19年もの間、活躍したパジェロミニ…なぜ生産終了となったのか?

三菱 パジェロミニ

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デビューはRVブーム真っ只中の1994年。軽自動車の本格四輪駆動車としてスズキ ジムニーと双璧をなすように登場した三菱 パジェロ ミニ。19年間、一世代の代替わりを経て、2013年にモデル消滅してしまいます。長年愛されたこのクルマがなぜ姿を消すことになったのでしょうか。
Chapter
お洒落でコンパクトな四駆、パジェロミニ
派生車種、パジェロジュニア
1998年デビューの2代目パジェロミニは2013年までのロングライフ
日産にも供給されたパジェロミニ
どうしてパジェロミニは姿を消したのか?
初代と2代目パジェロミニの燃費・維持費
かなりお得!パジェロミニの中古価格

お洒落でコンパクトな四駆、パジェロミニ

パジェロミニは1994年に登場。ジムニーと同じセグメントに属し車体構造も四輪駆動車として本格的なものを目指しながらより乗用車的な乗り味を目指したフレームをビルトインしたものコックを採用、足回りのつくりもやや快適性に振った仕立てとなっていて、街乗り、また女性ドライバーにも抵抗の無いようなクルマに仕上げられていました。

エンジンは660cc直列4気筒のDOHC5バルブで、これにターボ加給を行うものと、自然吸気のものが用意され、そのどちらにも二輪駆動車とイージーセレクト4WDが、そして5速マニュアルギアボックスと3速オートマチックが用意され、グレードも二種類が設定されました。

さすがに最大で900Kgを超える車重に直4、5バルブのターボでしかもオートマだったりするとけっこう燃費には厳しかったりしましたが、どっこい加速のピックアップ良く、街中では軽快な走りが楽しめたものです。

街乗り四駆とオフローダーの間を取ったようなこのパジェロミニ。その走り味はけっこう快適で、3速オートマチックがすぐに頭打ちになってしまう以外は、乗り心地は常にフラットで、ハーシュネスの遮断にも優れ、車体構造のゴツさと足回りの確かさを感じさせました。

また、四輪駆動システムもイージーセレクトと名づけてはいるものの、運転席と助手席の間に立派なトランスファーセレクターを備え、それを操作するとゴツゴツとした本格的四輪駆動車のような手ごたえと、都会の雪など屁でもないという確実な走破性能を披露してくれることも。かなり頼もしいパジェロミニでした。

スタイリングは大パジェロをそのまま小さくしたミニチュア版。まるでチョロQのような愛らしさもあったりして、フロント丸目二等ヘッドライトもファニーな印象を醸し出して女性からも高い人気を持って受け入れられました。

派生車種、パジェロジュニア

初代パジェロミニにはこのパジェロジュニアという派生車種も誕生しました。これは軽自動車規格のパジェロジュニアに大型バンパーや大型フェンダー、幅広タイヤなどを与えて、エンジンには同じく4気筒ながら1100ccまで排気量アップされたものを搭載。こちらはSOHCでしたが、性能的には余裕があったといいます。

スズキ・ジムニーでいうところのシエラ的な立ち位置のパジェロジュニアですが、このクルマは動力性能的にもハンドリングや乗り心地的にもさらにバランスが良く、人気こそほどほどでしたが、玄人筋ではこちらのほうが…と推す声も少なくありませんでした。

あらゆる意味でこのシリーズ、人気と注目を集めていたことは間違いなさそうです。

1998年デビューの2代目パジェロミニは2013年までのロングライフ

1997年から1998年にかけては軽自動車の大幅な規格変更に伴い軽自動車は新車ラッシュが続きました。もちろんその中にもパジェロミニは含まれていて、ただの大型化だけでなく、安全性向上や性能アップなどのメニューが盛り込まれました。

ターボエンジン車にはツインスクロールターボを採用。これにより低速トルクのアップと高回転域での伸びの良い加速を獲得。またリーンバーンMVVも採用し燃費にも配慮。トランスミッションは5速マニュアルに加え、オートマチックは4速にグレードアップ、これだけでも大幅な性能向上となったのです。

安全面ではホンダ・ゼスト登場までの間、長らく軽自動車における衝突安全ランキングではトップに位置しました。これは独自のクラッシャブル構造を用いたことや、軽自動車としては長めのボンネット長の影響もあったのかもしれません。

日産にも供給されたパジェロミニ

2008年にはメーカーの枠を超え日産にもOEM供給されたパジェロミニ。ミニバンタイプなどの軽自動車のラインナップは揃っていた日産の軽自動車でしたが、このタイミングで本格四輪駆動を加えることで、考えられるフルライン化を図ることができたというわけです。

フロントグリルなど、日産独自のデザインを採用。内外装のカラーリングの違いなど他のOEM車と同じような違いを見せた日産キックスです。やはり日産自動車の販売力によってかなりの数が販売され、モデル末期にありながらかなりの人気を得ていたと記憶しています。

そういえばこのキックス、「日産ミニ四駆」と銘打って販売展開がなされていましたよね。まるで、タミヤ模型のミニ四駆を思わせるキャッチフレーズで可愛らしい印象にさらに拍車をかけてくれました。

どうしてパジェロミニは姿を消したのか?

一世代目の1994年から2013年までという永木に渡って親しまれたパジェロミニ。二世代目に入って15年目に入った2013年にモデル消滅してしまいました。果たしてその理由とは何だったのでしょうか。

もちろん、わかりやすいところで言えば、なかなか更新できなかったメカニズム類の旧態化ということが挙げられるでしょう。三菱も社内事情などがあってなかなかこのクルマの抜本的な改良に着手できなかったという問題もあって、車体は特に古くはないという印象ですが、やはりエンジンやトランスミッションの改良、ひいては燃費性能の向上などにリソースを割り振ることができなかったということが小さくないはすです。

また、それ以上に立ちはだかったのは、対人衝突時の安全レギュレーション。とくにボンネットなどのパーツを新調することで解決をせねばならず、新たな研究開発費を必要とするレギュレーション変更がありました。それへの対応を見送ることになり、パジェロミニはモデル終了とあいなったわけです。

それでも、これだけ長い期間に渡って生産を続けられた可愛らしい四輪駆動車、パジェロミニ。日産・三菱の共同軽開発部門のNMKVでは遠くない将来またこのパジェロミニの後継機種を開発し売り出すというアナウンスもしているようです。

せっかく一度掘り起こした顧客層や人気をミスミス見逃すようなこともないということでしょう。次なるパジェロミニにも期待したいところです。

初代と2代目パジェロミニの燃費・維持費

  初代 2代目
カタログ燃費 15.0km/L 15km/L
実燃費 7.2km/L~10.2km/L 7.6km/L~11.0km/L
※10・15モードで測定
初代、2代目パジェロ共に、カタログ燃費を大きく下回ります。

基本維持費については、両車共¥24,000/年と軽自動車で車両の重量も軽いため、この水準になっており、燃費は軽自動車としてそれほど良いとは言えないものの、維持費がかからないため、経済的に良いと言える車です。

また、荒い運転を行い、整備をそれほどしなくても丈夫なため、故障が少なく、維持しやすいという点で高い評価を受けております。そのような丈夫さと、男らしいルックスで、クロスカントリーやソロキャンプなどで使う遊びの車として、利用されている方や、北海道や東北地方の雪の多い地域で身軽な4WDとして、活躍していることが多いようです。

かなりお得!パジェロミニの中古価格

三菱パジェロミニの詳しい中古価格は下記の表をご覧ください。
  H51/56A型 H53/58A型
最低価格 1万円 7万円
最高価格 58万円 138.3万円
平均価格 35.4万円 42万円
※2016年7月時点


三菱 パジェロミニの中古相場に関しては、初代H51/56A型、2代目H53/58型が共に35万円~40万円程度で購入でき、ライバル車のスズキ ジムニーに比べても、比較的安い価格で購入できるようです。

また、初代H51/56A型、2代目H53/58型は両車共に最安値、数万円台で購入できる車体もあります。また、パーツもオークションサイトなどに安い価格で出回っているものが多く、故障の際のパーツ交換費用が比較的安い価格で済むようです。

値引きに関しては、初代H51/56A型の場合は最大で35万円の値引きを成功させたという声も聞こえてくるため、比較的大幅に値引きをすることができます。2代目H53/58型の場合は最大で15万円程度の値引きができます。両車とも、ディーラーでの交渉よりも、様々な車を揃えている中古カーショップでの営業との交渉が効果的です。

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