小さいクルマの魅力がここにある…ワゴンRの中古車

ワゴンR ロフト「ホソブチ自動車」

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大きなクルマはいいものだ。これに関して、全く異論はありません。例えばエンジンの排気量一つとっても、昨今のダウンサイジングエンジンもなかなかよく走りますが、フィーリングや、ゆとりの面ではどうしても埋めがたいものも感じています。大きなエンジンを積んで、大きなボディのクルマで流す。これは何にも代えがたい心地よさがあるものです。しかしコンパクトに、スマートに、合理的にといいながら、今のクルマにあまりにも欠如しているもの、それがコンパクトさではないでしょうか。みんな肥大化しすぎているように思うのです。

文・中込健太郎
Chapter
肘の当たる距離にいること
野郎同士で乗ってもニンマリしてしまう愉快さ
シリーズ唯一のサンルーフ付き「ロフト」

肘の当たる距離にいること

最近クルマ離れとか言われます、加えて多いのが「おひとりさま」ですね。結婚しない人、パートナーのいない人。まあ筆者もそういう一人と言っていいのでしょう。

その元凶の一つが、明確な居場所の確保のような気がするのです。電車に乗ると、座る場所が一人ずつくぼみで区分けされている。クルマに乗ると、人一人分のスペースがしっかり用意されている。

これは安全性や快適性の点ではもちろんいいことですが、昔はスペースがあればそこにぎゅうぎゅう詰めになっていたものではないでしょうか。そしてぎゅうぎゅうな中で人間同士の距離感が縮まり、コミュニケーションが図られ、人情が通う。そういう側面があったように感じます。

初代ワゴンRにはそんな懐かしい、肘が当たる距離感がまだまだ残っているクルマのような気がします。

野郎同士で乗ってもニンマリしてしまう愉快さ

なにも色恋目的だけの話をしているのではないですが、狭い空間で移動ができるちょっと昔の軽自動車。その時が来れば何か期待してしまうかもしれませんよね。でもおそらく買ったら、まず野郎の仲間を誘ってラーメンを食べに行ったりするに違いない。それが、この初代ワゴンRなのではないかと思うのです。

じつは筆者は一時、このワゴンRを所有していたことがあり、その時まさにそんな状態だったのです。男2人が前に乗るとちょっと狭い感じです。天気が良ければ窓を開けて片腕を窓の外に出して丁度いいくらい。でも軽量なボディ、アクセルを踏み込むと結構な勢いで加速していくのです。

狭い車内でも、天井はそこそこ高いので窮屈さはありません。タイトでなんとか収まってしまう感じ。幼少期に押し入れに潜り込んだことはありませんか?あんな感じです。そして、いい年した野郎どもが揃いも揃ってニタニタしてしまう。そんな愉快さがこのクルマにはあるのです。

シリーズ唯一のサンルーフ付き「ロフト」

なかでもこれは特別仕様車「ロフト」。当時商業施設を展開していたブランドロフトとのコラボレーションで誕生しました。通常のグレードにはオプション設定すら用意されていないサンルーフが標準装備されているモデルです。

大口径のサンルーフ、これがこのモデルの最大の特徴です。うららかに晴れ渡る日は開け放ち、田んぼの真ん中の一直線を走りましょう。

ミニマムなスペースが最高に充実の空間になる。そんな微笑ましくドライブを楽しめる一台ワゴンRロフト。一台置いておきたい、そんなクルマです。

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