【鈴木ケンイチのダンガン一閃!】ボルボ XC60は、全方位的で“スキ”のないクルマだ

ボルボ XC60

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「2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー」の大賞は、ボルボのXC60が選出されました。

今年登場した数多くの新型車の中から、自動車メディアが、これがイチバンと選んだ1台です。

今回は、そのXC60を紹介したいと思います。

文・鈴木 ケンイチ

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
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2008年のフォード傘下時代にボルボ XC60はデビュー
一新されたイメージ

2008年のフォード傘下時代にボルボ XC60はデビュー

XC60は、ボルボのミドルサイズのSUVです。ボルボはスウェーデンの自動車メーカーで、第二次世界大戦前の1920年代から自動車を製造してきましたが、1999年よりフォードの傘下になります。当時のフォード傘下の仲間には、マツダもいました。

そのフォード傘下であった2008年にXC60はデビューします。ボルボのSUVとしてはXC90に続く2番目のモデルです。ところが、XC60のデビューした2008年にリーマンショックが発生。経営の苦しくなったフォードは、ボルボを中国企業であるジーリーに売却してしまいます。ボルボは中華資本の下で、新たな道を歩むことになったのです。

そんな新生ボルボをけん引したのがXC60でした。古くからボルボは「安全」で「実用性に優れる」というイメージを持たれていました。シートベルトの発明や、数多くのステーションワゴンのヒットモデルが、そうしたイメージを醸成したのです。

ところが、「スポーティさ」や「若々しさ」といった印象は逆に乏しい。それがXC60以前のボルボでした。

一新されたイメージ

そんなボルボのイメージをXC60が一変させます。まるで4ドアクーペのようなスタイリッシュなフォルムを持ったXC60は、若々しくてスタイリッシュ。

しかも、軽快な走りも楽しめます。それまでのボルボにはなかった、新しいイメージをXC60は提供したのです。

もちろん、従来からあるボルボならではの魅力はそのまま。シンプルでありながらセンスのよい北欧デザインのインテリアに使いやすさ、そして高い安全性がありました。日本仕様のXC60は、2009年に「シティ・セーフティ(低速用追突衝突回避・軽減自動ブレーキ)」を採用しています。

これは、完全停止までする自動ブレーキとしては国内初採用。自動ブレーキはスバルのEyeSight(アイサイト)が有名ですが、完全停止を実現するのは2010年のEyeSight(Ver.2)から。完全停止までできる自動ブレーキとしてはXC60が日本国内初だったのです。

つまり、XC60は、ボルボ従来の「安全性」「実用性」「洒落たインテリア」という魅力に、新たに「スタイリッシュなルックス」「軽快な走り」をプラスしたクルマだったのです。

そんなXC60は、世界中で大ヒットします。モデル末期である2015年には欧州市場で最も売れたミドルサイズのSUVにもなりました。世界中で販売されるボルボのうち、約30%をXC60が占めるほどに大きな存在となります。

そのボルボXC60の第二世代が、本年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得したモデルです。2017年春のジュネーブ・モーターショーで発表され、日本には同年の10月16日より発売開始されました。

新型モデルのコンセプトは、先代同様。スタイリッシュなルックスと軽快な走り、北欧テイストの上質なインテリア、そして高い安全性能です。

プラットフォームは2015年に登場した新型XC90と同じ新世代のもの。走りに軽快さだけでなく上質さもプラスされています。また、XC90から採用された新世代のインテリア&インフォテイメントシステムは先進的で利便性も高く、非常に魅力的です。

もちろん自動ブレーキを含む先進運転支援系の充実も最先端。全方位的な“スキ”の無いクオリティの高さが、日本カー・オブ・ザ・イヤー獲得の理由ではないでしょうか。

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