ダイハツ ムーヴキャンバスの試乗インプレッション!“走る・曲がる・止まる”の基本性能と高い利便性に注目!【プロ徹底解説】

ムーヴキャンバス

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2022年7月にフルモデルチェンジして第2世代となったダイハツのムーヴキャンバス。その走りは、どのようなものなのでしょうか。実際にハンドルを握ったときの印象をレポートします。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
第2世代となって進化したポイント
広々とした室内と使い勝手の良い装備類
DNGAを使って基本性能をアップ

第2世代となって進化したポイント

ムーヴキャンバスの特徴は可愛らしいデザインと、ハイトワゴンでありながら、両側スライドドアを備えた利便性の高さにあります。第2世代となって、先代と同路線の可愛らしい「ストライプス」と、シンプルで大人指向の「セオリー」という2つのデザインが用意されました。
また、プラットフォームやパワートレインに新世代のダイハツの技術であるDNGA由来のものが使われるようになったのもトピックです。DNGAの技術により、ボディは剛性を高めつつも、50㎏も軽くなっています。
さらにパワフルなターボ・エンジンも選べるようになったのも大きな特徴です。特にターボ・エンジンには、ギヤとベルト駆動を併用するD-CVTが使われており、優れた効率とダイレクト感が期待できます。

広々とした室内と使い勝手の良い装備類

ムーヴキャンバスの特徴となる両側スライドドアは、軽自動車の場合、これまで、もっと背の高いスーパーハイトと呼ばれるモデルたちの専用アイテムと考えられてきました。ダイハツで言えばタントです。もしくはハイゼットカーゴのような商用バンの装備でした。荷物を出し入れするには、普通のドアよりも便利です。ところが重量がかさむため、走行性能や燃費性能に悪影響を及ぼします。そのため、両側スライドドアはスーパーハイトワゴンと商用バンだけの装備となっていたのです。

それに対して、初代ムーヴキャンバスは、スーパーハイトよりも背の低いハイトワゴンのムーヴに両側スライドを使いました。両側スライドドアの欠点に目をつむって、利便性を優先したのです。
実際に両側スライドドアのムーヴキャンバスは、後席へのアクセスは非常に優れています。小さな子供を乗せるにも、たっぷりの買い物の荷物を積むにも楽。開けたドアが隣の車にぶつかる心配もありません。買い物や送迎に、非常に使いやすいのです。

そして、背が低いといっても、“スーパーハイトに比較すると”というだけ。実際に試乗した際も、室内が狭いなんて、まったく感じませんでした。ハイトワゴンのムーヴでさえ、“車内が狭い”なんて聞いたことありません。必要十分以上の広さがあります。
しかも、新型ムーヴキャンバスには、便利な機能が満載されています。前席のカップホルダーにはヒート機能が付いています。エアコンの吹き出し口の前にありますから、エアコンの風で冷やすこともできます。また、前席の目の前にはスマートフォンを置くのにちょうどいいインパネトレイがあり、そこにワイヤレス給電の機能までつけられます。シートヒーターもあるし、高速道路の全車速追従機能付きACCまで用意されていました。最低限ではなく、普通に“欲しいな”と思う機能のほとんどが揃っているのです。利便性は文句なしの高さです。

DNGAを使って基本性能をアップ

走らせてみて魅力的に思えたのは、走る・曲がる・止まるという車の基本性の高さです。ハンドリングは、とても素直です。角を曲がった後のハンドルの戻りも自然で、乗り心地も上々。コーナーで、ぐらりと倒れ込むような怖い動きもしません。背の高い車に多いのが、ハンドル操作に対して車の動きが遅くて、まるで船のようなフィーリングをする車もあります。それに対して、ムーヴキャンバスは、シャキッとしています。新世代のDNGA技術を使った新しいプラットフォームやサスペンションが、基本性能を高めているのでしょう。
ムーヴキャンバスは、両側スライドドアということで、その車両重量は2WDで870~900㎏、4WDで920~950㎏もあります。ムーヴに対して、50㎏以上も重くなっています。それに対するエンジンのパワーは、ノンターボで38kW(52PS)、ターボ・エンジンで47kW(64PS)。これは基本のムーヴと変わりません。
じゃあ、走らない、モタモタした車なのかといえば、そんなことはありませんでした。街中を走っている限りは、ノンターボでも十分にキビキビと流れをリードできます。ターボ・エンジンであれば、なおさらです。ターボ・エンジンは特に低速トルクが強く、加速感は十二分。ただし、高速道路では、必要十分といったところ。高速道路を使った長距離移動が多い人には、あまりおすすめではないでしょう。
鈴木 ケンイチ
鈴木 ケンイチ

新型ムーヴキャンバスは、デザイン面の変化だけでなく、メカニズムも最新技術が採用されています。走る・曲がる・止まるといった基本性能は非常に高いことが実感できました。また、重い両側スライドドアを装備しながらも、そのデメリットをほとんど感じさせません。利便性とデザイン性の高さだけでなく、走行性の面でも十分な実力を備えた車と言えるでしょう。

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