プラットフォームからエンジンまでを一新!日産エルグランドの先代との違いを紹介【プロ徹底解説】
更新日:2023.05.19

日産のミニバンの最高峰であるエルグランド。現行モデルは2010年にデビューしました。そのモデルは先代とは、どのような違いがあったのでしょうか。先代との違いを解説します。
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
最高級ミニバンという路線をキープ
現行モデルのエルグランドは、第3世代モデルとして2010年8月にフルモデルチェンジをして発売開始となりました。「キング・オブ・ミニバン」を謳い、「ダイナミックでラグジュアリーな真の高級車」として開発されています。
一方、その前のモデルとなる2代目のエルグランドの登場は、2002年5月。「夢とくつろぎと感動を提供できる最高級ミニバン」をコンセプトに誕生しました。特徴は「ファーストクラスの室内空間」「圧倒的な存在感のある外観スタイル」「ミニバン最高峰の走行性能」「最先端の情報技術」というものでした。
一方、その前のモデルとなる2代目のエルグランドの登場は、2002年5月。「夢とくつろぎと感動を提供できる最高級ミニバン」をコンセプトに誕生しました。特徴は「ファーストクラスの室内空間」「圧倒的な存在感のある外観スタイル」「ミニバン最高峰の走行性能」「最先端の情報技術」というものでした。
言葉の違いはありますが、どちらも豪華で高性能なミニバンを目指しています。そういう意味では、「最高級ミニバン」を目指しているという点では先代も現行モデルも変わっていません。
プラットフォーム一新でパッケージングも新たに
最高級ミニバンを目指すエルグランドですが、先代から現行へのフルモデルチェンジで、最も大きな違いは、プラットフォームの一新です。しかも、駆動レイアウトも変化しています。先代モデルは、エンジンを縦に置いて、後輪を駆動するFRレイアウトのプラットフォームを使っていました。一方、現行モデルでは、エンジンを縦置きして、前輪を駆動するFFレイアウトの新型プラットフォームを採用したのです。
その結果、現行エルグランドは、プラットフォームを薄く、低くすることに成功。室内空間は、先代のままに、その低くなった分だけ全高を下げています。比較すると現行エルグランドの全高は先代モデルよりも100mm近くも低くなっているのです。
その結果、現行エルグランドは、よりロー&ワイドなフォルムになりました。また、重心も低くなることで、運動性能も高まります。さらに背が低いため、横からの風の影響も受けにくくなっています。
居住性は、先代のままに、よりロー&ワイドなルックスになり、より走行性能が高められているのです。
その結果、現行エルグランドは、よりロー&ワイドなフォルムになりました。また、重心も低くなることで、運動性能も高まります。さらに背が低いため、横からの風の影響も受けにくくなっています。
居住性は、先代のままに、よりロー&ワイドなルックスになり、より走行性能が高められているのです。
デザイン面での継承されたところと新しいところ
現行型エルグランドは、先代よりも背が低くなり、よりロー&ワイドなスタイリッシュなフォルムとなりました。しかし、「堂々とした、エルグランドらしいルックス」は継承されています。そのポイントとなるのが前後のライト類です。車のエクステリアに関して、ライト類は、そのキャラクターを決定づける重要なアイテムとなります。そのライトのデザインに、エルグランドの伝統が継承されているのです。
まず、ヘッドライトでいえば上下に2段になっているのが初代から続くエルグランドの伝統です。現行モデルは2010年のデビュー時から現在まで、何度かのマイナーチェンジや改良によってフロント周りのデザインも変化してきました。しかし、現在でも大きなウインカーが上にあり、その下にヘッドライトという2段のレイアウトになっています。また、リヤでいえば、左右に広がる水平基調のコンビランプと、ボディの四隅に縦に配置される、水平と垂直の組み合わせも、エルグランドの伝統となります。
全高を下げてフォルムは変わりましたが、前後のデザイン・テイストは、しっかりとエルグランドの伝統が継承されているのです。
全高を下げてフォルムは変わりましたが、前後のデザイン・テイストは、しっかりとエルグランドの伝統が継承されているのです。
パワートレインの変化
パワートレインは継承と新規が混じっています。先代エルグランドのパワートレインは3.5リッターと2.5リッターのV6エンジンに5速ATを組み合わせるもの。V6エンジンのみというラインナップだったのです。
一方、現行モデルでは、先代からの継承となる3.5リッターV6と、新規の2.5リッター直4エンジンの2種類となりました。トランスミッションは6速マニュアルモード付のCVTとなっています。
一方、現行モデルでは、先代からの継承となる3.5リッターV6と、新規の2.5リッター直4エンジンの2種類となりました。トランスミッションは6速マニュアルモード付のCVTとなっています。
スペックは、先代の3.5リッターV6が最高出力177kW(240ps)・最大トルク353Nm、2.5リッターV6が137kW(186ps)・最大トルク232Nmに対して、新型では3.5リッターV6が206kW(280ps)・最大トルク344Nm、2.5リッター直4が125kW(170ps)・細田トルク245Nmとなっています。3.5リッターV6は、よりパワフルになっており、2.5リッターではV6から直4に代わったことで、パワーはややダウンするも、トルクは大きくなっています。
ロングライフの中で最新の運転支援を満載
現行のエルグランドと先代モデルとの違いで、大きなものは先進安全機能の充実でしょう。衝突軽減自動ブレーキなどの先進安全機能や、ACC(アダプティブクルーズコントロール)といった先進運転支援機能が普及したのは、直近の10年の話。それよりも前の時代に作られた先代のエルグランドには、そうした機能は備わっていません。
また、現行エルグランドも、デビュー直後は、やはり搭載されていませんでした。ただし、モデル・ライフの中で、何度かのマイナーチェンジや改良を加えることで、現在のエルグランドは、そうした最先端の先進安全機能と先進運転支援機能を備えるようになっています。
現行のエルグランドと先代モデルとを比べてみれば、最も大きいのは、プラットフォームの変更でしょう。FRからFFとなったことで、全高が下がり、フォルムだけでなく走行性能も変わっています。また、現代に使う車として考えたとき、先進安全機能や運転支援機能が備わっているところも、重要な違いと言えるでしょう。