冬場に注意が必要なオーバークール…走行中に水温が下がる原因は?

サーモスタット

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夏場に怖い「オーバーヒート」。夏場の水温計の温度は注意が必要です。一方、冬は気にしなくていいのかと言えば決してそうではありません。エンジンの熱は上がりすぎてもダメですが、低すぎてもいけません。水温計の温度が下がることにはどんな原因があるのでしょうか?
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温度を監視する「サーモスタット」とは?
走行中に水温が下がる原因
オーバークールになるとどんなことが起こる?

温度を監視する「サーモスタット」とは?

サーモスタットとは、いわゆる「温度調節機」のことです。

身近なもので言えば「コタツ」にもサーモスタットが付いています。コタツで温まっている時、「パチッ」という音とともにコタツが暗くなる瞬間がありますよね?あれこそがサーモスタットが働いた瞬間です。温度が上がりすぎたコタツを設定温度まで下げるために一時休止しているのです。


車では、エンジンの温度を管理しているのがサーモスタットです。エンジンを温めたい時はラジエーターから送られてきた冷却水を止めてエンジンの熱を上げ、エンジンの熱が上がってくるとラジエーターからの冷却水を送り、エンジンの温度を下げ、エンジンの温度を常に監視し、適温に保ちます。

エンジンは温度が上がりすぎるとオーバーヒートし、最悪の場合はエンジンが破損することもあります。 逆に、極端に水温が低いまま走行を続けるとオーバークールという状態になります。

サーモスタットはとても重要な役割を担っているというのがわかりますね。なぜ水温計は下がるのでしょうか?

走行中に水温が下がる原因

走行中に水温が下がるのには、いくつか原因が考えられます。

「サーモスタットの故障」
まず疑うのはサーモスタットの不調です。温度管理をするサーモスタットが故障し、弁が閉じっぱなしになるとエンジン温度は上昇し、開けっ放しになると下がっていきます。エンジンがなかなか温まらないなと思ったら、まずここを疑います。

「社外ラジエーター」
ラジエーターを社外品にしている場合も水温が上がらないことがあります。クーラントを冷やす役割のラジエーターの威力が強すぎると、必然的に水温は下がります。エンジンとのバランスを考慮してラジエーターを選ばなくてはなりません。

「ローテンプサーモスタット」
「オーバーヒートを防ぐ」や「真夏の熱対策に」という名目で売られていますが、実施にはエンジンをブンブン回して走りたい人たちが主に使用するという「ローテンプサーモスタット」というものがあります。温度が低く設定されているため、サーモスタット弁が開くのが早いというパーツです。しかし実際にはレースのような場面では効果を発揮しますが、これを街乗りで使用していると普段から水温が低くなるため、様々な障害が出てきます。特に冬場には「暖気運転が終わらない」「暖房を入れると水温計が下がる」など、オーバークール状態を引き起こしやすくなります。

「走行風」
エンジンを冷ますための役割として、ラジエーターファン(電動ファン)があります。クーリングファンというのは、アイドリング時や渋滞時などの低速走行時など、充分な走行風が得られないときにラジエーターを冷却するためについているものです。これと同様に、走行時の風でエンジンの温度が下がります。冬季のあいだは外気温が低いので高速道路などで飛ばしていると、必要以上にエンジンが冷える場合があります。

オーバークールになるとどんなことが起こる?

オーバークールになると以下のような障害が出ると考えられます。

・燃料の霧化の低下による燃焼への悪影響が起き、カーボンの発生量が増える。
・燃焼室をはじめエンジン自体の汚損に繋がる。
・ピストンが正しい熱膨張温度にならないことからブローバイガスの吹き抜けが増え、オイルを希釈、劣化、汚損、オイル寿命が低下する。 
・燃費の悪化する。

車にとって、熱すぎるのも問題ですが、温まってない状態というのは全ての機能に悪影響を及ぼすということがわかりますね。水温計が下がる異常を感じたらすぐに整備工場で見てもらうことをお勧めします。
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