進化するCVT
更新日:2024.09.09
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「2010年には世界シェア48%を達成。'18年には売上高1兆円企業を目指します」と、勢いに乗る元気なメーカーがある。 それがJATCO(ジヤトコ)だ。よほどのクルマ好きでなければ、耳慣れない名前かもしれないがそれも致し方ない。ジヤトコは自動車用の自動変速機、いわゆるATやCVTを手掛けるメーカーであり、名実ともに縁の下の力持ち的な存在なのだから。
text:伊丹孝裕 [aheadアーカイブス vol.113 2012年4月号]
text:伊丹孝裕 [aheadアーカイブス vol.113 2012年4月号]
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進化するCVT
そんなジヤトコが、現在、積極的に推し進めているのがCVTである。その生産拠点をメキシコ、中国、タイと世界各国に広げつつあり、市場ニーズを牽引しているのである。
そもそもCVTとは何か? あるいは、ATとは何が違うのか?
ひとくくりに“オートマの一種”として、気にも留めていないかもしれないが、根本的な違いがある。
まずAT(自動変速トランスミッション)は、4速ATや5速ATなどと表記されるように、数段のギヤを持ち、それを組み合わせて速度や駆動力を調整する機構をいう。
それに対して、CVT(連続可変ミッション)にはギヤがない。その代わり、プーリーと呼ばれる2つの滑車のようなパーツにベルトを掛け、その幅を広げたり、縮めたりしながら無段階に変速させる機構のことを言うのだ。
ATの場合、最近は特に6速や7速も珍しくなく、その多段化が著しい。そうすることによって、より滑らかに、効率よくエンジンのパワーを引き出そうとしているのだが、その理屈を究極にまで突き詰めると無段変速、つまりCVTになると言えば、ジヤトコがなぜそこにこだわっているかがわかるだろう。
そもそもCVTとは何か? あるいは、ATとは何が違うのか?
ひとくくりに“オートマの一種”として、気にも留めていないかもしれないが、根本的な違いがある。
まずAT(自動変速トランスミッション)は、4速ATや5速ATなどと表記されるように、数段のギヤを持ち、それを組み合わせて速度や駆動力を調整する機構をいう。
それに対して、CVT(連続可変ミッション)にはギヤがない。その代わり、プーリーと呼ばれる2つの滑車のようなパーツにベルトを掛け、その幅を広げたり、縮めたりしながら無段階に変速させる機構のことを言うのだ。
ATの場合、最近は特に6速や7速も珍しくなく、その多段化が著しい。そうすることによって、より滑らかに、効率よくエンジンのパワーを引き出そうとしているのだが、その理屈を究極にまで突き詰めると無段変速、つまりCVTになると言えば、ジヤトコがなぜそこにこだわっているかがわかるだろう。
言い換えれば、次世代のトランスミッションとして、CVTは大きな可能性を秘めているというわけだ。
一方、クルマを趣味にする人にとって、CVTは敬遠されがちだ。その言い分としては、「スクーターみたい」とか「回転が上昇するだけでメリハリがない」というものである。 ジヤトコはそんなニーズにも対応すべく、'09年には世界初の副変速機構をもつ“CVT7”を完成させ、様々な賞も受賞している。
これは本来、無段変速のCVTにハイ/ローの2段切り替えが自動でできる装置を変速機内に組み込み、変速幅を大幅に拡大。優れた発進・加速性能と環境性能を両立したものである。スズキのスイフトスポーツなど、スポーツ性や趣味性が強いモデルにも搭載され、高い評価を得ているのだ。
エネルギーの効率化、それにドライバビリティも手に入れたジヤトコのCVT。そのグローバル化への自信は今後ますます揺るぎないものになっていくだろう。
一方、クルマを趣味にする人にとって、CVTは敬遠されがちだ。その言い分としては、「スクーターみたい」とか「回転が上昇するだけでメリハリがない」というものである。 ジヤトコはそんなニーズにも対応すべく、'09年には世界初の副変速機構をもつ“CVT7”を完成させ、様々な賞も受賞している。
これは本来、無段変速のCVTにハイ/ローの2段切り替えが自動でできる装置を変速機内に組み込み、変速幅を大幅に拡大。優れた発進・加速性能と環境性能を両立したものである。スズキのスイフトスポーツなど、スポーツ性や趣味性が強いモデルにも搭載され、高い評価を得ているのだ。
エネルギーの効率化、それにドライバビリティも手に入れたジヤトコのCVT。そのグローバル化への自信は今後ますます揺るぎないものになっていくだろう。
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text:伊丹孝裕/Takahiro Itami
1971年生まれ。二輪専門誌『クラブマン』の編集長を務めた後にフリーランスのモーターサイクルジャーナリストへ転向。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク、鈴鹿八耐を始めとする国内外のレースに参戦してきた。国際A級ライダー。
text:伊丹孝裕/Takahiro Itami
1971年生まれ。二輪専門誌『クラブマン』の編集長を務めた後にフリーランスのモーターサイクルジャーナリストへ転向。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク、鈴鹿八耐を始めとする国内外のレースに参戦してきた。国際A級ライダー。