マツダ好きなら知っておきたい!マツダの赤が特別な理由とは?

特別な赤「ソウルレッド・プレミアム・メタリック」

マツダ CX-5

マツダ独特の赤は「ソウルレッド・プレミアム・メタリック(以下ソウルレッド)」と呼ばれています。この赤色が表現できるのは、10年強に渡るマツダの塗装技術の蓄積のおかげです。公式にマツダのソウルレッドがデビューを果たしたのは2013年の東京モーターショーのこと。

13層の赤!?

モーターショーで出展の目玉となるコンセプトカー。各メーカーの未来を感じることができるワクワクするようなモデルです。コンセプトカーが独特の雰囲気を放つのは、もちろんそのデザインゆえですが、塗装にも理由があります。コンセプトカーの塗装は市販車と異なり、職人が色を何層も塗り重ねるような特別な手法で行われています。

ソウルレッドもコンセプトカーの塗装としてお披露目されました。色の層は何と13層!とても市販車では実現できない手の込み具合です。

コンセプトカーの塗装は見た目重視

なぜコンセプトカーの塗装がこだわられているかというと、もちろん見た目の美しさのためです。目的が展示である以上、実用性よりも人の目にどれだけ美しく映るかが重要になります。
逆に言えば、耐久性や実用性といった市販車として販売されるための条件は満たされていないということです。

しかし、その赤のあまりの美しさにマツダのデザイナーの方はどうしてもソウルレッドを市販車としてドライバーに届けたくなったそうです。けれども、当時のソウルレッドはあくまでコンセプトカーのための色。市販車のボディを彩るには問題がありました。

市販化に向けて問題が山積み

例えば染料の問題。コンセプトカーの塗装に使われる染料は発色を良くするための特別製です。

そのため、気温や天候といった外的要因に対する耐性が低く、市販車としての耐久性を持ち合わせていませんでした。さらにソウルレッドは美しさのために職人が13層も赤を塗り重ねるという、技術と時間を要する塗装方法によって実現しています。

1カ月に何千台も生産されるマツダ車の生産スピードにこの塗装方法を当てはめるのは困難です。

以上のように大きな課題が積みあがる中、果たしてどのようにソウルレッドを実現したのでしょうか。

魂動デザインとソウルレッドの関係

現在のマツダのデザインコンセプトと言えば「魂動 KODO : SOUL of MOTION」。
車を単なる金属の塊ではなく、まるで生き物のように生命感を感じさせるようなデザインをモットーにしています。

これは人馬一体がキーワードだったロードスターの頃から受け継がれている感覚なのかもしれません。生き物は変化していくもの。マツダの赤もどこから見ても同じ色ではなく、見る角度や明るさによって異なる必要があります。

それによって、まるで本当の生き物のような躍動感が出るはずです。マツダのデザインをよりコンセプトに忠実なものにするためにもボディカラーは重要な役割を果たしているんですね。

ソウルレッド実現のための2つの試み

とはいえ、市販車に13層もの色を塗り重ねるのは困難です。
そこでマツダは2つの取り組みを行いました。1つ目は塗料の成分や粒子にまで踏み込んだ「色の作り込み」です。
メタリックの光沢感を鮮やかに出すためにアルミ粒子の向きを揃えたり、粘度を制御しやすい塗料を新たに開発したりしました。
デザイン担当の方々だけでなく、塗料メーカーや技術研究所、そしてボディ設計陣の方々までが一丸となって行った取り組みです。もう1つは様々な色を使った試行錯誤。13層の立体感を出すために下地として金属に近いシルバーを塗装した上で赤を重ねるという解決策に至りました。

しかし、赤を重ねると言っても様々な赤があります。青みを加えると、少しリッチで大人っぽくなり、オレンジを加えた赤にするとスポーティな赤になります。気の遠くなるような種類の赤の中から何度も色を変えてサンプルを作ったそうです。その結果、陰影感と透明感を兼ね備えた現在のソウルレッドが完成しました。

マツダのソウルレッドが誕生した背景を知って感じたのは、車がいかに様々な要素から成り立っているかということです。
デザインという要素を考えてみても、その中にはボディラインや全体のバランス、そして塗装があり、その塗装も色味、明るさ、粒子など更に細分化されていきます。

完成品ばかりに目がいきがちになってしまいますが、それを支える1つ1つの技術が大事ということですね。

この記事をシェアする

関連する記事

最新記事