小沢コージのものくろメッセ その20 モーターショーに本当のビックリはあるのか

その20 モーターショーに本当のビックリはあるのか

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特に自動運転元年!?たる今年は、東京こそが世界に冠たるハイテクショーってことで、出品数じゃ中国に負けるがさすがは自動車作って100年のニッポン。底ヂカラを見せつけている。

とはいえ根本的なところでなんだが、最近ショーでつまらないのは現場に行く前にネタがある程度分かってることだ。トヨタS-FRに日産テアトロ・フォー・デイズにスズキ・マイティデッキ…。

すべて事前公開されてて、まさに世紀のネタバレショー! 我々マスコミからすると計算は出来るし、取材全部を現場で済まさなくていいのでラクだけど、ちょっとなぁ…って気分はある。

なんというか女性とベッドインするのに、最初っから服を脱いで待っててくれちゃうようなもので、ラクっちゃラクだけど情緒もときめきもガタ減り。

行けば行ったで生で見られる面白さはあるし、イベント特有の雰囲気もあるけど、本来ショーはサプライズが基本のはず。見せる効率と広告重視の戦略が行きすぎてる気がするのもいかがなものかと。

いろんな意味でヴァーチャル化が進む現在。いろんなことをネットやアプリで済ます人が増えている中、あれだけの報道量を見て「東京モーターショー? 行かなくていいや」と思う人も確実に相当数いるはず。ますます進化し続けるヴァーチャルモーターショー。報道し甲斐はあるが、やはりなにか出し過ぎという気もするのだ。

そのほかイベントやスポーツもそうだが、テレビの方が道筋がよく分かったという例はいくらでもある。サッカーや野球はもちろん、特にモータースポーツ、F1やラリーはテレビ中継の方が確実に流れが分かる。

サーキットやラリーフィールドはデカ過ぎて全てが把握できないからだ。走行中の順位はもちろん、目の前でオーバーテイクするシーンなんて大抵みられない。「誰が1位か?」はどんな人でもラジオかモニターで確認するものなのだ。

プロのモータースポーツジャーナリストですらほぼプレスルームに張り付いて、表彰式やインタビューの時だけスタンドに行く人もいる。

もちろん昔から「現場に行かないと本当のことは分からない」伝説はある。それはその通りで、現場に行って「ああ、アイツとアイツはケンカしてたのか」とか「現場は凄く冷めてたのか」と気づくことはある。

しかしモーターショーはそもそも物づくりや闘う現場ではないので、そこはちょっと見えにくい。確実に見えるのは「観客の熱さ」ぐらいであって、本当にクルマの情報だけが欲しい人はかなりの部分がネットチェックで済んじゃったりするのだ。

そこで不肖小沢は突如提案してしまうが、一度事前情報ゼロのモーターショーをやってみたらどうだろう。あるいは「今回マツダは一切出さない」とか「スバルは未公開」とか。

全メーカー出さないのはなんであるが、一部小規模なブランドはそうやって出し惜しみ戦略をするとか。一度やってみるといいと思うんですけど…。

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text:小沢コージ/Koji Ozawa
雑誌、ウェブ、ラジオなどで活躍中の“バラエティ自動車ジャーナリスト”。自動車メーカーを経て二玄社に入社、『NAVI』の編集に携わる。現在は『ベストカー』『日経トレンディネット』などに連載を持つ。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、トヨタiQなど

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