なぜ高級車はワイパーを立てることができないのか?

高級車、特に輸入車では、停車中にワイパーを立てることができないものがあります。なぜ、立てることができないのでしょうか?そもそも、ワイパーを立てることにどういう理由があるのでしょうか?

Chapter
ワイパーの種類
有名なベンツの1本ワイパー
ウォッシャー液が出るワイパー
ワイパーを立てることの意味
立てられない「コンシールドタイプのワイパー」

ワイパーの種類

言わずと知れたワイパーですが、実はいくつか種類があります。一般的なのは、2本のワイパーが同じように右、左と並行に動くタイプですが、1本や3本タイプ、さらに2本が対称の動きをするものもあります。

有名なベンツの1本ワイパー

メルセデス 124シリーズ

W124〜W210の少し古いベンツは、1本ワイパーでした。

これは、ワイパーアームを伸縮させることで拭きとり面積を大きくし、高速でも浮きにくいというメリットがありました。簡単に説明すると、ワイパーアームが届きにくい左右上方のときにアームを伸ばして、拭き取り面積を大きくするわけです。

ところが、この伸縮を制御するギアには負荷がかかりやすく、故障の原因となることも多かったため、新しいモデルでは一般的な2本ワイパーに変更されています。

ウォッシャー液が出るワイパー

メルセデス SLクラス R231

ベンツのSL(R231型)などは、ウォッシャー液がワイパーブレードから出る仕掛けになっています。

これはワイパーブレードに配置された穴から、ワイパーの動きに合わせてウォッシャー液が出るもので、ウインドウの汚れ具合、温度、走行速度などの運転状況に応じて噴射量を制御したり、オープン時には少ない量で室内に飛び散らないようにするなどの機能も備えています。

ワイパーを立てることの意味

これは夏と冬で目的が少し異なります。夏は高温になってフロントガラスにワイパーブレードのゴムが固着したり、ゴムが劣化するのを防ぐのが目的です。屋外の中古車屋さんなどではたまに立てている車を見かけることがありますね。

冬は逆に、雪や霜でブレードがウインドウに固着し、ワイパーが動かなくなるのを防いでいます。スキー場の駐車場などでワイパーを立てている車が多いのはそのためです。また、季節関係なくガラスとゴムの間にホコリが溜まるのを防いだり、ゴムの変形やヘタリ防止のために立てる場合もあります。

立てられない「コンシールドタイプのワイパー」

基本的には、どんな車種でも作動中にエンジンを切れば、ワイパーは立てられるのですが、ここではワイパーを停止させた状態で立てられない場合について解説します。

停止時はボンネット後端に格納され見えなくなる、「フルコンシールド」と呼ばれるタイプのワイパーがあります。これは、見栄えはもちろん、視界確保や風切音防止目的で高級車に多く使われています。

昔のホンダ レジェンド 2ドアハードトップのワイパーなどは停止状態ではほぼ完全に隠れてしまい、そのデザインと相まって非常にスッキリしていました。このようなワイパーはそのままでは立てることができません。

一方、セミコンシールドタイプと言われ、完全には隠れずブレードのみが出ているものや、過去には降雪時にワイパーがフルコンシールドからセミコンシールドに自動的に切り替わり、立てることができるものもありました。

このようにワイパーにもいろいろな種類・特徴があります。普段、あまり意識することのないワイパーですが、これを機会に愛車のワイパーを観察してみてはいかがでしょうか。