夏休みにおすすめしたい小説「新世界より」ダークな世界観が癖になる！

この夏、何か本を読んでみたいと考えている方も多いのではないでしょうか？ホラー、ミステリー、SF、ファンタジー……これらのどれか一つでも好きだという人におすすめしたい小説が、貴志祐介の「新世界より」という作品です。


「新世界より」は貴志祐介によって2011年に講談社から出版された小説で、第22回のSF大賞を受賞しています。ジャンルとしてはSFやファンタジーの要素が強いのですが、ミステリーやホラーが好きな人にも楽しめる内容となっています。2012年にアニメ化もされているほどの人気作品なので、未読の方は必見です！

　

「新世界より」のあらすじ


舞台は1000年後の日本。これまでの文明は滅び、新たな文明の世界で人々は呪力と呼ばれる超能力を使いながら生活をしていた。彼らの暮らす神栖(かみす)66町は注連縄で囲まれ、子供達は決して町の外に出ないよう言いつけられていた。外界には恐ろしいものが潜んでいるからと。そんな町に生まれた少女、渡辺早季もまた、友人とともに町の中で平和でしあわせな日常を過ごしていた。

しかし、全人学級の課外活動で夏季キャンプに出かけた早希たちは、思いもよらぬ形でこの世界の真実を突きつけられ、彼らの過ごす平和な日常は徐々に歪み始めるのであった──

「新世界より」は上・中・下巻の3部構成で、一冊一冊がとても分厚いです。その分、非常に内容が作りこまれていて読み応えがあります。この作品のもつ独特の世界観は、読む人を一瞬で引き込む魅力があります。特に村の世界観に注目です。人々はお互い傷つけ合うことなく、平和な生活を築き上げています。しかし、読み進めていくうちにその平和の歪さを感じとることができるでしょう。


この作品は人間の狂気とエゴがその独自の世界観を通してリアルに描かれています。ファンタジー要素が強いのにも関わらず、こんな未来がほんとうに存在するかもしれない、と思わせるような、どこか現実的な一面を含んでいます。


読後も非常に考えさせられるような物語となっています。ぜひ、この夏に「新世界より」が織りなす残酷かつ雄大な世界を味わってみてください。