なぜマツダのデザインは「かっこいい」と言われるのか?
更新日:2024.09.09
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2015年8月の新車販売台数で国産メーカー4位のマツダ。現在販売中のCX-5、アテンザ、アクセラ、デミオ、そしてCX-3、ロードスターと新モデルが発売される度に高い評価を得ています。
車づくりのスタンスやクリーンディーゼルエンジン、デザインなど様々な点で評価されていますが、恐らくその中でも、"マツダ"を高く評価されているのがエクステリアデザインではないでしょうか?
また、デザインテーマ「魂動(こどう)」を取り入れてから、マツダのクルマづくりは大きく変わったといえます。折しも新型CX-5も発表され、ますます進化を続ける「マツダデザイン」。
そんな、マツダのデザインに今回は迫ってみたいと思います。
車づくりのスタンスやクリーンディーゼルエンジン、デザインなど様々な点で評価されていますが、恐らくその中でも、"マツダ"を高く評価されているのがエクステリアデザインではないでしょうか?
また、デザインテーマ「魂動(こどう)」を取り入れてから、マツダのクルマづくりは大きく変わったといえます。折しも新型CX-5も発表され、ますます進化を続ける「マツダデザイン」。
そんな、マツダのデザインに今回は迫ってみたいと思います。
This is Mazda Design
多くの皆さんが既にご覧になっているかと思いますが、マツダでは「This is Mazda Design」のキャッチコピーのもとに、マツダ車のデザインが優れている事を訴求するTVCMを放映しています。
マツダデザインを主題にしたTVCMも過去に何種類か放映されていますが、2015年9月からはCX-3を使った「This is Mazda Design×CX-3」篇が公開されています。今のマツダのデザインに関する想いが少なからず感じていただけるのではないかと思います。
美しい物でなければ人の心を打つことはできない。
情熱を込めて作られた物でなければ感動を呼ぶことはできない。人間の手が生み出すさまざまな形をまとって我々のクルマたちは単なる道具であることを超える。
これがマツダデザイン。
【マツダ公式コメントより転載】
マツダデザインを主題にしたTVCMも過去に何種類か放映されていますが、2015年9月からはCX-3を使った「This is Mazda Design×CX-3」篇が公開されています。今のマツダのデザインに関する想いが少なからず感じていただけるのではないかと思います。
美しい物でなければ人の心を打つことはできない。
情熱を込めて作られた物でなければ感動を呼ぶことはできない。人間の手が生み出すさまざまな形をまとって我々のクルマたちは単なる道具であることを超える。
これがマツダデザイン。
【マツダ公式コメントより転載】
マツダデザインに対する世界の評価
デザインに非常に力を入れているマツダですが、つい先日には自動車に関連する優れた製品やコミュニケーションを対象にした、ドイツの権威あるデザイン賞である「オートモティブ・ブランド・コンテスト」で、マツダのグローバルデザイン部門、コンパクトSUVの「CX-3」、マツダデザインの自転車「バイク・バイ・コドー・コンセプト」が受賞という快挙も成し遂げました。
また、過去にもデザインに関した評価による様々な賞も受賞しています。以下にデザインに関する主な受賞歴を記載してみます。
・2014グッドデザイン金賞(デミオ)
・2014ワールド・カー・デザイン・オブザ・イヤー Top3 ファイナリスト(アクセラ)
・2013ワールド・カー・デザイン・オブザ・イヤー Top3 ファイナリスト(アテンザ)
・2013日本カーモデリング大賞(アテンザ)
・2012-2013日本カーデザイン大賞(アテンザ)
・オートカラーアワード2013 デザイナーズセレクション エクステリア部門賞(アテンザ)
・オートカラーアワード2013 デザイナーズセレクション インテリア部門賞(アテンザ)
ご覧頂いたように、これだけデザインに関するグローバルな評価、受賞を短期間で受けた実績は恐らく国産メーカーでは過去に例がないのではないでしょうか。少なくともグローバルで高い評価を受けている事はまぎれのない事実です。
2013年、2014年と2年連続ファイナリスト3台に選出されたワールド・カー・デザイン・オブザ・イヤーにおいても、2013年のアテンザはアストンマーチン・ヴァンキッシュ、ジャガーFタイプを相手にしてのファイナリストでした。ヴァンキッシュはアテンザが10台買えるような価格、Fタイプもアテンザが2~3台買えるような価格の車です。
トップこそは取れなかったものの、そういった遥かに格上の車相手にTop3選出されたというのは本当に素晴らしいとしか言いようがありません。
また、過去にもデザインに関した評価による様々な賞も受賞しています。以下にデザインに関する主な受賞歴を記載してみます。
・2014グッドデザイン金賞(デミオ)
・2014ワールド・カー・デザイン・オブザ・イヤー Top3 ファイナリスト(アクセラ)
・2013ワールド・カー・デザイン・オブザ・イヤー Top3 ファイナリスト(アテンザ)
・2013日本カーモデリング大賞(アテンザ)
・2012-2013日本カーデザイン大賞(アテンザ)
・オートカラーアワード2013 デザイナーズセレクション エクステリア部門賞(アテンザ)
・オートカラーアワード2013 デザイナーズセレクション インテリア部門賞(アテンザ)
ご覧頂いたように、これだけデザインに関するグローバルな評価、受賞を短期間で受けた実績は恐らく国産メーカーでは過去に例がないのではないでしょうか。少なくともグローバルで高い評価を受けている事はまぎれのない事実です。
2013年、2014年と2年連続ファイナリスト3台に選出されたワールド・カー・デザイン・オブザ・イヤーにおいても、2013年のアテンザはアストンマーチン・ヴァンキッシュ、ジャガーFタイプを相手にしてのファイナリストでした。ヴァンキッシュはアテンザが10台買えるような価格、Fタイプもアテンザが2~3台買えるような価格の車です。
トップこそは取れなかったものの、そういった遥かに格上の車相手にTop3選出されたというのは本当に素晴らしいとしか言いようがありません。
マツダのデザインコンセプト「魂動デザイン」
2012年発売の「CX-5」以降の車種に適用されているマツダのデザインコンセプト「魂動」。
「魂動」デザインは、2010年に発表されたコンセプトカー「靭(SHINARI)」に初めて用いられました。それ以前は2006年のロサンゼルスオートショーで発表されたコンセプトカー「流(NAGARE)」に端を発する「NAGARE」デザインが市販車としてはプレマシーなどに表現されていましたが、2009年4月に現デザイン本部長の前田育男氏が就任したことにより大きな転換を迎えたと言われています。
それでは、「魂動」デザインとはどんなものなのでしょうか?
「魂動」デザインは「生物が目標に向かって動き出す一瞬の強さや美しさ」、それを究極のMotion Formとして車のデザインに落とし込み、車をただの鉄の塊ではなく、まるで生き物のように生命感を感じさせるものにしたいという考えから生まれました。まるで意志を持って動き出しそうな緊張感と、体温を持ち呼吸しているかのような温かみをもった、生きた車を目指す。
それが「魂動」デザインなのです。
マツダの「魂動」デザインというと、五角形の大きなグリルやそこからヘッドライトに延びていくシグネチャーウイングなどのアイコニックな造形が「魂動」の象徴と思われている方も多いかと思いますが、「魂動」デザインとは上記のような理想の造形を追い求めるための手法そのものなのです。したがって、新型ロードスターにはシグネチャーウイングもありませんし、ヘッドライトも他の車種とは少々異なっています。でも、他のマツダ車同様、一目見るとマツダ車だという事を感じる事ができると思います。
マツダデザインに関して、「どの車種も同じようなデザインで金太郎飴のよう」などというネット上での批判的な意見も目にしますが、それはむしろマツダの「魂動」デザインの狙いが成功していると言えるのではないでしょうか。
「魂動」デザインは、2010年に発表されたコンセプトカー「靭(SHINARI)」に初めて用いられました。それ以前は2006年のロサンゼルスオートショーで発表されたコンセプトカー「流(NAGARE)」に端を発する「NAGARE」デザインが市販車としてはプレマシーなどに表現されていましたが、2009年4月に現デザイン本部長の前田育男氏が就任したことにより大きな転換を迎えたと言われています。
それでは、「魂動」デザインとはどんなものなのでしょうか?
「魂動」デザインは「生物が目標に向かって動き出す一瞬の強さや美しさ」、それを究極のMotion Formとして車のデザインに落とし込み、車をただの鉄の塊ではなく、まるで生き物のように生命感を感じさせるものにしたいという考えから生まれました。まるで意志を持って動き出しそうな緊張感と、体温を持ち呼吸しているかのような温かみをもった、生きた車を目指す。
それが「魂動」デザインなのです。
マツダの「魂動」デザインというと、五角形の大きなグリルやそこからヘッドライトに延びていくシグネチャーウイングなどのアイコニックな造形が「魂動」の象徴と思われている方も多いかと思いますが、「魂動」デザインとは上記のような理想の造形を追い求めるための手法そのものなのです。したがって、新型ロードスターにはシグネチャーウイングもありませんし、ヘッドライトも他の車種とは少々異なっています。でも、他のマツダ車同様、一目見るとマツダ車だという事を感じる事ができると思います。
マツダデザインに関して、「どの車種も同じようなデザインで金太郎飴のよう」などというネット上での批判的な意見も目にしますが、それはむしろマツダの「魂動」デザインの狙いが成功していると言えるのではないでしょうか。
魂動デザインの今後
2017年2月には新型CX-5もリリースされます。やはり気になるのはそのデザイン。プラットフォームはキャリーオーバーとなるので、ドラスティックな変化はないといえますが、デザインを見ると、旧型が「押しの強い顔」だったのに対し、新型は少し落ち着いたデザインに。非常にブラッシュアップされた印象があります。
マツダのデザイン本部長だった前田育男氏は「今目指しているのは、日本の美意識でカーデザインを磨き上げること」とコメントしています。
(参照元:マツダ公式HP)
これまで、日本車は「安い」「壊れにくい」という利便性の部分が大きく語られていましたし、それが競争力でもありました。しかしグローバル化が進み、近隣のアジア諸国も競争力をつけてきました。
勿論、信頼性といった部分では日本車は世界でもトップクラスであるのは変わりませんが、「安い」という意味では、たとえばインドのタタモーターズ、また韓国のヒュンダイあたりも競争力をつけてきていますし、それなりのプロダクトを提示してきているのも事実。
日本車にとって、デザインクオリティの向上というのは「避けられないステップ」、であったのでしょう。
マツダは国内メーカーでもいち早く、このステップを踏み越えていったといえるのではないでしょうか。もちろん、スカイアクティブテクノロジーといった性能面に裏打ちされてこそ、のデザインであるのは言うまでもありませんが。
マツダのデザイン本部長だった前田育男氏は「今目指しているのは、日本の美意識でカーデザインを磨き上げること」とコメントしています。
(参照元:マツダ公式HP)
これまで、日本車は「安い」「壊れにくい」という利便性の部分が大きく語られていましたし、それが競争力でもありました。しかしグローバル化が進み、近隣のアジア諸国も競争力をつけてきました。
勿論、信頼性といった部分では日本車は世界でもトップクラスであるのは変わりませんが、「安い」という意味では、たとえばインドのタタモーターズ、また韓国のヒュンダイあたりも競争力をつけてきていますし、それなりのプロダクトを提示してきているのも事実。
日本車にとって、デザインクオリティの向上というのは「避けられないステップ」、であったのでしょう。
マツダは国内メーカーでもいち早く、このステップを踏み越えていったといえるのではないでしょうか。もちろん、スカイアクティブテクノロジーといった性能面に裏打ちされてこそ、のデザインであるのは言うまでもありませんが。
マツダデザインが優れているのはなぜなのか?
では、なぜマツダのデザインが特に優れていると評価されているのでしょうか?それは、マツダというメーカーのモノづくりやデザインに対する考え方と、メーカーとしての規模に起因していると考えます。
まずデザインに対する考え方ですが、現在のマツダはデザインという点に関して非常に重きを置いています。「ブランドデザインという視点を持ち、ブランドとしての存在感を高めることができれば、海外のプレミアムブランドとも戦えるレベルになると思う」とデザイン本部長の前田氏も言っています。そういった視点を現場に徹底する事が、従来のデザインから商品化におけるプロセスも変化させているのです。
実際、現在のマツダではデザイナーとエンジニアとの一体感というものが存在しているそうです。通常であれば、デザイナーが最初につくりあげたデザインがそのまま市販車で実現される事はほぼありません。それはコストの問題や技術的な問題など、超えるには高いハードルが数多く存在するからです。
しかし、マツダではデザイナーがエンジニアになぜそのデザインなのかの想いを伝え、エンジニアもその想いが理解できれば、可能な限りその想いを共に実現しようとしているからなのです。デザイナーやカラーデザイナー、ハードモデラー、クレイモデラー、プレスエンジニアなど、多くの「匠」と呼ばれる方々が力を合わせ、それによって「カッコいいマツダ車」を生み出しているのです。
では、他のメーカーも同じような手法を取ればいいのではないかと思われるかもしれませんが、それをなかなか実現できないのが、もう1つの理由である「メーカーの規模」という点になるかと思います。近年のマツダでも国産メーカーの新車販売数でみれば下位メーカーです。その決して大きくない規模だからこそ、大胆な変革や思い切った戦略をとる事ができ、今のマツダの「ブレークスルー」という企業風土を生んだのではないでしょうか。
最大手メーカーであれば、社内風土の変革というのは並大抵の事ではありません。思想の違う人間の種類や絶対数も比べ物にならないくらい多くなり、恐らく最低でも10年単位の年月を費やさなければ大きな変化は生まれないでしょう。
以上のような理由により、マツダの優れたデザインは生み出されているのです。マツダデザインに興味が沸いた方は、ぜひマツダホームページもご覧になってみてはいかがでしょうか?
マツダのデザイナーの方々をはじめ、熱い想いが語られていますよ。
まずデザインに対する考え方ですが、現在のマツダはデザインという点に関して非常に重きを置いています。「ブランドデザインという視点を持ち、ブランドとしての存在感を高めることができれば、海外のプレミアムブランドとも戦えるレベルになると思う」とデザイン本部長の前田氏も言っています。そういった視点を現場に徹底する事が、従来のデザインから商品化におけるプロセスも変化させているのです。
実際、現在のマツダではデザイナーとエンジニアとの一体感というものが存在しているそうです。通常であれば、デザイナーが最初につくりあげたデザインがそのまま市販車で実現される事はほぼありません。それはコストの問題や技術的な問題など、超えるには高いハードルが数多く存在するからです。
しかし、マツダではデザイナーがエンジニアになぜそのデザインなのかの想いを伝え、エンジニアもその想いが理解できれば、可能な限りその想いを共に実現しようとしているからなのです。デザイナーやカラーデザイナー、ハードモデラー、クレイモデラー、プレスエンジニアなど、多くの「匠」と呼ばれる方々が力を合わせ、それによって「カッコいいマツダ車」を生み出しているのです。
では、他のメーカーも同じような手法を取ればいいのではないかと思われるかもしれませんが、それをなかなか実現できないのが、もう1つの理由である「メーカーの規模」という点になるかと思います。近年のマツダでも国産メーカーの新車販売数でみれば下位メーカーです。その決して大きくない規模だからこそ、大胆な変革や思い切った戦略をとる事ができ、今のマツダの「ブレークスルー」という企業風土を生んだのではないでしょうか。
最大手メーカーであれば、社内風土の変革というのは並大抵の事ではありません。思想の違う人間の種類や絶対数も比べ物にならないくらい多くなり、恐らく最低でも10年単位の年月を費やさなければ大きな変化は生まれないでしょう。
以上のような理由により、マツダの優れたデザインは生み出されているのです。マツダデザインに興味が沸いた方は、ぜひマツダホームページもご覧になってみてはいかがでしょうか?
マツダのデザイナーの方々をはじめ、熱い想いが語られていますよ。