旧車の定義は何?

マツダ ロードスター

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いかに高い人気を誇っても迫る年波には敵いません。時間とともに劣化するというのがクルマに限らず、それはどのような製品においても同じこと。人気のあるクルマが時とともに歳を重ね、「旧車」になっていく・・・これもクルマを楽しむ上での一つのポイントかもしれません。現役の「人気車」、あるいは歳を重ねた「旧車」として「嗜む」のか。この境目というのはどんなあたりにあるのでしょうか。
Chapter
旧車の定義について|10年は「ひと昔」ではない?
旧車の定義について|生産期間も大きく左右
旧車の定義について|これから「旧車」になっていくであろう、例えばNSXはどうか?

旧車の定義について|10年は「ひと昔」ではない?

10年ひと昔、とよく言いますが、クルマは10年で旧車になってしまうのでしょうか。旧車の概念はそれぞれだと思います。しかしひとつのポイントとしては維持管理に支障が出始めるタイミングと考えてもいいように思います。いわゆるディーラー整備だけでは十全にそのクルマを維持できないというタイミング。

ディーラーは基本的にメーカーから部品供給があれば整備をしてくれます。ま、そうでなくてもやってくれることもありますが、基本的に純正部品での整備になります。それは行った整備に対する保証の問題もあるため、それはそうです、社外品やマニュアルにない勝手な整備はきわめてしにくくなります。

逆に、メーカーから部品が出てこず、どうしてもオリジナルの整備をしなくてはならなくなる、そのタイミングがいつになるのか、というのがひとつの大きなターニングポイントとなるはずです。
10年くらいで部品が枯渇することは、今の自動車業界では滅多にないことと思っていただいていいです。これには決まりごとがあって、製造中止から10年は部品を供給できる体制を取るということがルールになっています。※7年という情報もありますが、それは家電系です

個人的な経験から申し上げますが、平成7年式トヨタMR2のSW20型のリアマフラーとオキシジェーンセンサーは、平成23年当時メーカー欠品でしたが、ディーラーからのオーダーにより「作って」いただいて、供給を受けました。当時SW20型は生産終了から10年以上が経過していました。

「これはもう旧車の領域だなあ」と思いながらオーダーをかけた記憶があります。

旧車の定義について|生産期間も大きく左右

例えばマツダの初代ロードスター。このクルマは1989年から1997年まで生産された、モデルライフの長いクルマです。生産台数も多めでファンもまた多い。最近では部品供給にも陰りが見え始めているという声を聞きますが、こうしたクルマというのはプライベーターが独自にパーツを開発して供給するというパターンもあり、「旧車」の領域に足を踏み入れても、あまり困らない、という面はありそうです。

どうにもならない、手の施しようがなくなる可能性・・・それはよほどマニアックでマイナーな車種です。しかしそれでも他車用の部品を流用するノウハウがあったり、独自に改造して対処してしまったり、なんとかなってしまうというのが昨今の「旧車事情」のようです。

ただし、それにはそれ相応のノウハウを持つ工場や整備士と知り合っておく必要があります。一番のハードルはここかもしれません。
R32型スカイラインのようなクルマは、生産期間は通常の4年(GT-Rはつごう6年)とはいえ、きわめて高い人気を誇り、またチューンナップの分野でもかなり広くノウハウのあるクルマですから、維持管理に関する情報も比較的豊富な車種と言えます。

ただし、ユーノス・ロードスターにせよ、32スカイラインにせよ、注意してほしいことがあります。

それは「錆」です。外板は綺麗に保っていても、例えばフロントフェンダーを外してみると骨格部分が錆びていたり、ジャッキアップするとやはりシャシー部分が錆びていたりと、目に見えないところが錆びてくるというのが、バブル以降の日本車の特徴です。

買うときに一見して綺麗に見えても、せめて下回りの錆のチェックはしておいたほうが無難です。錆の対処はその部分を切り取って新しい鉄板を溶接することでしか抜本解決にはなりませんから、修理は大仕事です。まさに「旧車」の領域。

旧車の定義について|これから「旧車」になっていくであろう、例えばNSXはどうか?

初代NSXは生産終了から今年で10年になりました。中古車市場を見渡してもタマ数は減少しつつあり、程度の良いものは「コレクターズアイテム」に近い存在になりつつありますよね。NSXは高額車でもあり、生産方法やユーザーケアに対しても一般のクルマとは少し異なるところがありそうです。NSXにはメーカー独自のリフレッシュプランが存在し、また部品供給にも長期的な展望をもって臨んでいる模様。これはNSXを愛用されている方には大きな朗報となるはず。

数年前にホンダは、ビートの残存数とその人気の高さからまだパーツ需要があると判断して、後付け用ではあるもののオーディオや外装部品などに新たなパーツをリリースしたという経緯があります。恐らくこのあたり、ホンダの考え方は旧車オーナーにとって味方となる部分があると言えそうですね。

さて。クルマを長期的に維持していく上で部品供給や錆、修理ノウハウというのは切っても切れない要素となっています。新しいクルマならディーラーさんにお任せのコースでも維持管理は可能ですが、旧車となるとそうはいかなくなります。

正しい知識を持って、信頼できる整備士と繋がり、ある程度の手間や時間を惜しまずにしっかりと修理、整備をしてあげる、これが重要ではないでしょうか。また多少なりともいつもより時間がかかる、待たされる、というのも、じつは旧車を嗜む上ではひとつの楽しみだったりもすると思うのですが、いかがでしょうか。

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