多段ATとCVT、どっちがいいの?日本車ではどうなの?それぞれの違いを徹底解説

マツダ CX-3 シフトノブ AT

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日本は、AT大国でもあります。渋滞、狭い路地や交差点、地方の道路でも信号が多いといった道路事情によって、1980年代終わりごろから、ATはMTの販売比率を上回るようになり、そして進化を続けてきました。現在は、低価格車のほとんどがCVT、高額車では多段ATという使い分けがトレンドのようですが、それぞれにどのようなメリットがあるのでしょうか。
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いつもCarMeをご覧いただき誠にありがとうございます。一部記事の内容に誤りがありました。読者の皆様ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。(2017年12月4日)
Chapter
CVTは、究極のトランスミッション?
多段ATのさきがけ
2速ATなんていうのもありました!
徐々に浸透してゆくCVT
ATギアの枚数が増えていく理由
大型車でもATの波が

CVTは、究極のトランスミッション?

ギアチェンジを行うタイプのトランスミッションに対して、ベルトとプーリーによる無段階変速機がCVTです。固定されたギアがなく、シームレスにギア比が変更できるCVTは、ミッションの理想形のひとつではあります。

そのCVTが実用化されたのは、1970年代中盤のことで、オランダ人、ファン・トールネが、それまで理想とされながらもクリアできなかった耐久信頼性の問題をスチールベルトの採用で解決したことで、一気に注目が集まりました。この方式を日本初めて採用したのは、スバル。1984年に小型車のジャスティにECVTという名前で搭載していました。

しかし当時は電磁式クラッチの制御が難しくドライバビリティに難があり、決して乗りやすいものではありませんでした。また、機構的にも信頼性はまだまだで、故障も多かったようです。

多段ATのさきがけ

一方、トルコン式多段ATのさきがけは、日産 セドリック/グロリアに1989年から搭載された5速ATです。同時期にBMWやメルセデス・ベンツも5速ATを導入しています。

重量のある高級車をより機敏に走らせるために、またシチュエーションによって適切なギア比を選択できるようにという目的で開発採用されたものでした。

ところが、当時はまだギアレシオの設定にも正解が見つかっていないようなところがあり、シフトスケジュールもやや煩雑になるなど、デメリットを指摘される場面も少なくありませんでした。

2速ATなんていうのもありました!

現在ではちょっと考えられませんが、初期のATには、2速しかないものもかつては存在しました。

もちろん、コストと技術のレベルがそうさせていたわけですが、とくに馬力のない軽自動車に多く採用されています。それでは使い物にならないんじゃないか?なんて思ったりしますが、じつは当時の愛用者に話を聞くとそうでもないんですね。

一段あたりのカバー範囲が広く、ギアチェンジの回数も少ないからけっこう快適に走れた、なんていう声も聞かれます。現存するものもないでしょうが、そう言われるとちょっと乗って試してみたくなりますね。

徐々に浸透してゆくCVT

CVTはさまざまな問題をクリアしながら、徐々にその勢力を拡大していきます。とくにこの日本がその先頭をゆく理由は、やはりストップ&ゴーの交通事情が大きいところでしょう。

常に変化する速度、ストップ&ゴーの多さ、また加減速を高頻度で行わなければならない日本の道路では、柔軟に変速比を調整できるCVTは適していると考えられます。

また、歯車タイプのものより遥かに燃費に振った変速比を設定することも可能ですから、現代の燃費競争にあっては必需品とさえ思われているようなところがありますよね。

ただし、CVTのプーリーを調整するための油圧ポンプを作動させるためのパワーロスは小さくないと言います。必ずしもメリットばかりではないわけですね。

また、ともするとルーズに感じられてしまうドライブフィールが馴染めないというドライバーも少なくありません。

CVTはドライバーの意図とは関係なく変速比を勝手に変えてしまいます。CVTと上手く付き合うポイントは、できるだけアクセルを深く踏み込まないことです。

ATギアの枚数が増えていく理由

一方で歯車式のオートマチック、現在は7、8、10と段数がどんどん増えていく傾向です。

この理由はひとつに、同じ高さを登るなら階段の段数を増やしたほうがスムーズでラク、というものとおなじ理屈です。隣接するギア同士のステップ比が小さくなれば、それだけ変速ショックは小さくなりますし、トルクコンバータの制御領域も小さく済みます。事実、トルクコンバータは発進の時だけで、あとは直結になっているタイプも存在するほどです。

また、ギアの枚数が増やせれば、広い速度域で常に適正なギア比で走らせることが可能となり、トップギアは燃費用にハイギアードに設定することもできます。ATの多段化も燃費のためという側面が、小さくないというわけです。

歯車式は、手動で任意のギア比を選択して、たとえばエンジンブレーキを使用したり、思い通りの加速力を得ることにも寄与したりしますから、全てをクルマ任せにはしないドライバーに向いていると言えるでしょう。

それになにより金属製の歯車が基本ですから、大入力、大馬力に耐えられるタフさも魅力です。

大型車でもATの波が

最近は路線バスにもAT車が増えてきました。トルコン式ATが多いようです。

ドライバーの疲労軽減もさることながら、スムーズな変速により快適な移動時間を乗客に提供できるようになりました。こうして大型路線バスにもATの時代がやってきたことは、ATの耐久信頼性向上をはじめとした技術の進歩を何より証明している事実でしょう。

ひと口にATといっても、CVTに多段AT、それぞれにメリットやデメリットがあります。それぞれのミッションは、TPOによって使い分けるというのが良さそうです。

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