ホンダ「フリード」をプロが先代と新旧比較 外装・内装の違いを解説【プロ徹底解説】
更新日:2024.10.29
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ホンダの人気コンパクト・ミニバンである「フリード」。2024年6月に3代目となる最新モデルが発売となりました。今回は、2016年に発売となった先代モデルと、最新モデルの内容を徹底的に比較し、その違いを解説します。
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
新型「フリード」を先代と徹底比較
3代目モデルの開発コンセプト
「フリード」の特徴であり、最大の魅力となるのが、2008年にデビューした初代から続く「ちょうどいい」をキャッチコピーにした、サイズ感の良さでしょう。4mをわずかに超えたというコンパクトカーのサイズの中で、6~7人がしっかり乗れる3列シートを並べています。
そして、3代目となる最新モデルも、「ちょうどいい」のコンセプトは踏襲されています。ただし、それだけでなく、より内容を進化させ、「家族の毎日に笑顔をもたらすクルマ」を目指して開発したとホンダは説明します。そんな新型の具体的な価値は「よゆうのフォルムと扱いやすいサイズ」「よゆうで便利な使い勝手とパッケージング」「よゆうを感じる乗り心地と素直な性能」となります。
そして、3代目となる最新モデルも、「ちょうどいい」のコンセプトは踏襲されています。ただし、それだけでなく、より内容を進化させ、「家族の毎日に笑顔をもたらすクルマ」を目指して開発したとホンダは説明します。そんな新型の具体的な価値は「よゆうのフォルムと扱いやすいサイズ」「よゆうで便利な使い勝手とパッケージング」「よゆうを感じる乗り心地と素直な性能」となります。
最新モデルと先代モデルでの主な変更点
具体的に、先代モデルから新型になって、どのような変更点があるのでしょうか? 実のところ、クルマの骨格となるプラットフォームは先代からの継承となります。ただし、搭載されるパワートレインやADAS(先進運転支援システム)は最新のモノとなっており、シャシーなども改良が進んでいます。2016年に発売になった先代モデルから、2024年の最新モデルの登場まで、約8年もの時間が流れています。その間に、クルマに関する技術は、どんどんと進んでおり、その技術の進化した分がしっかりと新型に反映されていると考えるといいでしょう。
また、デザインもモダンなものに一新されており、代替わりしたことは見ただけでわかります。
また、デザインもモダンなものに一新されており、代替わりしたことは見ただけでわかります。
新旧型のそれぞれの良いところ
最新型と先代モデルと比較して、それぞれの良いところを挙げてみれば、以下のようになります。
<新型の方がいいところ>
・走りの性能・フィーリングの向上
・先進運転支援システムの性能アップ
・使い勝手の向上
<新型の方がいいところ>
・走りの性能・フィーリングの向上
・先進運転支援システムの性能アップ
・使い勝手の向上
<先代の方がいいところ>
・価格が安い
・室内長が長い
・通常グレードで、2列仕様を選べる
・エンジン車の燃費性能
・価格が安い
・室内長が長い
・通常グレードで、2列仕様を選べる
・エンジン車の燃費性能
新型「フリード」のエクステリア・ボディサイズを先代と比較
先代モデルのデザインは「Dynamism and Functionality」をテーマにしており、躍動感と機能性を融合させています。狙いはドライバーズカーのイメージです。また、クロスオーバー・テイストの「CROSSTA(クロスター)」は、2019年のマイナーチェンジから追加となっています。
一方、最新モデルは、上質で洗練されたシンプルでモダンなデザインを採用。ドライバーだけでなく、より幅広い人に受け入れられる懐の深いデザインとなっています。また、「CROSSTAR(クロスター)」が用意され、逆に、スタンダードなデザインは「AIR(エアー)」というグレードになっています。
ボディサイズは、新型モデルの全長が若干長くなり、「CROSSTA(クロスター)」の全幅が大きくなっています。
一方、最新モデルは、上質で洗練されたシンプルでモダンなデザインを採用。ドライバーだけでなく、より幅広い人に受け入れられる懐の深いデザインとなっています。また、「CROSSTAR(クロスター)」が用意され、逆に、スタンダードなデザインは「AIR(エアー)」というグレードになっています。
ボディサイズは、新型モデルの全長が若干長くなり、「CROSSTA(クロスター)」の全幅が大きくなっています。
新型「フリード」のインテリアを先代と比較
先代モデルのインパネ(1枚目)は、水平基調を基本としながら、ダッシュボードの高い部分にワイドなメーターが配置されています。一方、新型モデルは、メーターが小さく一般的なものとなり、ステアリングの近くに移動しています。新型は、すっきりした雰囲気になっているのが大きな違いとなります。
新型「フリード」の運転席・助手席・後部座席を先代と比較
新型モデルのフロントシートには、新しくボディースタビライジングシートが採用されています。これは、「疲れにくさ」の研究から生まれたもので、骨盤から腰椎までの体圧を面で受け止める構造となっています。その結果、優れたホールド性と快適な座り心地が実現しています。
また、新型モデルでは、前席と2列目のシートバックの形状を小さくすることで、後席からの視界がより開けたものとなっています。 (1枚目:先代)
また、新型モデルでは、前席と2列目のシートバックの形状を小さくすることで、後席からの視界がより開けたものとなっています。 (1枚目:先代)
新型「フリード」の安全装備・先進装備を比較
ホンダの先進運転支援システム(ADAS)となるのがホンダセンシングです。その機能自体は、先代モデルからすでに採用されています。基本機能として、先代モデルから衝突被害軽減自動ブレーキ(CMBS)、歩行者事故低減ステアリング、アダプティブクルーズコントロール(ACC)、車線維持支援システム(LKAS)などが採用されています。ただし、アダプティブクルーズコントロール(ACC)は、時速30㎞以上での作動というように、作動領域が限定的でした。
新型モデルでは、ホンダセンシングがより進化しています。衝突被害軽減ブレーキ(CMBS)は、対象に自転車が加わりましたし、アダプティブクルーズコントロール(ACC)は渋滞追従機能がつき、また、トラフィックジャムアシスト(渋滞時運転支援機能)が追加されたことで、渋滞の中で時速0㎞まで作動できるようになりました。斜め後ろの死角をカバーするブラインドスポットインフォメーションや、駐車場での出庫時に左右から近づく別車両を検知する後退出庫サポート機能もタイプ別に用意されています。
新型「フリード」の走行性能・燃費を先代と比較
先代モデルのパワートレインは、i-DCDと呼ばれるハイブリッドと、1.5リッターのエンジンという2つのパワートレインを搭載していました。i-DCDは、7速DCTの中にモーターを内蔵するという仕組みです。その燃費性能は、後期型で、ハイブリッドのFFが、最高20.8㎞/l(WLTCモード)で、4WDが最高で19.8㎞/l(WLTCモード)でした。1.5リッターのエンジン車は、FFで17.0㎞/l(WLTCモード)、4WDで最高15.6km/l(WLTCモード)でした。
新型モデルは、e:HEVと呼ばれる新世代のハイブリッドと、1.5リッターのエンジンという2つのパワートレインを用意します。e:HEVは、走行シーンのほとんどを、エンジンで発電した電力でモーター駆動するという、シリーズハイブリッドで走行します。ただし、高速走行時は、クラッチ経由でエンジンの力を駆動に利用します。その燃費性能は、ハイブリッドのFFで最高25.6km/l(WLTCモード)、4WDで最高21.4km/l(WLTCモード)となります。エンジン車の燃費は、FFで最高16.5㎞/l(WLTCモード)、4WDで最高14.5㎞/l(WLTCモード)となります。
燃費性能を比較すると、ハイブリッドでは、新型モデルが勝りますが、エンジン車では先代モデルの方が良い数字となります。
燃費性能を比較すると、ハイブリッドでは、新型モデルが勝りますが、エンジン車では先代モデルの方が良い数字となります。
新型「フリード」の価格を先代と比較
先代モデルの価格は、2016年の発売時点では、エンジン車が188万円~233万2200円でした。ハイブリッドは、225万6000円~272万8200円です。ざっくり、190~270万円という価格帯に収まります。しかし、その後、マイナーチェンジなどで、車両価格は徐々に高騰してゆきます。
新型モデルの価格帯は、エンジン車で250万8000円~308万7700円。ハイブリッドでは、285万7800円~343万7500円となっています。先代モデルと比較すると、完全に上のクラスの価格帯に変化しているのです。
新型モデルの価格帯は、エンジン車で250万8000円~308万7700円。ハイブリッドでは、285万7800円~343万7500円となっています。先代モデルと比較すると、完全に上のクラスの価格帯に変化しているのです。
ホンダ「フリード」の先代モデルは2016年に発売されました。それに対して、新型モデルの発売は、8年後となる2024年のこと。8年間の時間の流れで、技術的な部分は、大きく進化しています。ただし、サイズ感は、ほぼ同じ。そして、残念ながら、価格面でも新型は高くなってしまっています。