半クラッチの時の不快な振動"クラッチジャダー"とは?対処法はある?

クラッチ

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近年、2ペダルの乗用車が増えてきました。先日モーターショーでは、大型トラックやバスなどでも2ペダルのトランスミッションが展示されているなど、もう「クラッチ操作」を知らないドライバーも出てくるのではないかと思うくらいです。

ソニー損保が2014年に新成人を対象としたアンケート(※)では、全体の53%はAT限定免許だったそうです。特に女性は83%がAT限定と、クラッチの存在を忘れかけた日本ですが、やはり乗りたくなるMT車ですね。

(※)ソニー損保が2013年11月28日〜12月9日、新成人1,000名を対象に調査したアンケート
http://from.sonysonpo.co.jp/topics/pr/2014/01/20140109_01.html




Chapter
クラッチの種類
クラッチの役割
クラッチミートのタイミングを意識する
結果としては「慣れ」も

クラッチの種類

自動車用クラッチとしてはおおむね2種類があります。乾式クラッチと湿式クラッチ。その違いは、クラッチディスク内にオイルが含まれているかどうか…です。文字通り、乾式であればクラッチにオイルは不要で、湿式は必要なタイプ。

多くの四輪車は乾式クラッチを利用しており、一方で二輪車は湿式クラッチの採用が多いです。乾式クラッチは構造を単純化できたり、コンパクトにできるなどのメリットがあります。

また、オイル管理が不要である点も相まって、四輪車では乾式クラッチを利用しています。マニュアル車とオートマチック車でミッションオイルの量が大きく異なる理由の一つです。トルクコンバータはフルードを介して駆動力を伝えるため、より多くの油量を必要とします。

ちなみに、最近は2ペダルマニュアルであるセミオートマチックやDCTの車も増えていますが、DCT等の一部車種では、湿式クラッチを利用している車種も。

クラッチの役割

クラッチはどんな仕事をしてくれるのでしょうか…。エンジンから出力される回転運動をトランスミッションを介してタイヤに伝えます。しかし、エンジンからタイヤまで、すべての回転軸がつながった状態でブレーキを踏んでタイヤの動きを止めると、エンジンも止まってしまいます。即ち、エンストです。

また、トランスミッションのギヤを変速する際、エンジンからの回転が途切れていないと回転を一定に保って変速する事が出来ないため、ギヤが入らない、という事にもなりかねません。そこで、トランスミッションとエンジンの間にクラッチを設けます。クラッチはペダルを踏むことで、エンジンとトランスミッションの間を切り離し、駆動力の伝達を阻害します。

このおかげで、ブレーキを踏んでもエンジンは止まりませんし、変速もスムーズにできるようになります。オートマチック車は、クラッチの代わりにトルクコンバータを使いますが、トルクコンバータは直結されておらず、オイルを介して部品を回転させるため、どちらかを急に止めても相手側に影響が及びません。

クラッチミートのタイミングを意識する

回転しているエンジン側と、静止しているミッション側をつなぐ必要がありますので、急につないでしまうと、どちらかに過度の影響が及んでしまいます。走行中というのはそれほど気にならないものですが、発進時などは非常に気を使います。

そこで、「半クラッチ」と言うクラッチの踏み方を教習所でも習います。クラッチを踏み込んだ状態から少し離した状態でエンジンとつなぎゆっくりと発進。あまり慎重になってもつながりませんし、急激な動作でもよくない。そのつなぐタイミングが全てです。

さて、クラッチジャダーは、エンストまではいかないけど「タイミングが合わなかった」状態であると言えます。こうなると、発進時に車体が前後に激しく振動したり、「ガガッ」というような異音が発生したりすることも。

市販車は、様々な癖をもった人が、いろいろな使い方をして、乗っても支障が出ないように設計されています。そのため、それほど慎重に扱わなくてもある程度は大丈夫なのも事実。乱雑ではないけど、神経質にならないクラッチミートを意識することでスムーズにつながるでしょう。

結果としては「慣れ」も

まずは、可能な限り素早くクラッチを繋ぐようにすることで、クラッチジャダーをかなり防ぐことができるようになります。つまり「慣れ」の部分も大きいです。走った時間数だけ上達するといっても過言ではありません。いずれにしも「半クラッチ」を多用しないことが重要と言えます。

周囲の交通状況に応じて上手く速度を合わせたり、前もって止まる準備が出来れていたりすると、急ブレーキや急発進がなく、スムーズな運転が可能になります。クラッチ操作も、走った分だけ、また周りの状況を見据えて左足での操作を準備できれば、それだけ上達できると言ってもいいでしょう。

ただ、あまりにもクラッチジャダーが多くする発生する場合は、クラッチ交換を必要とするケースもあります。
冒頭でもお話しした通り、若い人では半分近くがAT限定免許となり、また大型車でもAT車やセミオートマチックが増えていますので、クラッチ操作をする機会は格段に減っていそうです。最近はMT車専門のレンタカー屋さんなどもあります、時々乗りたくなるMT車のために普段から意識しておきたいですね。
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