タイヤチェーンを装着した車は、時速何キロまで出していいの?

タイヤチェーン
冬の雪道でタイヤチェーンを装着した車を運転する際、「一体どれくらいの速度まで出していいのだろう?」と疑問に思う初心者ドライバーも多いでしょう。

タイヤチェーン走行時は通常の路面とは勝手が違い、速度制限や注意点があります。

本記事では、タイヤチェーン装着車の最高速度について法律上・安全上の観点から詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
Chapter
タイヤチェーン装着車の最高速度は何キロまで出せる?
金属チェーンの場合
非金属チェーン(ゴム・樹脂チェーン)の場合
布製チェーンの場合
タイヤチェーンが必要になる場面
まとめ

タイヤチェーン装着車の最高速度は何キロまで出せる?

タイヤチェーンを装着すると、車は通常よりも低い速度で走行することが求められます。

チェーン自体がタイヤほど頑丈ではなく、高速走行に耐える設計ではないためです。 製品ごとに「装着時の最高速度◯◯km/hまで」といった指定があり、多くは30km/hまたは50km/hが上限に定められています。

万が一走行中にチェーンが切れれば、車のボディや他の車両に破片が当たって大変危険です。

安全のため、チェーン装着中は指定された速度制限を厳守しましょう。

では、具体的にチェーンの種類ごとの速度目安を見てみましょう。

金属製チェーン、非金属製チェーン(ゴム・ウレタン樹脂等)、布製チェーンで推奨速度が多少異なります。

各タイプの特徴と併せて解説します。

金属チェーンの場合

昔からある金属製(スチール製)のタイヤチェーンは、頑丈そうに見えますが高速走行には向きません。

多くの金属チェーン製品では取扱説明書に「時速20~50km以内」などと記載されており、上限速度が低めに設定されています。

実際、安全面を考慮すると金属チェーンは時速30km以下で走行するのが望ましいとされています。

国産タイヤメーカーのガイドラインでも「積雪・凍結路で金属チェーンを使用する場合は30km/hを超えないこと」と明記されています。

それ以上の速度を出すとチェーンがたわんでホイールから浮きやすくなり、振動や騒音も激しくなるため、思ったようにスピードを出せないどころか非常に危険です。

金属チェーン装着時は徐行に近い速度で走るくらいの心構えが必要と言えるでしょう。

非金属チェーン(ゴム・樹脂チェーン)の場合

近年主流になりつつある非金属製チェーン(ゴム・ウレタン樹脂・プラスチック製のチェーン、はしご型や網目型の樹脂バンド等)は、金属チェーンよりも振動や騒音が少なく、高速走行に耐えやすい構造です。

それでも推奨される最高速度は時速50km程度までが目安となります。

多くの製品で「50km/h以下で走行してください」と注意書きがあり、金属チェーンに比べれば若干余裕はあるものの高速道路の法定速度(100km/h)には遠く及びません。

一部の高性能な非金属チェーンでは「60~70km/hまで走行可能」と謳うものもありますが、安定性やチェーン自体の耐久性を考慮すると実際には50km/hを上限と考えた方が安全です。

チェーン装着時は路面状況も悪いケースが多いため、速度は控えめにして慎重に運転しましょう。

布製チェーンの場合

最近注目されている布製タイヤチェーン(布チェーン、タイヤソックスとも呼ばれるタイプ)も存在します。

特殊繊維でできたカバーをタイヤにはめる簡易チェーンで、非常に装着が手軽な反面、耐久性や走行性能には限界があります。

布製チェーンを装着して走行する場合、一般的に時速40km以下に抑えることが推奨されています。

布でできている分、金属や樹脂より高速走行に不向きと考えておきましょう。

40km/hを超えるスピードで走ると布が摩耗・劣化しやすくなり、安全性も損なわれる恐れがあります。

なお、布製チェーンはあくまで緊急用・一時的な使用に適した製品が多く、チェーン規制時に通行可となる「チェーン装着扱い」と認められるものと認められないものがあります。

購入時にはその布チェーンが国土交通省の定める「チェーン規制適合品」かどうかを確認することが大切です。

適合品であればチェーン規制区間でも使用できますが、非適合品の場合は規制時に通行できない可能性があるので注意してください。

タイヤチェーンが必要になる場面

日本では大雪時に「チェーン規制」という措置がとられることがあります。

これは2018年12月に新設された規制で、異例な大雪の際に指定区間ではタイヤチェーン装着が「必須」となるものです。

チェーン規制が発令されると、スタッドレスタイヤを履いている車であっても、その上からタイヤチェーンを装着しなければその区間を走行できません。

実際にチェーン規制が実施される際には、規制区間の手前にチェックポイントが設けられ、係員がタイヤチェーンの装着状況を確認します。

チェーンを装着していない車はそこで通行を止められます。

したがって、適切にチェーンを装着していない状態でチェーン規制区間を走行すること自体が原則できない仕組みです。

しかし万一チェーン未装着のまま規制区間に進入し、大規模な立ち往生や事故の原因を作ってしまった場合、道路標識による通行止め措置に違反したものとして罰則が科される可能性があります。

その場合、道路交通法では「通行禁止帯通行等」に該当し、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金という厳しい罰則の適用対象となり得ます。

チェーン規制が発令された際には必ず指示に従い、タイヤチェーンを確実に装着して走行するようにしましょう。

なお、チェーン規制は主に豪雪地帯の高速道路や国道の一部区間で行われます。

例えば中央自動車道や北陸自動車道の特定区間などが対象として公表されています。

冬季にこれらの地域を走行する可能性がある場合は、あらかじめチェーンを車に積んでおくと安心です。

また、チェーン規制の情報は日本道路交通情報センターや高速道路会社のサイトで事前に予告されることがありますので、天気予報と合わせてチェックしておくと良いでしょう。

まとめ

タイヤチェーン装着車の最高速度はおおむね時速50kmが上限と考えておくのが安全です(チェーンの種類によっては30~40kmが適切な場合もあります)。

法律上はチェーン装着中の明確な速度規制こそありませんが、メーカー指定の速度制限を守らないとチェーンの破損リスクが高まり大変危険です。

特に金属チェーンでは30km/h以下、非金属チェーンでも50km/h以下というスピードを厳守しましょう。

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