20年前と現在の衝突基準。クルマのつぶれ方は、こんなに違う!

20年前の衝突基準はどうなっていた?

衝突実験

いまから20年前のクルマには、自動車の保安基準として”前面衝突”という試験が課せられていました。「フルラップ前面衝突試験」という項目で、50km/hの速度でコンクリート製のバリア(壁)に正面衝突をさせ、一定の基準をクリアすることが求められていました。

このフルラップ前面衝突試験は、1993年1月に改定された道路運送車両の保安基準により、1994年4月以降の新型車に義務付けされました。また、以前は衝突速度40km/hの特例措置となっていた軽自動車も、1999年4月から50km/hの試験が適用されています。

フルラップ前面衝突試験では、衝突時のダミーの頭部、頸部、胸部、下肢部に受けた衝撃や室内の変形をもとにして、乗員保護性能の度合いを評価しています。なお、現実に起こった前面衝突事故のほとんどは、この衝突試験の速度以下で発生しており、当時としては十分な安全率を考慮したものでした。

衝突実験

しかし、フルラップ前面衝突事故に加えて、現実で起こる事故により近しい評価方法で基準を制定するべきという声が、ユーザーや調査機関からあがるようになり、交通事故のさまざまな種類を分析した結果、オフセット前面衝突試験(2009年導入)、側面衝突試験、後面衝突頚部保護性能試験などが、新たに導入されることになりました。

ちなみに、サイドカーテンエアバッグが世に登場したのは、側面衝突試験が衝突評価法に導入されたことが一つの要因です。

その都度、自動車メーカーは法規適合をするために、ボディの強度対策を織り込み、現在に至っています。いまのクルマが昔のクルマよりもボディサイズが大きいのは、居住性の確保というよりも、現在の衝突安全基準に対応するため、というほうが大きな理由なのです。

【動画】1998年製カローラと2015年製カローラの衝突実験

20年前のクルマと現在のクルマが衝突したらどうなる?

ANCAP(Australasian New Car Assessment Program)にて、実際の検証実験が、2017年にYouTubeに公開されました。
 
動画では、1998年製と2015年製のトヨタカローラを衝突させる様子が収められています。両車を64km/hでオフセット衝突をさせるという内容で、2台のカローラは向かい合って走り出し、すさまじい衝突をしています。あまりの衝撃のため、両車のフロント周りは大破し、部品も散り散りになってしまいました。

次ページ2台のカローラの状況は?

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