ホンダ「WR-V」の維持費はどれくらいかかる? 新車購入から、最初の車検がくるまでの3年を計算してみた!【プロ徹底解説】

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ホンダが2024年3月に発売した、最新のコンパクトSUVとなる「WR-V」。そのクルマを手に入れると、どれだけの維持費がかかるのでしょうか? 新車購入した後、最初の車検がやってくるまでの3年間の間にかかる費用を計算してみました。グレードは最上位の「Z+」です。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
クルマを維持するときにかかる費用の内容
エンジン排気量に合わせて税額が決まる「自動車税」
件次第で掛け金がわかるのが任意保険
燃費性能が優れるほど安くなるのが燃料費
パックを使うと安くなるメンテナンス費用
総額はいくら

クルマを維持するときにかかる費用の内容

クルマの維持には、さまざまな費用がかかります。ただし、人によって必要のない項目もあります。たとえば、駐車場を借りる費用や、高速道路の料金は人によって異なります。そこで、今回の計算では、誰もが必要になる項目だけをピックアップして計算してみました。

その内訳は、税金、保険、燃料費、そしてメンテナンス費用です。

税金は、「環境性能割」「自動車重量税」「自動車税種別割」(一般的に「自動車税」とよばれています)が内訳となります。これに、クルマを購入するときの支払いに「消費税」もかかります。ただし、これらの税金は、支払うタイミングが異なります。新車購入時には「環境性能割」「自動車重量税」「消費税」を支払います。この中にある「自動車重量税」は、車検ごとにも課せられます。

また、税金として、毎年支払いがあるものが「自動車税」。正式名は「自動車税種別割」です。実際のところ、新車を購入した後から、最初の車検までの3年間に払う必要のある税金は、毎年の「自動車税」だけとなります。

自動車の保険は二つ。ひとつは法律で加入が定められている「自賠責保険」で、加入しなくてはならないため、「強制保険」と呼ばれることもあります。二つめの保険は「任意保険」です。民間の保険会社が販売する自動車保険が該当します。「任意」ですから、加入しなくても法的な罰則はありません。ただし、万一の交通事故で加害者になると、求められる補償金を「自賠責保険」でカバーすることができないことがあり、下手をすると、一生涯をかける借金を背負うことになります。つまり実質的に、保険会社の用意する「任意保険」への加入は絶対に必要となります。

燃料費は、クルマを走らせるほどにかさみます。その費用は、クルマの燃費性能次第。同じ走行距離でも必要な燃料の量が異なります。燃費性能が良いほど、燃料費は安くあがります。

メンテナンスは、法律で必須とする法定点検と、エンジンオイルなどの消耗品の交換にかかる費用のこと。これをケチると、故障や事故を呼び込むことになるため、しっかりとしたメンテナンスは必須となります。

エンジン排気量に合わせて税額が決まる「自動車税」

年に一度、4月1日にクルマを所有する人に対して課せられる税金が、「自動車税」です。3年目の車検までに、都合、3回支払うことになります。地方税なので、在住している自治体から請求書が送られてきます。税額は、エンジンの排気量に応じてたもので、排気量が大きいほど高額になります。

「WR-V」のエンジン排気量は1496㏄なので、税金の区分は「1リットル超 1.5リットル以下」になります。税額は3万0500円となります。3年分では、合計で9万1500円となります。

件次第で掛け金がわかるのが任意保険

クルマの保険は「自賠責保険」「任意保険」の二つがありますが、「自賠責保険」は、新車購入時と車検時に加入します。一方、民間の保険会社の用意する「任意保険」は毎年かけるのが一般的です。つまり、新車購入後から車検までの間の3年間で、毎年、「任意保険」に加入する必要があります。
「任意保険」の内容は、自分で選ぶことができます。また、同じ補償内容でも、保険会社によって保険料が異なります。そのため厳密な任意保険の費用は、人それぞれとなるので、ここでの数字はあくまでも目安となります。

今回は、「WR-V」を、25歳の人が、初めて購入するクルマとして、車両保険も含めて、ネット保険で見積もりを取ってみました。すると、保険額は5万6740円、車両保険が7万7060円、合計で13万3800円となりました。「任意保険」は、事故なく過ごせば、2年目、3年目と保険料は割引となりますが、今回は目安ということで、割引なしで計算すると、3年分で40万1400円となります。

燃費性能が優れるほど安くなるのが燃料費

燃料費は、走行距離と燃費性能次第です。「WR-V」の場合、燃費性能は16.2㎞/l(WLTCモード)。目安として年間に1万㎞を走行するとした場合を計算してみます。19.6km/lの性能で1年間に1万㎞を走行するのに、必要な燃料は約617リッター。
ガソリン価格を1リッター160円で計算すると、必要となるガソリン代は9万8720円になります。それが3年間となると29万6160円。これが3年間の燃料費となります。

パックを使うと安くなるメンテナンス費用

メンテナンス費用とは、定期的な点検と、走行距離に応じたオイルなどの消耗品の交換にかかる費用です。近年、人気を高めているディーラーの用意するメンテナンスパックは、メンテナンス費用の目安になります。これは、メンテナンスにかかる費用を、先払いしてもらうかわりに、割引してくれるというサービスです。
ホンダの場合、「まかせてチャオ」の名称で、定期点検のパックが各ディーラーに用意されています。ただし、額面は販売店ごとに異なりますので、ここでの数字は、一例となります。「WR-V」で、車検なしの点検のみとすると、その費用は5万3760円となります。先払いとなりますが、3年間は4万6410円のみで、メンテナンスはカバーできます。

総額はいくら

以上のように求めた維持費をプラスすると以下のようになります。

「WR-V Z+」の場合
自動車税:9万1500円
任意保険料: 40万1400円
燃料費(ガソリン代金):29万6160円
メンテナンス費用:4万6410円

合計:83万5470円
「WR-V」の3年間の維持費の目安は、83万5470円でした。車両保険や税金が安いのが特徴でしょう。ただし、最近のクルマとしては16.2㎞/lという燃費性能は、それほど優れているわけではありません。ただし、全体としては車格にあった手ごろな価格と言えるでしょう。
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