着物で運転すると法律違反になるの?振袖や紋付き袴など
更新日:2024.09.12
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2018年9月、福井県内で僧侶が僧衣を着てクルマを運転していたところ、交通違反切符を切られた、というニュースがありました。”運転に支障をおよぼす恐れがある”と判断されたことが、切符を切られた理由ですが、冠婚葬祭や習い事などで、私たちが和服で運転した場合も、交通違反に問われることになるのでしょうか?
文・赤井福
文・赤井福
そもそも和服で運転はダメなの?
話題になった僧侶の検挙ですが、この検挙にいたった考え方は、福井県の県道路交通法施工細則の第16条のなかに規定されている”下駄、スリッパその他運転操作に支障を及ぼすおそれのある履物または衣服を着用して車両を運転しないこと”が、根拠になっています。
具体的には、着用していた僧衣はくるぶしまでの長さのもので、両足が密着した状態になっていたこと、両袖の袖丈が30センチほどあり、袖がハンドルやシフトレバーなどに引っかかる恐れがあることを検挙理由に挙げています。
この条件から考えると、振袖や紋付き袴なども検挙の対象となってしまうようです。
具体的には、着用していた僧衣はくるぶしまでの長さのもので、両足が密着した状態になっていたこと、両袖の袖丈が30センチほどあり、袖がハンドルやシフトレバーなどに引っかかる恐れがあることを検挙理由に挙げています。
この条件から考えると、振袖や紋付き袴なども検挙の対象となってしまうようです。
細則は都道府県ごとに定められている
道路交通法施行細則は、各都道府県ごとによって定められています。なかでも運転者の遵守事項で服装について規定されている地域は、北から青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島、栃木、茨城、群馬、静岡、愛知、福井、滋賀、三重、岡山の15県です。
サンダルやハイヒールなど、ペダル操作が困難になる履物に関しての規則があることは周知されていますが、衣服に関しても規則があるのです。
このように地域によって異なることで、居住している地域では認められているものが、越県すると法令違反となってしまうケースが発生します。和装でクルマを運転する場合には、走行する地域の道路交通法施行細則を確認しましょう。
サンダルやハイヒールなど、ペダル操作が困難になる履物に関しての規則があることは周知されていますが、衣服に関しても規則があるのです。
このように地域によって異なることで、居住している地域では認められているものが、越県すると法令違反となってしまうケースが発生します。和装でクルマを運転する場合には、走行する地域の道路交通法施行細則を確認しましょう。
和服は違反になるケースがある
先に挙げた15県のうち、明確に衣服の規定をしているのが岩手県です。
運転者の遵守事項の基本となる”運転の妨げとなるような服装をし、又は下駄その他運転の妨げとなるような履物を履いて自動車又は原動機付自転車を運転しないこと。”は、他県とほぼ同じですが、さらに岩手県では運転の妨げとなる服装と履物を区別して規定し、運転の妨げになる服装を「衣服の袖、裾等によって運転の障害となるような和服等を着用して運転することを禁止するものである。なお、和服であってもズボン又はもんぺ等を履き、かつ、たすき掛け等をしている場合は該当しない」としています。
つまり、今回、福井県で問題になった僧衣や振り袖など和服であっても、裾を上げ、袖をたくし上げて止めておけばOKということになります。
これだけ詳細に規定されていれば、捕まる側も納得ができるものになりそうです。しかし、多くの県では「運転の障害となるような身なり」など、ざっくりとした文言のみで、そのため運用が個々の警察官によって異なってくるというのは、納得できない部分があります。
和服での運転は、場合によって危険性をともなうことも理解できますが、それに適用されるルールがあいまいな表現であること、さらに葬儀式場では、僧衣で運転している僧侶の方も多いことなど、現状ではグレーな部分が多いことも事実です。
ルールとして規定するのであれば、これまで慣例的に行われていたことに対しても明文化し、周知徹底が必要なのではないでしょうか?
運転者の遵守事項の基本となる”運転の妨げとなるような服装をし、又は下駄その他運転の妨げとなるような履物を履いて自動車又は原動機付自転車を運転しないこと。”は、他県とほぼ同じですが、さらに岩手県では運転の妨げとなる服装と履物を区別して規定し、運転の妨げになる服装を「衣服の袖、裾等によって運転の障害となるような和服等を着用して運転することを禁止するものである。なお、和服であってもズボン又はもんぺ等を履き、かつ、たすき掛け等をしている場合は該当しない」としています。
つまり、今回、福井県で問題になった僧衣や振り袖など和服であっても、裾を上げ、袖をたくし上げて止めておけばOKということになります。
これだけ詳細に規定されていれば、捕まる側も納得ができるものになりそうです。しかし、多くの県では「運転の障害となるような身なり」など、ざっくりとした文言のみで、そのため運用が個々の警察官によって異なってくるというのは、納得できない部分があります。
和服での運転は、場合によって危険性をともなうことも理解できますが、それに適用されるルールがあいまいな表現であること、さらに葬儀式場では、僧衣で運転している僧侶の方も多いことなど、現状ではグレーな部分が多いことも事実です。
ルールとして規定するのであれば、これまで慣例的に行われていたことに対しても明文化し、周知徹底が必要なのではないでしょうか?
現行法令のなかでは、和服での運転がとがめられない地域もありますが、岩手県のように細かな規定がある地域も存在します。いま一度、お住いの地域の道路交通法細則を確認し、ルールに則った、安全・安心な運転ができるように心がけていきましょう。
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文・赤井福
大学卒業後、金融業に従事。その後、6年間レクサスの営業マンとして自動車販売の現場に従事する。若者のクルマ離れを危惧し、ライターとしてクルマの楽しさを伝え、ネット上での情報発信を行っている。
文・赤井福
大学卒業後、金融業に従事。その後、6年間レクサスの営業マンとして自動車販売の現場に従事する。若者のクルマ離れを危惧し、ライターとしてクルマの楽しさを伝え、ネット上での情報発信を行っている。