着けて、大径のフォグランプを追加する…この2つは、当時のRV車のマストアイテムといえました。当時はクロカン系の車両だけに限らず、ワンボックスやステーションワゴンなど、多くのRV車でオプション設定または標準装備された車種も多くありました。

サードパーティの部品も多く、中央だけのシンプルなモノから、ライトの周りを囲うように作られたモノなど、バリエーションもさまざま。フロントだけでなく、リアバンパーにもバーを付ける”ファッション”だけの装備も多々ありました。

カンガルーバー付きジムニー

対人事故時に大きなダメージを与えてしまう

走行中に人をはねてしまう…そうならないように安全運転を心がけなければなりませんが、絶対に防げるのかと言えばそう簡単な話ではありません。最近では、対人事故時にボンネットを持ち上げてダメージを減らすなど、対歩行者や対自転車事故に対しての対策も進んでいます。

さて、このカンガルーバーですが、大型動物を時速50マイル(80km/h)等ではねても、自動車にダメージがおよばないように設計、製造されています。

そのため万がいち歩行者をはねてしまうと、歩行者のダメージは非常に大きくなります。特にRV車の車高を考えると、強固なバーが腰や首のあたりと接触しますので、そんなに速度は出ていないのに、致命傷を負わせてしまう…ということにもなりかねません。

このことから、おもに自動車メーカーを中心に自主規制というかたちで、カンガルーバーが減っていきました。

また、より都市に溶け込むデザインのSUVが人気となったことから、カンガルーバーのデザインがアンマッチになったことも減少を後押ししたといえるでしょう。安全性のためにカンガルーバーを減らしたかったメーカー側の都合と、新しいカテゴリーが生まれたことが上手くマッチしたと言えます。

番外編:アメリカのパトカーでよくみあるアレは?

フォード レスポンダー FORD POLICE RESPONDER hybrid (2017)

アメリカのパトカーには、セダンタイプも多くあります。そんなセダンタイプのパトカーにも、カンガルーバーのような装備が付いているのを見たことがあると思います。

これは、プッシュバンパーと呼ばれる装備で、カンガルーバーとは異なるモノです。頑丈なスチール製のバンパーが着いていると言う意味では同じですが、おもな用途は犯罪者の乗った車両を後ろから押して(Push)スピンさせるためのもの。

普通のバンパーだと簡単に壊れてしまうので、パトカーのダメージを抑えつつ犯罪者の乗った逃走車にダメージを与える装備です。

国が変われば道路事情も大きく異なります。

日本でも、狩猟などを生業とされている方はいますので、まったく必要が無い装備…ということではないと思いますが、都市部では危険性が増すことから必要のない装備といえるでしょう。付いているだけで結構重たくて、燃費も悪化しますしね。

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