自動車の水温計…100度までいったらとるべき行動とは?

冷却水

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自動車に装備されている水温計が示すのは、ラジエター内を循環する冷却水の温度です。冷却水があるからこそ、エンジンは正常に動いてくれます。では、水温計が何度になったら危険領域かご存知でしょうか?また、そのとき取るべき行動とは?
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(2017年7月24日)
Chapter
水温計の適正温度は70~90度
エンジンと冷却水の関係
水温計が100度を超えたら、どうする?

水温計の適正温度は70~90度

水温計が表示する水温は、通常70~90度の範囲が適正とされます。「冷却水」であるため、あまりに高温になってしまうと、これからの季節、オーバーヒートの恐れがあります。100度を超えたら、後述するオーバーヒート対策を行いましょう。

一方で、70度を下回るとどうなるのか?「冷却水」なのだから、いくら温度が下がっても良いのでは?と思うかもしれませんが、あまりに水温が低すぎるとオーバークールの原因となり、やはりエンジンが正常に作動しなくなる可能性があります。

今回は季節柄、オーバーヒートを取り上げます。

エンジンと冷却水の関係

エンジンは混合気をシリンダー内で爆発・燃焼させることで、出力を得ています。このときに発生したエンジンの熱を吸収し、ラジエターで放熱させるのが冷却水の仕事です。

通常フロントグリルに装備されているラジエターは空冷式なので、ある程度風を受けなければ冷却できません。何らかの原因で、ラジエターの冷却能力が充分に発揮されなければ、オーバーヒートを引き起こします。

水温計が100度を超えたら、どうする?

エンジンの冷却水に使用されているのは、LLC(ロングライフクーラント)と水の水溶液です。その沸点は、ラジエターキャップの加圧性能や濃度にもよりますが、120〜130度程度といわれます。

とはいえ、それほどの温度になるとエンジン内部にはホットスポットが発生し、冷却水はキャビテーションを起こしやすくなります。そうなると、冷却水に気泡が混ざり、エンジンから熱を取り除くことができなくなり、オーバーヒートを起こします。

オーバーヒートは、最悪の場合、エンジンを破壊することにもなります。そのため、水温計が100度を超えるか、警告灯が点灯したら、直ちに以下の対処法を行いましょう。

走行状態が原因の場合

●車を停車させ、ボンネットを開けてエンジンルームを冷やす
●水が手に入るなら、ラジエターに水をかけて冷やす

まず考えられるオーバーヒートの原因は、走行状態です。特に真夏の渋滞で多いのが、低速での走行と路面からの熱に加え、前走車の後ろにぴったりついて走行することで、ラジエターに走行風が当たらないという状況です。

すぐに渋滞が終わって、走行風がラジエターに当たる状況になれば良いのですが、長く渋滞が続くようであれば、車を安全な場所に停車してアイドリング状態のままヒーターを全開にして水温が下がるのを待ちます。もしもエンジンルームから白い煙(水蒸気)が出ていたら、ボンネットを閉めたままにしてください。

また、水温が上がった状態で、ラジエターキャップは開けないようにしてください。水温が上がったラジエターは、内圧が上がっているので、熱湯が噴き出すおそれがあります。

車両の故障が原因の場合

●エンジンベルトの緩みを確認
●ラジエターキャップがしっかりしまっているか確認
●リザーブタンクの補充液の水位が適正か確認
●車体下部からLLCが漏れていないか確認

オーバーヒートの原因が、車両の故障であることも十分考えられます。冷却水を循環させるウォーターポンプ。それを駆動させるエンジンベルトに、余計なたわみがないか?ラジエターキャップがしっかりと閉まっているか?冷却水の水量は充分か?冷却水が漏れていないか?要チェックです。

さらにオーバーヒートを防ぐ方法として、LLCの濃度にこだわってみるのも手です。

LLCは濃度が低いほど、冷却効率が上がります。サーキット走行では、真水を冷却水に使用している人も珍しくありません。ただし、LLCの濃度が20%以下では、充分な防錆効果を発揮できないとされています。

真水を入れてオーバーヒート対策を行うか、ラジエターを錆びつかせて高価な修理代金を支払うかは、自己責任で選びましょう。

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