エンジンオイルの適正温度はどれくらい?油温が高いときの対策は?

オイルタンク

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車にとってなくてはならない油脂類というのは非常に多く、実に様々な部分にオイルが使われています。ラジエーターには冷却水、ブレーキにはブレーキオイル、ミッションオイルにデフオイル、オイル式ダンパーの場合はサスペンションにもオイルが入ります。

エンジンオイルも重要なオイルの一つ。エンジンオイルは最高温にさらされるオイルの一つで過酷な環境にあるため、適切な管理が必要。今回は温度管理についてみてみましょう。
Chapter
エンジンオイルの温度管理
温度が上がりすぎると何が問題?
まずはオイルのチェックをこまめにしましょう。
油温が高いときの対策は?

エンジンオイルの温度管理

エンジンオイルは水温よりも約10℃程度上が適正とされており、ラジエーターの冷却水は、通常80℃前後を推移するように設計されています。そのため、90℃前後を推移させるのが理想。

とはいえ、外気の状況や走行状態などにより必ずしも90℃で保てるとも限りません。メーカーは概ね120℃を目途に性能を保てるように作っているようですので、エンジンオイルは120℃を超えないように管理していけば大丈夫…と考えましょう。

通常、ディーラーから買った新車の場合で、ノーマルのまま乗っている場合はあまり気にする必要はありません。もし異常を示すようであっても、補償修理の範囲の場合が多いです。
ただし、チューニングカーの場合は異なるため、油温計を後付けして管理する事が大切です。

また、一度接触など事故をしている車の場合、特にラジエーター周りを傷めた車は、水やオイルが上手く流れなかったりして、冷やしにくくなっている物がありますので、こういうケースはキチンと整備工場で見てもらいましょう。最近は、ラジエーターとオイルクーラーが一体になっているか、又は併設というクルマもあるようですので、特に注意が必要です。

温度が上がりすぎると何が問題?

では、温度が上がりすぎると何が問題なのか…。エンジンオイルは、粘度が非常に重要。粘り気があり、ピストンやシリンダーなどにへばりついて、被膜を形成し、エンジン内の金属同士が直接擦れあうのを防いでくれるのがエンジンオイルです。

理想的なエンジンオイルは、ジュースのような透き通った色に、片栗粉を溶いたような“とろみ”がある状態です。

しかし、エンジンオイルは熱を加えれば加えるほど、この“とろみ“が失われてしまいます。また、劣化するとこの“とろみ”ともいえる粘り気が失われますので、オイル交換が必要になります。

使用後のオイルを見ると、ブラックコーヒーのように黒くサラサラに…。オイルゲージを抜いて触ってみると、その違いがよく分かります。触ったときに、ねっとりしていれば大丈夫ですが、さらさらしていたら交換時期と言えます。

まずはオイルのチェックをこまめにしましょう。

日本の道路事情は、比較的エンジンオイルに対しては厳しい環境です。ストップ&ゴーが多く、エンジンをかけてすぐに走り出す人も多いのが日本。それ故エンジンオイルとエンジンは常に過酷な環境にさらされています。

そこで、ノーマルの車でも見ておきたいのが、エンジンオイルのチェック。エンジンにはオイルレベルゲージと言うオイルの状態を見るための棒が刺さっていますので、これを引き抜いてチェックします。

エンジンを停止した状態でレベルゲージを抜き、一度オイルを綺麗なウエスでふき取ります。再度差し込んで静かに抜き取ります。その際、油量・色・粘度の3つを確認しましょう。油量はどの程度が適正なのか、レベルゲージにメモリが付いていますのでその範囲内なら問題ありません。

次に色ですが、色自体は着色されているので様々な色があります。そこで、透き通っているか濁っているか、また茶から黒に近づいていないかを確認します。ある程度走れば茶色くなりますが、真黒だったら交換しましょう。

また、実際に触ってみます。軽く人差し指で触れて、親指とこすり合わせてみます。その時にさらさらしていたら、やはり交換時期です。なお、触るのはちょっと怖い…という方は、色だけでも大丈夫。色と触った感じはおおむね比例していますので、新品状態でサラサラという事はありません。

油温が高いときの対策は?

これもノーマルの場合は、正直メーカー指定でよいとは思います。ただ、走り方のスタイルや使い方によって異なるのは事実です。そこで、油温が高めの時は、下記の事をしてみるのは一つの手です。

1.オイルの性質を違う物に変える
オイルはいくつか種類があります。おおむね純正オイルは“100%鉱物油”です。鉱物油とはその名の通り掘り起こした原油を精製して作られるものです。通常の仕様には耐えることができますが、オイル自体の性能が良いわけではありません。安いのでこまめに交換するにはいいのですが…。

オイルとして性能が高いのは、”100%化学合成油”です。高回転を多用するレース用途などにも使われるエンジンオイルもこのタイプ。オイルの安定性や高温下での性能維持などを得意とします。その分高価で耐久性はさがりますが、主にチューニングエンジンや、ある程度の高性能車、またアグレッシブな走りをする場合には使ってみるのもよいでしょう。

2.オイルクーラーの追加設置
ノーマルのエンジンであれば考える必要はありませんが、チューンドエンジンであれば、オイルクーラーの設置は検討したほうが良いでしょう。オイルクーラーを設置すると、オイルだけを走行風で冷やすことができますので、ラジエーターの負担も多少軽減されるメリットがあります。

また、クーラーを設置するとその分配管が伸びますので、油量が増えます。実はこれも重要で、油量が増えることは、オイルの劣化をわずかながら遅らせることができます。冷却と油量増加と言う二面からも必要でしょう。
エンジン=自動車の心臓ですので、エンジンオイルはいうなれば血液みたいなもの。

人間の血液は自ら浄化できるようになっていますが、エンジンオイルに自浄機能はありません。定期的にチェックして交換してみてください。また、オイル交換の時は、上抜きと言う手法でオイルを完全に抜き取る装置を持っている業者もおりますので、こちらも試してみるといいでしょう。
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