フェンダーにある爪、なぜついているのか?

【東京オートサロン】Spiegel 爪折り

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クルマのカスタマイズとしてポピュラーなのが、ホイール&タイヤのカスタマイズです。ホイールをインチアップして、幅広タイヤを履かせ、車高を下げると、ぐッとスポーティなテイストが高まります。そのカスタマイズの際に、ときおり問題になるのがフェンダーアーチ内側の爪です。この爪は、なぜついているのでしょうか?
Chapter
インチアップの際の天敵!? フェンダーアーチの爪
L字だけじゃない。フェンダーアーチの「爪」とは?
爪折り加工はすべきなのか?

インチアップの際の天敵!? フェンダーアーチの爪

おそらく多くのユーザーは、愛車のホイール&タイヤの換装というカスタムを楽しんでいるのではないでしょうか。クルマは足元だけでも印象が大きく変わりますから、スタイリッシュにカスタマイズできる箇所でもあります。

また運動性能にも大きく関わるポイントですから、走り重視の方向性で換装する方もいるでしょうね。

いずれの場合でも、ホイールや幅広タイヤで純正よりもタイヤを外側に押し出し、いわゆる「ツライチ仕様」にする方が多くいます。タイヤの外側と、ボディ(フェンダーアーチ)幅いっぱいに収まっている状態のことを指すわけですが、愛車はこれによってスポーティかつスタイリッシュに見えるようになります。

しかし、そういったカスタムを施すと、サスペンションが縮んだときに、タイヤがフェンダーアーチの内側に干渉することがあります。その際に干渉するのが、フェンダー部分のパネルを内側に巻き込んでいる「爪」と呼ばれる部分です。カスタムに手慣れたユーザーは、それを避けるために、いわゆる爪折りや爪切りといった加工を行います。

そもそも、このフェンダーアーチの爪はなぜ必要なのでしょうか?

L字だけじゃない。フェンダーアーチの「爪」とは?

かつてクルマは、4つのタイヤがボディの外側に付いており、それぞれ泥除け用のカバーフェンダーを取り付けていました。現在でも、ケータハム セブン等、その名残があるクルマがありますね。

しかし、安全性やデザインといった要件で、かつての泥除けはタイヤハウスとなり、ボディの内側に収まるようになりました。タイヤが収まるフェンダーを見るとわかると思いますが、その箇所は大きなパネルになっており、フェンダーアーチをタイヤハウスに合わせてカットしただけでは、十分な強度を持たせることができません。

それを補うため、ほとんどのクルマはフェンダーアーチを内側に織り込むことで強度を確保する構造となっています。これを、爪と呼んでいるわけです。
またBMWなどは、そこをコの字型に加工し、より強度を持たせている例もあります。コストはL字よりもかかっているはずですが、高い強度を得るための加工であり、こうした細かい箇所も上質なクルマ作りには必要といえる事例かもしれませんね。

とはいえ、このコの字型の爪は、強度があるだけに爪折り加工する際には苦労するようです。

爪折り加工はすべきなのか?

先に挙げたように、フェンダー部の強度を確保しているのが、爪の存在理由です。コの字であるならばなおさらのこと。しかし太いタイヤを履かせる際、車高を下げる際にはやはり障壁となってしまう…すると加工せざるを得ない、というわけです。

結論からいえば、爪折り加工は、デメリットのほうが多いといえます。

前述のように補強の意味合いが強い加工なので、これを切り落としてしまうのはあまりお薦めできません。また、さらに内側に折り込む加工方法も、フェンダー形状の変化や塗装の痛みなど、車体へのダメージが想定されます。最悪の場合、塗装が剥離してフェンダー部の再塗装が必要になることもあります。さらに売却の際の査定でも、改造とみなされるケースが多いようです。

爪折りの際に、フェンダーを叩き出してボディを広げる加工を行うケースもありますが、片側で1センチ以上車幅が変わる場合は「構造変更申請」が必要となります。つまりそのままでは車検に通らない、また違法改造状態となってしまうわけです。

こうしたリスク、デメリットがあるのが、フェンダー加工です。なるべくなら行わないほうが得策ですが、それでも…という方は、構造変更の覚悟とデメリットも自己責任で、カスタムを楽しみましょう。
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