【徹底解説】CVTとATの違いは?!そのメリット・デメリットとは?

AT用シフトレバー

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「オートマ」と一口で言ってしまえばドライバーはそれほど気にする必要はありませんが、中身はかなり異なるのがATとCVTです。その違いや、メリット・デメリットは何でしょうか?
Chapter
あなたのクルマのミッション形式は?
ATとCVTの具体的な違い
大馬力対応だが複雑なAT
良くも悪くも小排気量向けのCVT

あなたのクルマのミッション形式は?

シフトレバーを操作しない限りギアが変わらない、MT(マニュアル・トランスミッション、手動変速)と、「その他のミッション」では運転感覚が大きく異なります。

「その他のミッション」の種類について、多くの人は、「オートマ」と呼んでいるでしょう。実際には、手動で変速せずともギアが自動変速する点が同じだけで、中身は大きく異なります。

「セミオートマ」や「オートギア」とも呼ばれる、MTを機械が自動操作するタイプ。

異なる仕組みながら、ギアを機械が自動操作するという点ではMTと同じ「AT(オートマチック・トランスミッション、自動変速)」。

ギア(歯車)が存在せず無段変速するCVT(コンティニューアスリー・バリアブル・トランスミッション、連続可変トランスミッション、無段変速機)。

ハイブリッド車にはモーターや発電機がCVTと同じ役割を果たし、トランスミッションが無いものもあります。

さて、あなたのクルマのミッションは、どの形式でしょうか?

ATとCVTの具体的な違い

さて、一番多いATとCVTの違いですが、具体的には「歯車の有無」が大きな違いです。

まず、エンジンの回転数を速くしたり遅くしたりして、タイヤに伝えるのがミッションの役割だと思ってください。

1速や2速など低いギアだと回転数を遅くして力を増し、5速、6速など高いギアでは速くして効率化しています。その「何速」かで組み合わせる歯車を変えているのが、ATです。

一方、歯車を持たず、滑車のようなプーリーや、球体、円錐などの組み合わせで回転数を変更し、何速と言わず無段階、かつ連続的に変更できるのがCVT。とはいえ、使い勝手の問題から、あえて「何速」と固定するモードを設けた「〇速CVT」もあります。

大馬力対応だが複雑なAT

ATはミッション本体はMT同様、歯車の組み合わせで、「機械的にガッチリ駆動を伝達」する事から大馬力への対応が容易で、大排気量車やハイパワー車でも使えるメリットがあります。

しかし、ごく初期や一部のATを除けば、「トルクコンバータ」(以下、トルコン)という一種の流体クラッチを介してタイヤへの駆動伝達を行うため、駆動ロスの発生がデメリットでした。

最近はトルコンを介さず直結するタイプのATも増えて、発進加速以外のデメリットは解消されつつありますが、燃費向上と効率化のために8速、10速と多段化していくに従い、機械的に複雑で高価になるというデメリットもあるため、最近の安価なクルマでは、あまり新規に採用されません。

良くも悪くも小排気量向けのCVT

一方、CVTは「摩擦力の範囲での駆動伝達」を行っているため、ハイパワー車向けではありません。小排気量車でもチューニングしたりスポーツ走行など「一般的な用途」以外では壊れる事も多かったのです。

しかし、初期に採用されていた電磁クラッチをトルコンに変更し、さらに電子制御化で安全マージンを大きく取ると同時に、エンジンとの統合制御でスポーツ型にも燃費型にもソフトウェアの設定一つで対応できる事から、今では広く使われています。

割と安価なクルマに使われる事の多いCVTですが、やはりトルコンを介する事によるロスもある事から、最近は簡易的なDCT(デュアルクラッチトランスミッション、セミATの一種)に切り替えるメーカーも多いです。

ただし、シフトショックが無いという無段変速のメリットもありますから、安価なクルマに快適性を備えるには最適な事から、今後も使われ続けるでしょう。

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