なぜ昔のミニバンは片側スライドドアだったのか?今は技術の進歩で可能?
更新日:2024.09.09
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いまや日本のファミリーカーとしての地位を確立した感のあるミニバン。3列シート、両側スライドドア、フルフラットで車中泊など…セダンではできなかったことをミニバンは次々に実現し、快適なファミリーカーに進化しています。そんなミニバンですが、登場直後しばらくは片側スライドドアが主流。どうして両側スライドドアがスタンダードになったのでしょうか?
日本におけるミニバン第1号は?
※画像はダットサン キャブライト バン
ミニバンという言葉はもともとアメリカから輸入されました。アメリカにはシェビーバンやダッジバンなどのフルサイズ(全長5.7m、全幅2m、全高2m前後)バンがあり、それよりひと回り小さいサイズを指します。
シボレー アストロやダッジ キャラバンがそれで、日本車でいえば、マツダ MPV、日産 セレナが元祖国産ミニバンになりますが、国内では、1964年に登場したダットサン キャブライト ライトバンが国産ミニバンの最初と言われています。
そのミニバンの魅力といえば、なんといっても広い室内。3列シートで6〜8名乗車で、フルフラットにして車中泊を楽しむことも可能。さらに、シートをたためば広大なラゲッジルームが出現。オフロードバイクやスノーボード、スキー用品など大きなレジャーグッズもそのまま積める積載力も魅力ですね。
両側スライドドアを採用している車種が多いので、狭い駐車場でも片側にぴったり寄せれば、もう片方から乗降できるメリットもあります。また、両側スライドドアは、狭い駐車場で子供が乗り降りする際などにも、ドアを隣の車や壁にぶつけたりする危険性が低くとても便利な装備なのです。
ミニバンという言葉はもともとアメリカから輸入されました。アメリカにはシェビーバンやダッジバンなどのフルサイズ(全長5.7m、全幅2m、全高2m前後)バンがあり、それよりひと回り小さいサイズを指します。
シボレー アストロやダッジ キャラバンがそれで、日本車でいえば、マツダ MPV、日産 セレナが元祖国産ミニバンになりますが、国内では、1964年に登場したダットサン キャブライト ライトバンが国産ミニバンの最初と言われています。
そのミニバンの魅力といえば、なんといっても広い室内。3列シートで6〜8名乗車で、フルフラットにして車中泊を楽しむことも可能。さらに、シートをたためば広大なラゲッジルームが出現。オフロードバイクやスノーボード、スキー用品など大きなレジャーグッズもそのまま積める積載力も魅力ですね。
両側スライドドアを採用している車種が多いので、狭い駐車場でも片側にぴったり寄せれば、もう片方から乗降できるメリットもあります。また、両側スライドドアは、狭い駐車場で子供が乗り降りする際などにも、ドアを隣の車や壁にぶつけたりする危険性が低くとても便利な装備なのです。
両側スライドドアを採用した最初のミニバンは?
乗用ミニバンとして初めて両側スライドドアを採用したのは、1999年6月21日に発表された2代目日産 セレナでした。ほぼ同時期(わずか3日後の6月24日)に発表された2代目マツダ MPVも両側スライドドアで、それ以降、一気にスライドドア採用のミニバンが増えたとされています。
現在では、かつては高級グレードにオプション設定されていた電動開閉式が当たり前で、構造上難しいとされていた窓の開閉も可能になっています。
そんなミニバンのスライドドアですが、登場直後しばらくは片側スライドドアが主流でした。なぜでしょうか?
現在では、かつては高級グレードにオプション設定されていた電動開閉式が当たり前で、構造上難しいとされていた窓の開閉も可能になっています。
そんなミニバンのスライドドアですが、登場直後しばらくは片側スライドドアが主流でした。なぜでしょうか?
片側スライドドアしかなかった理由
ボディ剛性の問題
もっとも大きな理由が、ボディ剛性の確保です。
室内空間が広いことに加え、左右フロントドア、後部座席のドア、リアゲートなど、大きな開口部を持つミニバンは、ボディの剛性確保が難しく、当時は両側スライドドアにできなかったのです。
それを可能にしたのは、設計や加工技術、素材の進化で、現在では両側にドア開口部を設けても、十分な剛性が確保できるようになっています。
室内空間が広いことに加え、左右フロントドア、後部座席のドア、リアゲートなど、大きな開口部を持つミニバンは、ボディの剛性確保が難しく、当時は両側スライドドアにできなかったのです。
それを可能にしたのは、設計や加工技術、素材の進化で、現在では両側にドア開口部を設けても、十分な剛性が確保できるようになっています。
室内スペースの問題
室内のスペースやユーティリティが決め手となることも多いミニバンでは、室内スペースやユーティリティを犠牲にしてまで両側スライドドアを設ける必要はない、と考えられていました。
しかし片側スライドと両側スライドでは、売れ行きが大きく異なっており、販売台数を伸ばすにはユーザーニーズに応えることが最重要ということで、室内スペースにあまり干渉することなく搭載できる両側スライドドアの開発が進んだということなのです。
しかし片側スライドと両側スライドでは、売れ行きが大きく異なっており、販売台数を伸ばすにはユーザーニーズに応えることが最重要ということで、室内スペースにあまり干渉することなく搭載できる両側スライドドアの開発が進んだということなのです。
重量増による燃費悪化
スライドドアのデメリットは、重量増にあります。
とくに電動式になると、その重さはヒンジドアとは比べ物にならないほど。重量が増えれば当然燃費も悪くなります。燃費悪化を理由に両側スライドドアの採用に2の足を踏んでいたメーカーも少なくなかったようです。
燃費を気にするならスライドドアは無いほうが良い、けれどユーザーニーズは両側スライドドアを求めている。相反する要素を両立させるため、メーカーのエンジニアは頑張っているのですね。
現在では、すっかり当たり前になった両側電動スライドドア。筆者もたまにミニバンに乗りますが、便利装備があちこちに存在しています。これもやはり日本車ならではの、ミニバンコンセプトなのでしょうね。
とくに電動式になると、その重さはヒンジドアとは比べ物にならないほど。重量が増えれば当然燃費も悪くなります。燃費悪化を理由に両側スライドドアの採用に2の足を踏んでいたメーカーも少なくなかったようです。
燃費を気にするならスライドドアは無いほうが良い、けれどユーザーニーズは両側スライドドアを求めている。相反する要素を両立させるため、メーカーのエンジニアは頑張っているのですね。
現在では、すっかり当たり前になった両側電動スライドドア。筆者もたまにミニバンに乗りますが、便利装備があちこちに存在しています。これもやはり日本車ならではの、ミニバンコンセプトなのでしょうね。