なぜ海外に日本の軽自動車が輸出されないのか?
更新日:2024.09.09
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日本が誇るガラパゴス規格、軽自動車。制約があればこその創意工夫を凝らした進化を続けており、ここ日本では庶民の足、商用ニーズのみならず、軽自動車を愛して止まない方々も多くいると思います。これだけ優れたパッケージであれば海外でもウケるはず…。しかし、日本メーカーはあまり海外に軽自動車を輸出していないようなのです。
軽自動車は日本だけのガラパゴス規格
軽自動車は日本の自動車産業黎明期より存在し、当初はスクーターにキャビンがついたようなものでした。その後、排気量と車体の拡大が続き、現在の規格(1998年10月に規格改定)では、以下の通りの仕様となっています。
・全長3,400mm以下
・全幅1,480mm以下
・全高2,000mm以下
・排気量660cc以下(出力は自主規制64psまで)
・定員4名以下
・貨物積載量350kg以下
大きくなったとはいえ、このサイズで3~4気筒DOHCターボエンジン、最近ではハイブリッド仕様も登場し、海外でもその存在は驚きと称賛を受ける規格
になっています。
また、現在の規格になった際に、普通車と同じ安全衝突基準を設けられ、飛躍的にそのパッケージ、商品力が向上しました。そして軽自動車は税金などの維持費が安いことから、日本では多くのユーザーに愛用されています。
こうしたパッケージであれば、コンパクトカー好きの欧州などでヒットモデルになるのでは…と考えてしまうのですが、なぜメーカーは海外でこの軽自動車を展開しないのでしょうか?
・全長3,400mm以下
・全幅1,480mm以下
・全高2,000mm以下
・排気量660cc以下(出力は自主規制64psまで)
・定員4名以下
・貨物積載量350kg以下
大きくなったとはいえ、このサイズで3~4気筒DOHCターボエンジン、最近ではハイブリッド仕様も登場し、海外でもその存在は驚きと称賛を受ける規格
になっています。
また、現在の規格になった際に、普通車と同じ安全衝突基準を設けられ、飛躍的にそのパッケージ、商品力が向上しました。そして軽自動車は税金などの維持費が安いことから、日本では多くのユーザーに愛用されています。
こうしたパッケージであれば、コンパクトカー好きの欧州などでヒットモデルになるのでは…と考えてしまうのですが、なぜメーカーは海外でこの軽自動車を展開しないのでしょうか?
軽自動車を海外に輸出しない理由
これだけ商品力の高いパッケージであるにもかかわらず、海外で展開をしない軽自動車。その理由はいくつか考えられます。
やはり、まず挙げざるを得ないのは「衝突安全性」です。誤解の無いよう記しますが、1988年に改定された現在の規格になってからは普通自動車同様の衝突テストを行っており、それをクリアした上で各メーカー販売しています。
しかし、過去の軽自動車はやはり衝突安全性に難があったのはまぎれもない事実。日本よりも速度域の高いシーンで使用する欧州や北米などでは、当時の衝突安全性能をクリア出来ていなかったのも事実でしょう。
そして一番大きな理由として考えられるのが、「軽自動車という規格は日本のみ」という事です。そもそも軽自動車の立脚点というのは、普通自動車(登録車)の下の規格で、車体価格も廉価、何より税制度を大きく優遇する、まさに庶民の為のシティコミューターといったものでした。
いわば狭い国土の日本で庶民の足となること、というのが軽自動車のコンセプト。制約を設ける代わりに維持しやすく優遇する、といった存在であり、その枷の中で進化を続けてきたモデルとなっています。
日本ではメリットが大きい規格ですが、海外ではこうした優遇される規格が存在しなければ、こうした軽ならではの「恩恵」を享受する事が出来ず、むしろ“無駄な枷をはめられた中途半端なクルマ”という事になってしまいます。
例えば、イギリスでは2000年以降、CO2排出量に基づいた税率を適用しています。そうなると過剰な小排気量よりも環境性能に優れたクルマの方がお得、となります。
軽自動車は確かに燃費の良いモデルも多くなっています。しかし、排気量が小さいから燃費が良いかといえばさにあらず。排気量のわりに大型化された車体によって重量が増えている昨今の軽自動車は、環境性能では1.0Lのモデルやハイブリッドモデルに劣ってしまうケースも多くあります。
つまるところ、日本以外の国では「無理して軽自動車に乗る必要がない」と言いきれてしまうのです。
やはり、まず挙げざるを得ないのは「衝突安全性」です。誤解の無いよう記しますが、1988年に改定された現在の規格になってからは普通自動車同様の衝突テストを行っており、それをクリアした上で各メーカー販売しています。
しかし、過去の軽自動車はやはり衝突安全性に難があったのはまぎれもない事実。日本よりも速度域の高いシーンで使用する欧州や北米などでは、当時の衝突安全性能をクリア出来ていなかったのも事実でしょう。
そして一番大きな理由として考えられるのが、「軽自動車という規格は日本のみ」という事です。そもそも軽自動車の立脚点というのは、普通自動車(登録車)の下の規格で、車体価格も廉価、何より税制度を大きく優遇する、まさに庶民の為のシティコミューターといったものでした。
いわば狭い国土の日本で庶民の足となること、というのが軽自動車のコンセプト。制約を設ける代わりに維持しやすく優遇する、といった存在であり、その枷の中で進化を続けてきたモデルとなっています。
日本ではメリットが大きい規格ですが、海外ではこうした優遇される規格が存在しなければ、こうした軽ならではの「恩恵」を享受する事が出来ず、むしろ“無駄な枷をはめられた中途半端なクルマ”という事になってしまいます。
例えば、イギリスでは2000年以降、CO2排出量に基づいた税率を適用しています。そうなると過剰な小排気量よりも環境性能に優れたクルマの方がお得、となります。
軽自動車は確かに燃費の良いモデルも多くなっています。しかし、排気量が小さいから燃費が良いかといえばさにあらず。排気量のわりに大型化された車体によって重量が増えている昨今の軽自動車は、環境性能では1.0Lのモデルやハイブリッドモデルに劣ってしまうケースも多くあります。
つまるところ、日本以外の国では「無理して軽自動車に乗る必要がない」と言いきれてしまうのです。
海外では日本の軽自動車に憧れる声も多い!
日本の各メーカーは、積極的に軽自動車を海外に持ちこんではいませんが、アジア圏ではその限りではありません。
インドではスズキ(マルチ)がアルトベースの「マルチ 800」を生産していました。これはアルトのボディに800ccのエンジンを搭載した仕様。1983年から2014年までこの愛すべきコンパクトカーは生産されていたそうです。
また欧州では、三菱のi-MiEVのOEMモデルがプジョー「ion」、シトロエン「C-ZERO」としてリリースされていました。
衝突安全性向上もあってかフロントマスクが若干大型化している事以外は基本的に大きな変化はなく、日本の軽規格に近いまま販売されています。
これはi-MiEVが純然たる「電気自動車」という事が大きいでしょう。欧州でも税制度で優遇されるEVだからこそ、所有するメリットがあるので、少々イレギュラーなケースかもしれませんね。
古くはカプチ―ノ、AZ-1、ビート、アルトワークス、現在でもS660、コペン…。こうした軽スポーツに熱視線を送る海外のマニアは少なくありません。カプチーノにいたっては、右ハンドルの国、英国からのラブコールに応える形で2,000台ほど輸出され、オーナーズクラブが出来るほど人気があります。
日本のガラパゴス規格である軽自動車。制約があるからこそ、ありとあらゆる英知を結集して作られているアイデアの塊ともいえる存在。楽しく、気軽に乗れる私達は軽に感謝すべきかもしれませんね。
インドではスズキ(マルチ)がアルトベースの「マルチ 800」を生産していました。これはアルトのボディに800ccのエンジンを搭載した仕様。1983年から2014年までこの愛すべきコンパクトカーは生産されていたそうです。
また欧州では、三菱のi-MiEVのOEMモデルがプジョー「ion」、シトロエン「C-ZERO」としてリリースされていました。
衝突安全性向上もあってかフロントマスクが若干大型化している事以外は基本的に大きな変化はなく、日本の軽規格に近いまま販売されています。
これはi-MiEVが純然たる「電気自動車」という事が大きいでしょう。欧州でも税制度で優遇されるEVだからこそ、所有するメリットがあるので、少々イレギュラーなケースかもしれませんね。
古くはカプチ―ノ、AZ-1、ビート、アルトワークス、現在でもS660、コペン…。こうした軽スポーツに熱視線を送る海外のマニアは少なくありません。カプチーノにいたっては、右ハンドルの国、英国からのラブコールに応える形で2,000台ほど輸出され、オーナーズクラブが出来るほど人気があります。
日本のガラパゴス規格である軽自動車。制約があるからこそ、ありとあらゆる英知を結集して作られているアイデアの塊ともいえる存在。楽しく、気軽に乗れる私達は軽に感謝すべきかもしれませんね。