平成5年生まれの私がホンダ シビックSiR Ⅱを推す理由

ホンダ シビック SiR・Ⅱ

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平成5年生まれの私が、始めてハンドルを握ったクルマは、1989年(昭和64年)式のホンダ シビックSiRⅡでした。自分よりも年を重ねたシビックに乗ることになったのは、自宅ガレージに眠っていたからという、よくある理由。そんなクルマを推す理由は、ずばり「運転の楽しさ」。いまや中古市場でも数が減っている絶滅危惧種ですが、余裕があればぜひ乗ってほしい1台です。
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実家にあったホンダ車
メインは街乗りとワインディング
サーキットでも楽しめる

実家にあったホンダ車

高校を卒業して第一種普通自動車免許を取得したとき、実家には1989年式のホンダ シビックSiRⅡ(サンルーフ付き)がありました。他に運転できる車が無かったので、実家にいるときはこの古いシビックが私の足になりました。

購入したのは私の父親。彼を含めた当時の若者たち(特に男性)は、スポーツ走行に向いた自動車を購入して、タイムアタックやドリフト、サーキット走行などモータースポーツを楽しんでいました。なかでも人気のあった車両の1台が、シビックSiRⅡ(EF9型)で、父親は発売と同時に購入したそうです。

とはいえ、免許を取得したばかりの筆者がそのような時代背景を知るわけもなく、車高が低くてシートがリクライニングできない車という印象しかありませんでした。室内は、後部座席部分に筒状の棒がいくつも組まれており、友人数名を誘ってのドライブも不可能でした。

メインは街乗りとワインディング

エンジンは、可変バルブタイミングリフト機構(=VTEC)を搭載したB16Aエンジンで、通称VTECと呼ばれるものでした。低回転と高回転でカムを切り替えてバルブ開閉量を調整、高回転域ではドライバーの動物的本能を引き出す刺激的なエンジンへと変貌します。

そんなエンジンが搭載されていて、街乗りだけで満足できるわけがありません。さらに前にも書いたように、父親のシビックはサーキット走行用に、車高が低く(=車高調)、後部座席部分には筒状の棒(=ロールケージ)、さらにリクライニングしないシート(バケットシート)が装備されていたのです。

はじめは街乗りカーとして使っていましたが、慣れるにつれて地元のワインディングロードを走るようになり、次第にサーキットを走ってみたいと思うようになったのは必然だったのかもしれません。

サーキットでも楽しめる

サーキットデビューは、19歳手前で免許を取得してからおよそ4年後。大学卒業前に鈴鹿サーキットで年初めに開催される走行会でした。

長いストレートでアクセルを踏めばVTECが作動して、レッドゾーンの始まる8,000回転までよどみなく吹け上がるエンジンに、1,020㎏という軽量ボディ(サーキットを走るときはリアシートも取り払っていたので、もう少し軽かったかもしれません)、さらに前後のダブルウィッシュボーン式サスペンションでコーナーを軽やかに曲がっていく。

当時はよくわかりませんでしたが、別の車でモータースポーツに参加する今は、その良さをあらためて思い出せます。


軽量車体に高出力エンジンを積んだホンダ シビックSiRⅡ(EF9)は、街乗りでもサーキットでも楽しめる1台となっています。車齢29年の旧車なので、部品の調達は少々難しいものがありますが、自動車を運転する楽しさを知るには最適な、おすすめの1台です。

text:よよ
自動車に乗り始めた大学生時代にモータースポーツに興味を持ち始める。大学卒業後、仕事で貯めたお金をすべて使ってラリー仕様のデミオを中古で購入、使い道は街乗り・デートカー・モータースポーツ(特にラリー)。
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