ブレーキパッドの減りを放置し続けたらどうなるのか?

BMW ホイール ブレーキ

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クルマの基本性能として、「走る」「曲がる」「止まる」があります。そのなかでもっとも重要なのが「止まる」性能ではないでしょうか。ブレーキユニットはクルマの生命線。確実に止まれる、と確信できるからこそ、運動性能を私たちは使うことができるわけで、もしブレーキ性能が低ければ、恐ろしくてアクセルを踏みこむ事はできないでしょう。
Chapter
ブレーキパッドを交換しないとどうなるか?
ブレーキパッドの交換時期
ブレーキパッドの終わったクルマで味わった恐ろしい経験
ブレーキパッドが減っていても車検は通るゆえに…

ブレーキパッドを交換しないとどうなるか?

ブレーキユニット(ディスクブレーキ)は、ブレーキディスク、キャリパー、そしてブレーキパッドで構成されています。

車輪とともに回転するディスクローターに、パッドを押し付けることで摩擦が発生し、車輪の運動エネルギーを熱変換して止める。ざっくりいえばこうした仕組みです。

つまりブレーキ作動時には、ディスクローターとパッドが接触して、パッドが削られていきます。また素材やメーカーによって差異はありますが、ディスクローターも削られています。

ブレーキパッドは、摩擦を起こすためのライニング部分と、キャリパーに固定するための裏板、2つのパーツで構成されています。ライニング部分は摩擦を起こして減速に使用するため、日々擦り減っていきます。

ちなみにブレーキパッドは、ディスク式の場合で、ドラム式の場合にはブレーキシューと呼びます。

通常、ブレーキパッドのライニングの減りは、インジケーターで確認できますが、社外のパッドなどを付けた際にセンサーが付かなかったりして、パッドが減っていることに気づかずに乗ってしまっていたという方も多いかもしれませんね。

もしライニングが完全に擦り減ってしまった場合、パッドの裏板がディスクに圧着されることになります。するとディスクローター、裏板の素材が基本的にスチールであるため、ディスクローターを極端に削ってしまいます。それだけならまだ良いほうで、パッドの裏板が落ちてしまい、ピストンがディスクローターを削るなんてこともあります。

ブレーキパッドの交換時期

ブレーキパッドもブレーキローターも、互いに接触し摩耗する消耗品です。ブレーキの効きの悪さは、交通事故に直結するため、定期的な点検と交換が必要です。ブレーキパッドの交換時期の目安は、先述した金属音が1つ。他にもパッドの残りの厚さでも、交換目安が分かります。

パッドの残りが5mmに達したら、そろそろ交換を考えましょう。いつもの整備工場に相談し、予約を入れると良いでしょう。残り3mmになるまでには、ぜひ交換しておきたいところです。残り1mmになったら、危険水域です。いつブレーキが効かなくなり、交通事故を起こすか分からない状態です。すぐにでもブレーキパッドを交換しましょう。

なお、車検適合品のブレーキパッドなら、スポーツタイプでも公道で使用して差し支えありません。もし、ブレーキに不満をお感じなら、この機会により耐熱性・制動性の高いブレーキパッドに交換してみましょう。

ブレーキパッドの終わったクルマで味わった恐ろしい経験

筆者は、昔、個人売買で入手したクルマで恐ろしい体験をしたことがあります。まだ車検残もあり、さほど遠くないところだったので、引き取りにいきます、と自走で乗って帰る事にしました。しかしそのクルマ、ブレーキがほとんど効かないのです。ゆっくり走って、信号で止まろうとしても「ツー」と進んでいってしまう。これほど恐ろしいことはないです。

こうした場合、自走はするべきではありませんし、猛省をした記憶があります。ちなみにその際にどうやって止まっていたかというと、リアのパッドはまだ生きていたので、サイドブレーキを引いて乗り切りました。

整備工場ですぐに診てもらうと、やはりフロントのブレーキパッドが完全に終わっていました。

またそうした状態のクルマだと、ディスクローターもかなり削れてしまっているケースが多く、結果としてブレーキ整備に散財することになってしまいます。

ブレーキパッドが減っていても車検は通るゆえに…

厳しい車検制度があるため、ブレーキパッドが終わったクルマが公道を走るなんてありえない…と思うかもしれませんが、さにあらずです。

車検では当然ブレーキ制動テストがありますが、これは基準をクリアすれば(制動力があれば)問題ないとされています。

そのため、ブレーキが効く状態であれば、仮にパッド残量が1mmでも車検自体は通すことが可能ともいえます。もちろん、ディーラーやきちんとした整備工場ではこうしたことは少ないと思いますので、ユーザー車検など行う方や、格安で車検を通す業者さんなどで行った場合は、ご自身でブレーキパッド残量のチェックを行ってください。

どんなに運転支援機能や自動運転が発達しようと、クルマのブレーキがもっとも重要な安全装備であるのはこの先も変わらないでしょう。

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