ゼロヨンのスタート前に見かけるホイールスピン!それを可能にするラインロックとは?

ホイールスピン

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ゼロヨンのスタート直前、スタートラインに着く前にホイールスピンをさせるシーンをよく見かけますが、あれにはどのような意味合いがあるのでしょうか。今回はその点に触れてみよと思います。
Chapter
ゼロヨン直前のホイールスピンの意味とは?
フロントをロックさせる「ラインロック」って?
ラインロック標準装備のクルマも!

ゼロヨン直前のホイールスピンの意味とは?

モータースポーツにおいてホイールスピンは「ロス」にしかならず、またクラッチ等駆動系、タイヤへの負担がかかるものですから、極力避けたいものであります。しかし、北米等で盛んなゼロヨン、ドラッグレースにおいてはスタート前に意図的に「ホイールスピン」して白煙をまき散らす場面が良く見られます…。

ドラッグレース等ではこれを「Burnout=バーンアウト」と呼びます。これはご想像のように、空転させることでタイヤを「暖める」事が理由としてあり、その事でタイヤ性能を引出し、グリップを増加させるのを意図した行為です。また路面がウェットな場合であれば、スタート時の路面部分を乾かすことでトラクションを稼ぐ、といった用途ともなるでしょう。

このバーンアウトを行うには、ちょっとした改造をしなければなりません。

フロントをロックさせる「ラインロック」って?

ほぼ停車した状態で後輪をホイールスピンさせるには、フロントブレーキのみが効く状態にしなければなりません。この為に必要なカスタムが「ラインロック」です。

これはブレーキラインの途中にバルブを設けて、ONにした際にフロントのみがロックされるようにする仕組みです。 車種によって様々な施工方法があるようですが、電気式で油圧ロックを掛けるものが多いようです。
こうするとフロントがロックされるので、OFF解除するまで後輪をホイルスピンさせることが可能になります。

アフターマーケットパーツが多数販売されているので、関心のある方はチェックしてみても良いかもしれません。ただ、ドラッグレース以外に使い道があるかどうか…というところですが…。

ラインロック標準装備のクルマも!

基本的にレーススタート前のトラクション向上を狙うのが「バーンナウト」であり、公道では全く必要ない、と言っても過言でない装置が「ラインロック」といえます。

ところが、アメ車ではこのラインロックを「標準装備」してしまっているものもあります。いやはや、流石というべきか…。

そのクルマは2015年型「フォード・マスタング GT」です。なるほど、ドラッグレースが盛んなアメリカらしい装備と言えますよね。お国柄というべきか、文化の違いを感じてしまうところです…。
基本的に、現在クルマに搭載されているデバイスは「如何に空転しないように制御するか」という所に力点を置いています。トラクションコントロール、ローンチコントロールといったシステムがそれにあたりますし、最近のAWD車も路面状況を一瞬で判断し、空転しそうになったら駆動配分を変える、といった装備も多く使用されるようになっています。

つまり一般論で言えば、ホイールスピンは「無駄でしかない」といえます。駆動部に余計な負荷がかかりますし、タイヤも損傷してしまうので交換時期が早まるのは間違いありません。それでも「ラインロック」パーツが多く販売されているのもなんとも不思議なところですが、ニーズが一定ある、ともいえます。

もちろん先に述べたようにレースシーン等では有用な使用方法も出来ますが、公道で行うのは非常に危険ですし、周囲への迷惑でしかありませんよね。TPOに応じたカスタマイズで楽しみたいものです。
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