軽が人気な日本なのに、日本車が巨大化している?その理由とは?

ホンダ フィット 2017

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昔の車と言えば、税金の関係もあって、ほとんどが5ナンバーサイズでした。3ナンバーサイズの車と言えば、一部の高級車のみ。

しかし、近年はコンパクトカーでも3ナンバー車が増えています。

軽自動車が圧倒的人気を誇る日本でありながら、なぜ車は年々サイズアップしていくのでしょうか?

※ 2018年1月時点
Chapter
コンパクトカーがコンパクトじゃなくなってる?
日本車が巨大化している理由
居住性と安全性の確保
車のグローバル化

コンパクトカーがコンパクトじゃなくなってる?

コンパクトカーの代表格であるホンダのフィットの初代モデルは、全幅1,675mm、全長3,830mm-3,850mm。それに対して、現行モデルは全幅1,695mm、全長3,955mmとかなり大きく、3ナンバーに迫る勢いです。

コンパクトSUVと言われるジャンルの車では、ほとんどが全幅1,700mmを超える3ナンバーサイズで、本来のSUVに比べたらもちろん小さいのでしょうが、決してコンパクトではありません。海外でも、BMW MINIが世代を経るごとに拡大し、物議を醸しています。

日本は、細い道が多いですし、駐車スペースが狭い場所だってたくさんあります。5ナンバー枠のほうが、明らかに運転しやすくお国柄に合っているはずなのに、なぜ車は肥大化するのでしょうか?

日本車が巨大化している理由

居住性と安全性の確保

車が拡大する傾向のひとつに、室内空間の確保が挙げられます。

軽自動車でさえ、規格ぎりぎりのボディサイズとし、快適な室内空間を実現している時代にあって、コンパクトカーやミニバンはそれ以上の室内空間を得るために、ボディの拡大が余儀なくされます。

私たちが車を購入するときは、後部座席に寛げる空間があるか、荷物がたくさん積めるスペースはあるかなど、空間効率を重視する人は多いです。メーカー側もそのニーズに答えようとしているのでしょう。

また、「側面衝突」という安全基準も存在します。名前の通りなのですが、側面からの衝突で以前よりも高い安全性を得るため、必然的にドアの厚みが増しました。従来のサイズのまま、ドアの厚みが増したら、室内幅は狭くなってしまいますね。

つまり安全基準を満たしながら、これまで通り(もしくはこれまで以上)の居住空間を確保するために全幅を拡げて対応という結論にいたるわけです。

車のグローバル化

世界基準で見れば、5ナンバーサイズの車は非常にコンパクトな部類に入ります。

ところが近年のコンパクトカーは、世界戦略車として企画されているものがほとんどで、全幅が1,800mmを超えることもめずらしくありません。

しかし、ボディサイズが大きくなると、SUVなど車高の高い車では必然的に死角が増えます。そのために、ソナーセンサーやサイドビューカメラ、フロント&バックモニターなどが標準で装備されるようになりました。(近年のSUVでは、サイドカメラまたは補助ミラーがないと車検に通らないという事情もあります)

またスポーツカーでは、ハンドリング性能を高める目的で全幅が広げられます。つまり、近年の車が肥大化しているのは、決して見た目を重視しているというわけではなく、安全性や走りの性能、居住性を高めるためなのです。車がサイズアップしていく背景には、こういった理由があるのです。
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