意外と知らない?トラックのバンパーとキャビンの大きな隙間の正体
更新日:2024.09.12
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私たちの生活に重要な物流。その要といえるのが、トラック輸送です。目にする機会は多くありますが、乗ったことの無い私たちにとっては、意外とトラックについて知らない方も多いでしょう。例えば、トラックを正面から見たときに気になる、バンパーとキャビンの間の大きなすき間。なぜ、あれほどのすき間があるのでしょうか?
バンパー上の分かれ目はなんなのか?
読者の中には、トラックに乗ったことがある、あるいは仕事で日々使っている、という方もいるかと思います。しかし多くの方にとって、トラックは道路で見かけるだけの存在なのではないでしょうか。
トラックのフロント、バンパー上にはボディ部との分かれ目ともいうべきすき間がありますよね。同じ大型の乗り物であるバスには、そのようなすき間はなく、乗用車同様、バンパーとボディ(キャビン)が一体化されています。
つまり、あのすき間はトラックだけのものになりますが、トラックドライバーにとっては非常に重要な役割を果たしているのです。
トラックのフロント、バンパー上にはボディ部との分かれ目ともいうべきすき間がありますよね。同じ大型の乗り物であるバスには、そのようなすき間はなく、乗用車同様、バンパーとボディ(キャビン)が一体化されています。
つまり、あのすき間はトラックだけのものになりますが、トラックドライバーにとっては非常に重要な役割を果たしているのです。
トラックはキャビンが可動する
トラックの乗車スペース(キャビン)は、バンパーの裏側あたりを中心に、前方に倒れる構造になっています。
これは、キャビンの下にエンジンやトランスミッション等が配置されていることから、メンテナンスがしやすいよう採用されている構造です。この機構は、キャブ チルトと呼ばれています。
通常の乗用車であれば、エンジンはボンネットの下に配置されています。しかし、エンジンがドライバーの乗車位置より後ろにあるキャブオーバータイプの場合、当然ながらボンネットはありません。これは、トヨタ ハイエースなども同様です。
そういったハイエースには、整備用の取り外しできるカバーがキャビン内に設けられていますが、大きなエンジンを搭載する大型トラックを整備する場合は、整備用のカバーも大きくなってしまいます。そのため、大型トラックはキャビンごと持ち上げるスタイルに帰結したのではないでしょうか。
しかしこれでは、キャビンとバンパーの間にすき間がある理由とはなりません。では、その理由とは何でしょう?
これは、キャビンの下にエンジンやトランスミッション等が配置されていることから、メンテナンスがしやすいよう採用されている構造です。この機構は、キャブ チルトと呼ばれています。
通常の乗用車であれば、エンジンはボンネットの下に配置されています。しかし、エンジンがドライバーの乗車位置より後ろにあるキャブオーバータイプの場合、当然ながらボンネットはありません。これは、トヨタ ハイエースなども同様です。
そういったハイエースには、整備用の取り外しできるカバーがキャビン内に設けられていますが、大きなエンジンを搭載する大型トラックを整備する場合は、整備用のカバーも大きくなってしまいます。そのため、大型トラックはキャビンごと持ち上げるスタイルに帰結したのではないでしょうか。
しかしこれでは、キャビンとバンパーの間にすき間がある理由とはなりません。では、その理由とは何でしょう?
大事な「キャブ サスペンション」の存在
キャビンを前方にチルトさせることで、整備性を高めた構造のトラックは、当然ながらそのキャビンはフレーム上に載っていました。
しかしその構造では、キャビンの乗り心地が悪く、長距離を走るドライバーの負担が多かったことから、1990年代頃からキャビン部分だけを支えるサスペンションに進化しました。いわゆるドライバーの労働環境の改善ですね。
このキャブサスペンションは、キャビンとフレームの間にサスペンションを配することにより、フレームからの振動を低減してキャビンの快適性を高める働きをしています。
しかしキャビンの乗り心地が良くなることで、このキャブサスペンションにも問題が生まれるようになりました。それがヘッドランプの光軸のぶれです。
それでなくても、ヘッドランプが地上から離れている大型車は、車高の低い普通乗用車のドライバーを眩惑させやすい。ぶれが大きくなってしまえば、さらに問題が大きくなる。そこで最近の大型車では、バンパーにヘッドランプを配置するデザインが増えてきました。
さらに、ヘッドランプのぶれを少なく抑えるため、バンパーはフレーム側に固定しました。これが、キャビンとバンパーの間にすき間のある要因です。
走行中にキャビン部だけが少し動いているような気がしたのは、このキャブサスペンションが機能している、というわけですね。もしこの装備がなければ、ドライバーのストレスは相当なものになってしまうのではないでしょうか。
トラックに不思議な分かれ目がある理由として、このような理由がありました。日々目にするだけにあまり深く意識したことはなかったかと思いますが、乗用車と違うこうした構造になっていたのも興味深いところです。
ドライバーも車も酷使されるからこそ進化する技術。ディスチャージヘッドランプや運転注意力モニター、坂道発進補助システムなど、乗用車よりもトラックのほうが先に採用したものも少なくありません。そういった視点で車を眺めるのも、面白いかもしれませんね。
しかしその構造では、キャビンの乗り心地が悪く、長距離を走るドライバーの負担が多かったことから、1990年代頃からキャビン部分だけを支えるサスペンションに進化しました。いわゆるドライバーの労働環境の改善ですね。
このキャブサスペンションは、キャビンとフレームの間にサスペンションを配することにより、フレームからの振動を低減してキャビンの快適性を高める働きをしています。
しかしキャビンの乗り心地が良くなることで、このキャブサスペンションにも問題が生まれるようになりました。それがヘッドランプの光軸のぶれです。
それでなくても、ヘッドランプが地上から離れている大型車は、車高の低い普通乗用車のドライバーを眩惑させやすい。ぶれが大きくなってしまえば、さらに問題が大きくなる。そこで最近の大型車では、バンパーにヘッドランプを配置するデザインが増えてきました。
さらに、ヘッドランプのぶれを少なく抑えるため、バンパーはフレーム側に固定しました。これが、キャビンとバンパーの間にすき間のある要因です。
走行中にキャビン部だけが少し動いているような気がしたのは、このキャブサスペンションが機能している、というわけですね。もしこの装備がなければ、ドライバーのストレスは相当なものになってしまうのではないでしょうか。
トラックに不思議な分かれ目がある理由として、このような理由がありました。日々目にするだけにあまり深く意識したことはなかったかと思いますが、乗用車と違うこうした構造になっていたのも興味深いところです。
ドライバーも車も酷使されるからこそ進化する技術。ディスチャージヘッドランプや運転注意力モニター、坂道発進補助システムなど、乗用車よりもトラックのほうが先に採用したものも少なくありません。そういった視点で車を眺めるのも、面白いかもしれませんね。