V6、直4などレイアウトの違いで性能はどれほど変わるのか?
更新日:2024.09.09
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筆者が車に乗り出した90年代は、排ガス規制も今ほど意識されず、どちらかというとエンジンはどれだけパワーがあるか、排気量が大きいかなど、ハイパフォーマンス至上主義ともいえる時代だったように思います。当時の一般的なファミリーカーは直列4気筒エンジンを搭載していることが多く、V型エンジンを採用しているのは一部の高級車や輸入車に限られていました。それが、2000年を過ぎたころにアルファードなどの上位グレードにもV6エンジンが採用されるようになり、クラウンなどもV6エンジンを搭載するよう。そして、21世紀になると、高性能かつ高出力なV型エンジン搭載車が増える結果に。
ところが、最近は排ガス規制や省燃費をはじめとする環境性能も求められる時代となり、エンジンのダウンサイジング化やハイブリッドシステムなどにより、かつてはファミリーカー向けとされた直列4気筒への回帰が始まっています。同じ排気量やパワーでもエンジンはV6と直4でどの様に異なるのかまとめてみました。
ところが、最近は排ガス規制や省燃費をはじめとする環境性能も求められる時代となり、エンジンのダウンサイジング化やハイブリッドシステムなどにより、かつてはファミリーカー向けとされた直列4気筒への回帰が始まっています。同じ排気量やパワーでもエンジンはV6と直4でどの様に異なるのかまとめてみました。
V6エンジンのメリット
ハコスカと呼ばれていたスカイラインに搭載されていたS20の流れを汲むRB、トヨタのM系~JZ系など、かつての高性能車は直列6気筒が定番のレイアウトでした。しかし90年代中盤~後半期かけて、さらなるパワーを常用する時代となると、直列6気筒ならではのデメリットも目立ってきます。
まずは「長い」ということ。エンジン自体がまっすぐ6本のシリンダーを備えた形状のため、どれほど車体を軽くしても、エンジンを搭載した車体前方に重量バランスが偏りがちです。クランクシャフトも、ハイパワーによりねじれが生じたり、バランスを失ってくるため、より理想的なエンジンの投入が必要となりました。
それに対し、V6はエンジン自体の前兆が短く、ほぼ正立方体の様な形状をしています。車を構成する部品の中で、最も重い部品であるエンジンがコンパクトなサイズに纏められることで、前後重量配分の適正化など、車両全体のメリットが大きくなりました。またクランクシャフトも短くなり、エンジン自体のキャパシティも向上。最後のスカイラインGT-RとなったR34もレースシーンでは直6エンジンのRBを捨て、V6エンジンを搭載したほどでした。
まずは「長い」ということ。エンジン自体がまっすぐ6本のシリンダーを備えた形状のため、どれほど車体を軽くしても、エンジンを搭載した車体前方に重量バランスが偏りがちです。クランクシャフトも、ハイパワーによりねじれが生じたり、バランスを失ってくるため、より理想的なエンジンの投入が必要となりました。
それに対し、V6はエンジン自体の前兆が短く、ほぼ正立方体の様な形状をしています。車を構成する部品の中で、最も重い部品であるエンジンがコンパクトなサイズに纏められることで、前後重量配分の適正化など、車両全体のメリットが大きくなりました。またクランクシャフトも短くなり、エンジン自体のキャパシティも向上。最後のスカイラインGT-RとなったR34もレースシーンでは直6エンジンのRBを捨て、V6エンジンを搭載したほどでした。
GT-RのV6エンジン【動画】
直列エンジンの位置づけ
直列エンジンは3~6気筒のレイアウトが多く、1000~1500cc程度の普通車に多く見られます。
V型より排気量が少なく、高級車には不向きなエンジンでした。その理由としては、気筒数の増加がコストやスペース的に難しく、普及している4気筒のレイアウトで排気量を増やすと、1シリンダーあたりの負担の増加が顕著で、高回転時に振動が発生するため、高級車には合わなかったと考えられます。
この特徴から、普及しやすいファミリーカーなどで採用されることが多く、性能よりコストとのバランスを考えられたケースも。
ところが最近になると、直噴化技術の普及により、エンジン自体の性能が上がり、高出力で低燃費な直4エンジンが登場しました。また直噴はターボとの相性も良く、大排気量に引けを取らない出力を比較的低回転で発生できるようになりました。こうなると、4気筒というコンパクトさと、低コストで製造できる点などメリットも光ります。
かつて、直列やV型で6気筒にこそ価値を見出したスカイラインやクラウンまでもが直4エンジンを搭載し、輸入車も全長5メートルを超える大型セダンからSUVに至るまで直4ターボエンジンを採用するようになりました。これも時代の流れと言えそうです。
V型より排気量が少なく、高級車には不向きなエンジンでした。その理由としては、気筒数の増加がコストやスペース的に難しく、普及している4気筒のレイアウトで排気量を増やすと、1シリンダーあたりの負担の増加が顕著で、高回転時に振動が発生するため、高級車には合わなかったと考えられます。
この特徴から、普及しやすいファミリーカーなどで採用されることが多く、性能よりコストとのバランスを考えられたケースも。
ところが最近になると、直噴化技術の普及により、エンジン自体の性能が上がり、高出力で低燃費な直4エンジンが登場しました。また直噴はターボとの相性も良く、大排気量に引けを取らない出力を比較的低回転で発生できるようになりました。こうなると、4気筒というコンパクトさと、低コストで製造できる点などメリットも光ります。
かつて、直列やV型で6気筒にこそ価値を見出したスカイラインやクラウンまでもが直4エンジンを搭載し、輸入車も全長5メートルを超える大型セダンからSUVに至るまで直4ターボエンジンを採用するようになりました。これも時代の流れと言えそうです。
17クラウンの直列6気筒エンジン【動画】
直4とV6の比較
仮にエンジンの排気量を2500ccと仮定すると、直6エンジンはボア85×ストローク73.3㎜程度と、ショートストロークで高回転向きです。限られた排気量でどの回転域までエンジンを回すかということがパワーの根拠ともなるため、V型エンジンはある意味理想的なエンジンレイアウトとも言えます。
これに対して直4エンジンは、ボア89×ストローク80.3㎜とやはり高回転向きとは言えず、二次振動の問題や静粛性においても数値上は不利なレイアウトと言わざるを得ません。排気量が増えるほど、この点に関してはマルチシリンダーの優位性が発揮してきます。
これに対して直4エンジンは、ボア89×ストローク80.3㎜とやはり高回転向きとは言えず、二次振動の問題や静粛性においても数値上は不利なレイアウトと言わざるを得ません。排気量が増えるほど、この点に関してはマルチシリンダーの優位性が発揮してきます。
未来の主流レイアウトは!?
環境性能を重視する時代でなければ、直4エンジンもここまで主流にはならなかったかもしれません。90年代のパワー重視だったターボエンジンは、2000年前後にはノンターボV型エンジンなどに取って代わり、近年ではダウンサイジングターボ…と、時代の流れに呼応するように、エンジンの主流も移り変わります。
もし我々の環境への配慮が十分に行き届き、より新しい技術の登場や時代の変化が訪れたら、再び大排気量でマルチシリンダーのエンジンが主流となることがあるかもしれません…。それとも、次世代の電気自動車や水素燃料電池車でしょうか?
もし我々の環境への配慮が十分に行き届き、より新しい技術の登場や時代の変化が訪れたら、再び大排気量でマルチシリンダーのエンジンが主流となることがあるかもしれません…。それとも、次世代の電気自動車や水素燃料電池車でしょうか?