タイヤのプロがスポーツタイヤの選び方を徹底解説!お勧めスポーツタイヤ8選
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スポーツタイヤは後述しますが、ハイグリップ系スポーツタイヤと、ウルトラ・ハイ・パフォーマンスタイヤ (UHP)に分けることができます。
それぞれが高性能なためクルマを選びます。高性能と評判だからといって、必ずしも自分のクルマにあるとは限りません。
そのあたりのタイヤ選びのコツも含めてお薦めスポーツタイヤを紹介してみたいと思います。
スポーツタイヤってそもそも何?
実際UHPは、ハイパワー化したハイパフォーマンスセダン、スポーツカーの安定性を保つためにハイグリップ化の傾向にあります。今でこそハイパフォーマンスカーの4WD化が進んで来ましたが、依然として後輪駆動モデルも多く、安定性を確保するためにはハイグリップ化に向かわざるを得ないという事情がありました。
一方、ハイグリップ系スポーツタイヤは、性能を各社競い合い進化(ハイグリップ化)してゆき一部タイヤはセミレーシングタイヤを超えるグリップ性能を発揮するものも登場しています。セミレーシングタイヤとはワンメークレースやジムカーナ、ラリーのターマックSSセクション用に開発されたタイヤでここではスポーツタイヤとは別扱いにします。
ここではハイグリップ系スポーツタイヤとUHPの2つに分けて紹介したいと思います。
スポーツタイヤの歴史
同時にモータースポーツ競技用としてほぼ同じトレッドデザインのセミレーシングタイヤ、ポテンザRE47S・アドバンHF-R・ダンロップ Formula-Rとサーキットでも性能競争が繰り広げられることになりました。
日本でハイグリップタイヤが進化したのはタイヤメーカー間の威信をかけた競争があったのは間違いありません。さらに日本では高速移動の文化が育っておらず、高速道路も制限速度は100km/hであることや平地が少なくタイトな山道が多くハンドルを切るとぐいぐい曲がるハイグリップ性能が求められていたことが、ハイグリップタイヤ進化のバックボーンになっていたのだろうと思われます。
近年ではタイヤのハイグリップ化が進む一方、クルマの高性能化によって平均時速が上がってウエット性能が求められるようになり排水性、ウエットグリップともに大幅な進化を遂げています。
クルマの電子制御デバイスの進化は容易にハイパワーにしても安全性が確保できるようになりハイパワー化が進みます。限られたタイヤサイズでハイパワーを受け止めるため、タイヤにより強力なグリップ性能が求められるようになりました。
もともと欧州では認証タイヤ制度が一般化しており、ハイパワーモデル用には専用開発ハイグリップコンパウンドを搭載したタイヤが装着されており、リプレース(市販)用に用意された同銘柄のタイヤのグリップ性能も全体的に引き上げられる傾向にあります。
スポーツタイヤの選び方
ポルシェのNコード、BMWの☆マーク、メルセデスベンツのMO、アウディのAO/ROなどがそれです。それからフォルクスワーゲンは表記こそありませんが品番で追っていくと専用設計されたタイヤが購入できるようです。
欧州ではタイヤの性能が重視されており新車開発時にタイヤの同時に開発されます。コンチネンタルタイヤのコンチ・スポーツ・コンタクト6がシビックタイプRに合わせて開発されたというのは有名な話です。ニュルブルクリンクFF市販車最速を奪還するために共同開発しました。
国産ハイグリップ系スポーツタイヤは、サーキット走行会ブームを受けハイグリップ化がさらに加速し、サーキットでのラップタイムの良さを競うような激しい開発競争の結果、もはやノーマルサスペンションのままハイグリップ系スポーツタイヤを履きこなせるクルマがかなり少なくなってしまいました。
単にタイムが出るとかグリップ性能がいいからといって、必ずしも自分のクルマとマッチするとは限りません。例えば86やロードスターでノーマルサスペンションのままハイグリップ系スポーツタイヤを履くとロールが極端に大きくなってしまい、気持ちよく走れなかったりします。
スポーツタイヤ選びの目安はUHPの場合自分が乗っているクルマのキャラクターや、足回りの硬さを勘案して、純正装着より少しグリップが良いくらいのタイヤを選ぶのがポイントです。
感覚的には、ハイグリップタイヤをつければコーナリングスピードが上がって速く走れるようになる…といったイメージですが、実際にはロールが大きくなりタイヤの接地面を有効に使い切れなくなってしまいます。あるいは、サスペンションがボトム(縮み切って)してしまい逆に曲がりにくくなってしまうこともあります。
ハイグリップ系スポーツタイヤは、単にタイヤを履き替えるだけではなく、スポーツサスペンション(ダンパー+スプリングセット)や車高調整式サスペンションキットなど、スポーツドライブやサーキット走行をターゲットにセッティングしたサスペンションに交換するなど足回りの強化を図ることをお勧めします。
おすすめハイグリップ系スポーツタイヤ5選
ここではそれぞれのカテゴリーについてお勧めのタイヤを紹介しようと思います。
ハイグリップ系スポーツタイヤは、選び方でも書いたようにスポーツサスペンションに交換して装着することをお勧めします。
代表的なタイヤは5つ。ブリヂストン・ポテンザRE71RS、ダンロップ・ディレッツァZⅢ、ファルケン・ZIEX ZE914F、トラザノ・サマータイヤ 91V (T-118)、ピレリ・パワジー 91W
ブリヂストン(BRIDGESTONE)
POTENZA RE-71RS
POTENZA RE-71RS
33,120円〜(税込)
最速へのこだわりが生んだ,リアルスポーツPOTENZA
1つ目はブリヂストン・ポテンザRE71RSです。かつて一世を風靡したポテンザRE71に立ち返り、ケース剛性とコンパウンドグリップのバランス、接地面圧分布など動的なグリップ性能やトラクション性能を徹底的に見直し開発されたハイグリップタイヤです。
- タイプ
- オールマイティスポーツラジアルタイヤ
- ホイールサイズ
- 13インチ〜20インチ
- タイヤ幅
- 170mm〜301mm
- 扁平率
- 30%〜60%
- リム幅
- 4 1/2インチ〜10 1/2インチ
- リムガード
- ◯
- 転がり抵抗性能
- C
- ウェットグリップ性能
- b
- ランフラット
- -
- 非対称パターン
- ◯
ダンロップ(DUNLOP)
DIREZZA Z3(ディレッツァZIII)
DIREZZA Z3(ディレッツァZIII)
26,610円〜(税込)
LAPタイム短縮を追求した,ハイグリップスポーツタイヤ
ダンロップ・ディレッツァZⅢはタイヤの温まりが速くすぐに安定した強いグリップを発揮してくれます。サーキットで周回を重ねてもグリップの落ち込みが少なく安定したラップタイムを刻めるのもが特長です。
- タイプ
- オールマイティスポーツラジアルタイヤ
- ホイールサイズ
- 14インチ〜19インチ
- タイヤ幅
- 170mm〜301mm
- 扁平率
- 30%〜55%
- リム幅
- 5インチ〜10 1/2インチ
- リムガード
- -
- 転がり抵抗性能
- C
- ウェットグリップ性能
- c
- ランフラット
- -
- 非対称パターン
- -
一方でスポーツタイヤを謳いながらサーキット寄りのタイヤもあるのですが、水比率が少なく一般道での走行はあまりお勧めできません。
またどのタイヤを選ぶかはまったくの好みでよく、そのメーカー推しという選択の仕方ももちろんありです。
サスペンションのセッティングもタイヤとのマッチングがかなりの比重を占めるので、好きなブランドあるいは好きなレーシングドラバーの履いているブランドでOKです。
ファルケン(Falken)
ZIEX ZE914F ウェット性能 操縦安定性能
ZIEX ZE914F ウェット性能 操縦安定性能
11,050円〜(税込)
運動性能とウェット性能をハイクオリティで両立!
路面との接地圧を分散させるように考え抜かれたデザインとパターンで、運動性能とウェットグリップ性能を両立させています。
ハイスチレンタイプのポリマーを採用することにより、不安になりがちな雨天時のコーナーでも信頼感が高まります。
安定した操縦とスポーツ性能を兼ね備えたタイヤを求めている方におすすめです。
- タイプ
- スポーツコンフォートタイヤ
- サイズ
- 225/65R17
- タイヤ幅
- 225mm
- 扁平率
- 65%
- リム幅
- 17インチ
- リムガード
- -
- 転がり抵抗性能
- 〇
- ウェットグリップ性能
- 〇
- ランフラット
- -
- 非対称パターン
- 〇
トラザノ(Trazano)
サマータイヤ 91V (T-118)
サマータイヤ 91V (T-118)
5,950円〜(税込)
強力なトレッドデザインが特徴の最新技術が詰め込まれたタイヤ
従来の製品を見直し改良したタイヤで、最新技術と5本の強力なトレッドデザインが詰め込まれています。
また、ドレッドデザインは可変ピッチなので、ノイズが最小限になり車内がより快適な空間になります。
世界トップ10入りのグローバルタイヤメーカー「ZC ラバー社」が製造しているタイヤということもあり、大きな信頼感のもとで利用できるでしょう。
- タイプ
- スポーツコンフォートタイヤ
- サイズ
- 195/65R15
- タイヤ幅
- 195mm
- 扁平率
- 65%
- リム幅
- 15インチ
- リムガード
- -
- 転がり抵抗性能
- -
- ウェットグリップ性能
- -
- ランフラット
- -
- 非対称パターン
- 〇
PIRELLI(ピレリ)
サマー POWERGY パワジー 91W
サマー POWERGY パワジー 91W
49,800円〜(税込)
さまざまな路面状況に対応できる安定感抜群のタイヤ
さまざまな路面状況に対応できるよう考え抜かれたトレッドデザインで、安定感のあるハンドリングが体感できるでしょう。
ドライでもウェットでも心配なくドライブを楽しめる万能性があります。
さらに、軽量化にも成功しており、高い省燃費性が期待できます。
- タイプ
- スポーツコンフォートタイヤ
- サイズ
- 215/45R17
- タイヤ幅
- 165~295mm
- 扁平率
- 30~65%
- リム幅
- 15~21インチ
- リムガード
- -
- 転がり抵抗性能
- 〇
- ウェットグリップ性能
- 〇
- ランフラット
- -
- 非対称パターン
- 〇
おすすめUHPタイヤ3選
ミシュラン(Michelin)
PILOTSPORT4S パイロットスポーツ4S
PILOTSPORT4S パイロットスポーツ4S
34,200円〜(税込)
優れたドライグリップ,サーキット走行をも可能なドライグリップ性能
パイロット・スポーツ4Sはパイロット・スポーツ4のハイパフォーマンスバージョンです。
実質的にミシュラン・パイロット・スーパースポーツの後継に位置づけられます。
素直で正確な応答性と抜群の排水性を備えたハイパフォーマンスカー向けのバランス系スポーツタイヤです。
ちなみにパイロット・スポーツ4はもう少し肩の力が抜けたプレミアムセダンやスポーティカー向けのタイヤです。
- タイプ
- オールマイティスポーツラジアルタイヤ
- ホイールサイズ
- 17インチ〜23インチ
- タイヤ幅
- 215mm〜325mm
- 扁平率
- 25%〜55%
- リム幅
- -
- リムガード
- -
- 転がり抵抗性能
- B
- ウェットグリップ性能
- a
- ランフラット
- -
- 非対称パターン
- ◯
横浜タイヤ
ADVAN SPORTS(アドバンスポーツ) F7848
ADVAN SPORTS(アドバンスポーツ) F7848
30,530円〜(税込)
ADVANスポーツが新たにより高性能へと進化
ヨコハマ・アドバン・スポーツV105は欧州プレミアムセダンをメインターゲットに開発されたUHPです。
カーカスと呼ばれる骨格部分のコードを斜め(セミラジアル構造)にすることで周方向の剛性を高めトラクション性能と操縦性を高めています。
足回りの引き締まったセダン・サルーンに向いています。
- タイプ
- スポーツコンフォートタイヤ
- ホイールサイズ
- 16インチ〜23インチ
- タイヤ幅
- 201mm〜331mm
- 扁平率
- 25%〜65%
- リム幅
- 5 1/2インチ〜12 1/2インチ
- リムガード
- -
- 転がり抵抗性能
- -
- ウェットグリップ性能
- -
- ランフラット
- -
- 非対称パターン
- ◯
ミシュラン(Michelin)
Pilot Sport 4
Pilot Sport 4
22,730円〜(税込)
接地面が広いからしっかりと路面を捉えて走行できる!
路面との接地面を広く取り、トレッド面に対する溝の割合を調整したことで、しっかりと路面を捉えながら走行できます。
路面と密着しながら走行するので、優れた操縦性と応答性が期待できます。
より安定したハンドリングと質の高いドライブを体感したい方は、ぜひお試しください。
- タイプ
- スポーツコンフォートタイヤ
- サイズ
- 205/45ZR17
- タイヤ幅
- 205mm
- 扁平率
- 45%
- リム幅
- 17インチ
- リムガード
- -
- 転がり抵抗性能
- -
- ウェットグリップ性能
- 〇
- ランフラット
- -
- 非対称パターン
- 〇
同じ銘柄の同じトレッドパターンのタイヤでも他メーカーの刻印のものを選ぶと、構造やコンパウンドなどセッティングが異なるので最適なパフォーマンスが得られなくなる可能性があるからです。
UHPでも無刻印の市販(リプレース用)タイヤの場合はどの車に装着してもマッチングが図れるようにセッティングしているそうです。
そのためバリエーションが豊富でクルマの使い方により多くの選択肢があったのですが現在はSUC全盛。またどのタイヤメーカーも低燃費タイヤの開発に力を入れており、スポーツタイヤの選択肢は狭くなりがちです。
発売されているハイグリップ系スポーツタイヤを改めて見るとサーキット性能を謳ったタイヤがほとんど。いまの時代ワインディングロードでスポーツドライビングを謳いにくくはあるんですが…。
その一方タイヤ自体は確実に進化しているので、グリップパフォーマンスは確実に上がっています。グリップ性能に関してはUHPも同様で、大パワーを受け止めるグリップ性能とウエットの排水性の両立レベルはどんどん上がっています。
タイヤが高性能化している分「一番イイの持ってきて」的な買い方ができなくなっています。自分のクルマの性能と使い方、求める性能を考えてタイヤを選んでみてください。