三菱イズムが詰まったランエボ、何代目が好き?

ランサーエボリューションⅩ

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WRC(世界ラリー選手権)での輝かしい戦績をはじめ、その高い運動性能をコンペティションシーンで磨き、進化を続けてきたランサーエボリューション。2017年現在、三菱のラインナップから消えてしまったのは本当に寂しいところです。しかし、2017年6月23日の三菱自動車株主総会に於いて益子社長は「業績がV字回復した暁にはランエボの開発に再挑戦したい」とコメントしています。そんなランエボ、皆さんは何代目が好きですか。
Chapter
三菱 ランサーエボリューション…その栄光と影
ランエボといえばトミマキ!「ランサーエボリューションVI T.M.E」
4G63搭載最後のモデル「ランサーエボリューションⅨ」
先進技術で武装した、最後のランエボ「ランサーエボリューションX」

三菱 ランサーエボリューション…その栄光と影

90年代、三菱のモータースポーツでの活躍は目覚ましいものがありました。特にWRC(世界ラリー選手権)でのランサーエボリューションの戦績は、エースドライバーのトミ・マキネン選手(現TOYOTA GAZOO Racing WRT代表)による史上初のWRCドライバーズタイトル4連覇といった活躍は、記憶と歴史に永遠に刻み込まれるものです。

しかし、2000年に入るとグループA規定で参戦するランエボは、WRカー規定で作られたライバルの台頭により、活躍にかげりが出てきます。また皆さんも記憶しているように、2000年7月には大規模な「リコール隠し」が発覚、大きな社会問題となり、三菱ブランドの失墜につながっていきます。

しかし、会社が揺れに揺れた2000年以降も、ランエボの進化は続きました。2001年にはAT仕様のGT-Aも用意したランエボVII、2003年にエボVIII、2005年には名機4G63型エンジンの最終搭載車となるエボIXをリリース。そして2007年~2015年まで生産された現在最後のランエボとなるエボXでその歴史に終止符を打ちます。

また、2005年12月には、長年主戦場としてきたWRCから三菱が撤退、かつての栄華を知るファンとしては、現状は非常に寂しい状況になっています。

とはいえ、現在の三菱の会長には日産・ルノーアライアンスのカルロス・ゴーン氏が就任していますから、かつてGT-Rを復活させたような、ドラマティックな展開があるかもしれませんよね。

さて、魅力あるランエボを筆者の主観でチョイスしてみたいと思います。

ランエボといえばトミマキ!「ランサーエボリューションVI T.M.E」

2000年1月にリリースされたエボVI“トミ・マキネン エディション”は、まさに三菱とランエボの栄光が詰まった1台でしょう。

当時のワークスドライバー、トミ・マキネンの4年連続ドライバーズ・チャンピオン獲得を記念し、リリースされた特別仕様モデルですが、コスメモデルかといえばさにあらず。

足まわりを10mmダウンさせ、エボVIの足回りから先代エボVの硬い足回りに換装、さらにはクイックステアリングギアの採用で、より競技色の強い内容となっています。また、タービンをチタンアルミ合金製に換装、最大トルクの発生回転数が3,000rpmから2,750rpmに下げられており、熟成の進められたモデルとして、エボ6.5なんて呼ばれているモデルでもあります。

■ランサーエボリューションVI トミーマキネンエディション(GSRスペシャルカラーリングパッケージ
エンジン…4G63型 2.0L直列4気筒DOHC16バルブICターボ
最高出力…280ps/6,500rpm  
最大トルク…38.0kgm/2,750rpm
新車販売価格…3,298,000円

4G63搭載最後のモデル「ランサーエボリューションⅨ」

2005年に発表されたエボIXは、4G63型エンジン最後のモデルとして高い人気を誇ります。加えて、当時三菱のデザインアイコンだった、いわゆるブーレイ顔から脱却し、スタイリッシュなフロントマスクに刷新されたのもポイントでしょう。

ターボのコンプレッサーハウジングも変更となり、コンプレッサーホイールにはマグネシウム合金を採用。その結果、最大トルクは41.5kgmに向上しています。

4G63エンジンの熟成が完全に進んだことと、後のエボXよりも軽量なボディを持つことから、レースシーンでもエボXより優位に立つこともある戦闘力の高い一台です。

■ランサーエボリューションIX GT
エンジン…4G63 MIVEC 2.0L直列4気筒DOHC16バルブICターボ
最高出力…280ps/6,500rpm
最大トルク…41.5kgm/3,000rpm
新車販売価格…3,318,000円

先進技術で武装した、最後のランエボ「ランサーエボリューションX」

最後に紹介するのは、ランサーエボリューションXです。2007年から2015年まで生産されたモデルであり、最後は313psを発揮する「ファイナルエディション」で惜しまれつつその歴史に幕を閉じました。

エボXのポイントは、長年にわたり搭載していた4G63エンジンから脱却し、新開発の4B11型エンジンを搭載したことと、日本のスポーツモデルにおける2ペダルMTの先駆けともいえる、6速Twin clutch SST(DCT)ミッションを用意した点でしょう。

エボVII GT-AというAT仕様は過去より存在しましたが、トルクコンバーターを使わず、デュアルクラッチで電光石火のシフトチェンジを可能とするこのSSTミッションは、ランエボの性格にマッチしたもので、今日のスーパースポーツにも欠かせないテクノロジーとなっています。

まさに三菱の技術力の結晶というべき存在がランエボXといえるのではないでしょうか。

■ランサーエボリューションX ファイナルエディション
エンジン…4B11 MIVEC 2.0L直列4気筒DOHC16バルブICターボ
最高出力…313ps/6,500rpm
最大トルク…43.7kgm/3,500rpm
新車販売価格…4,298,400円

現在、その歴史に幕を下ろしたランエボですが、三菱としてはパジェロ同様、多くの人々の記憶に刻まれている金看板です。先に挙げたように、業績が回復すれば、復活の可能性は大いにあるでしょう。

その際は、GT-Rのように1,000万円クラスのスーパースポーツではなく、手が届く"いつものランエボ"での復活を切に希望したいですね。

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