トヨタ「クラウン(スポーツ)」のパワートレインを紹介!スポーツの名前に相応しい「楽しい」走りを実現【プロ徹底解説】
更新日:2024.09.09
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トヨタの「クラウン」シリーズの一つとして、2023年10月に発表されたのが「クラウン(スポーツ)」です。背の低いハッチバック風のスタイルが特徴となり、「走り」の良さを感じさせるモデルとなります。そこに搭載されるパワートレインと、走りに関わる機能などを解説します。
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
2種類のパワートレインを用意
「クラウン(スポーツ)」に用意されているパワートレインは2種類です。スタンダードな「Z」グレード(590万円)に搭載される、2.5リッターのハイブリッドと、上位のプラグインハイブリッドの「RS」グレード(765万円)の2.5リッターのプラグインハイブリッドの2種類となります。
駆動方式は、どちらも後輪をモーター駆動する4WDの「E-Four」となります。
駆動方式は、どちらも後輪をモーター駆動する4WDの「E-Four」となります。
基本グレードの2.5リッターのハイブリッド
基本の「Z」グレードに搭載されるのが2.5リッターのハイブリッド。2.5リッターのA25A-FXSエンジンにTHSⅡ(トヨタハイブリッドシステムⅡ)を組み合わせています。駆動用の二次電池は、高出力を特徴とするバイポーラ型ニッケル水素電池を使用します。
2.5リッターのA25A-FXSは、高圧縮・ロングストロークを特徴としており、吸気バルブの開閉タイミングを最適化する「VVT-iE(電動連続可変バルブタイミング機構)」や、直噴と吸気ポート噴射の2つのインジェクターを使う「D-4S」を採用。電動ウォーターポンプを備える可変冷却システムや、低フリクションオイルの採用などで燃費性能が高められています。
そのシステム最高出力は、172kW(234PS)。燃費性能は21.3km/l(WLTCモード)となります。
そのシステム最高出力は、172kW(234PS)。燃費性能は21.3km/l(WLTCモード)となります。
上位となる2.5リッターのプラグインハイブリッド
上位の「RS」グレードに使われているのが2.5リッターのプラグインハイブリッド。2.5リッターのA25A-FXSエンジンとリダクション機能付きのシリーズパラレルプラグインハイブリッドシステムを組み合わせます。駆動用二次電池はリチウムイオン電池で、容量は51Ah。「Z」グレードの5Ahに対して、10倍以上の容量を誇ります。
搭載するエンジンは、「Z」グレードと同じA25A-FXSエンジンとなりますが、チューニングが異なり、プラグインハイブリッドの「RS」は、エンジン単体の最高出力が7kW(9PS)ほど高められています。
システム最高出力は225kW(306PS)にまで高められ、満充電状態であれば90km(WLTCモード)のEV走行を可能とします。また、充電した電力を使い切った後の燃費、いわゆるハイブリッド燃費性能は20.3km/l(WLTCモード)となります。
システム最高出力は225kW(306PS)にまで高められ、満充電状態であれば90km(WLTCモード)のEV走行を可能とします。また、充電した電力を使い切った後の燃費、いわゆるハイブリッド燃費性能は20.3km/l(WLTCモード)となります。
安心を支える電動4WDシステム「E-Four」
「クラウン(スポーツ)」は全グレードが後輪にモーターを使う電動4WD「E-FOUR」となります。後輪用のモーターは、すべてのグレードで、4NMと呼ぶ交流同期モーターで、最高出力40kW(54PS)・最大トルク121Nmの性能を備えています。
フロント用のモーターはグレードごとに異なります。そのスペックはハイブリッドの「Z」グレードでは、3NMの交流同期モーターで最高出力88kW(120PS)・最大トルク202Nm。プラグインハイブリッドの「RS」では、5NMの交流同期モーターで最高出力134kW(182PS)・最大トルク270Nmとなります。
前後のモーターの出力配分は、走行状況によって100:0~20:80までの間で変化します。コーナーリングでは、後輪の駆動力配分を高めることで、車両安定性を高めます。
フロント用のモーターはグレードごとに異なります。そのスペックはハイブリッドの「Z」グレードでは、3NMの交流同期モーターで最高出力88kW(120PS)・最大トルク202Nm。プラグインハイブリッドの「RS」では、5NMの交流同期モーターで最高出力134kW(182PS)・最大トルク270Nmとなります。
前後のモーターの出力配分は、走行状況によって100:0~20:80までの間で変化します。コーナーリングでは、後輪の駆動力配分を高めることで、車両安定性を高めます。
4種類のドライブモードを用意
走行フィーリングを変化させるドライブモードが用意されています。パワートレインの制御、シャシー制御(ステアリングと後輪操舵)、エアコンの3つを目的別に変化させ、燃費を優先する「ECO」、基本となる「NORMAL」、走りの楽しい「SPORT」、ユーザーが自由に組み合わせを変更できる「CUSTOM」の4種類が用意されます。
より軽快な走りを生み出す後輪操舵
「クラウン(スポーツ)」の走りを1ランク高めてくれる機能が、後輪を操舵するDRS(ダイナミックリアステアリング)です。速度域と、狙う運動特性にあわせて、後輪の向きを、前輪に対して逆相/同位に変化させます。低速時の俊敏性と、高速時の安定性を両立させます。また、パーキング速度域での取り回し性の向上にも貢献。
「クラウン(スポーツ)」は、「クラウン(クロスオーバー)」よりもタイヤ幅と車幅が広いにもかかわらず、2車の最小回転半径は同じ5.4mとなっています。
「クラウン(スポーツ)」は、「クラウン(クロスオーバー)」よりもタイヤ幅と車幅が広いにもかかわらず、2車の最小回転半径は同じ5.4mとなっています。
基本グレードで172kW(234PS)もあり、上位のプラグインハイブリッドでは225kW(306PS)ものパワーを与えられたのが「クラウン(スポーツ)」です。しかも、ただパワフルだというわけではなく、電動4WDの「E-Four」と、後輪操舵のDRSがあることで、俊敏性と安定性の両方が高められています。速くて俊敏でいて、それでいて安定性も高いというのが特徴となります。